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ATOM

ATOM001.jpg

Astro Boy
2009年
アメリカ

『鉄腕アトム』手塚治虫原作
デヴィッド・バワーズ監督

声:
フレディ・ハイモア、、、アトム・トビー
ニコラス・ケイジ、、、テンマ博士(アトムの生みの親、トビーの父)
ビル・ナイ、、、お茶の水博士(アトムの理解者)
クリスティン・ベル、、、コーラ(アトムの親友)
ドナルド・サザーランド、、、ストーン大統領

かなり凄い人たちが声優をやっている。

邦題の「ATOM」は仕方ない。(われわれにとっては、「アトム」以外のなにものでもない)。
いっそ、元の題名もこれでよかったのでは、、、。


一言。素晴らしい作品であった。
わたしは、アトム派ではなく鉄人派であったのだが、この映画を観てアトムの魅力を再認識した。
まさに「こころやさしい~かがくの子~」であった。何万馬力かは知らぬが、、、。
アートワークもキャラ設定も含め、申し分無かった。
様々なロボットキャラには和んだ。
確かにアメリカのアトムになっており、周りも全てアメリカであったが、アトムの本質はしっかり捉えられていた。
御茶ノ水博士がオリジナルより彼らしく描かれていた気がして、嬉しい。
更にこのアトムはアニメであるからこの愛らしさと抽象性が保てると思う。他のキャラは何とでもなるかも知れぬが、アトムはどうやっても実写には耐えない気がする。

ギャレス・エドワーズ監督の”GOZZILLA”共々、原作へのオマージュ(tribute)である。


空中都市メトロシティで、選ばれた人々がロボットを管理しながら優雅な生活を享受している。

テンマ博士は彼の優秀な息子、トビーをピースキーパー暴走事故(ストーン大統領が原因)で失ってしまう。
博士は御茶ノ水博士が発見した『ブルーコア』(原子力より強大だが安全なエネルギー)を搭載した、トビーに生き写しのロボットを全身全霊で作りあげる。
しかし、ロボットの知力(及び記憶情報)は同等であったが、彼はトビーのコピーに過ぎない、という意識に悩まされ続ける。
コピーとして見ている以上、そのロボットを息子として愛せるはずがない。
単なるコピーはコピーである。
しかも博士は仕事に没頭していて、生前のトビーすらよく把握してはいないのだ。(学校のテストの点以外は、ほぼ知らない)。
博士の理想化した勝手な幻想によって、彼のトビー像は作られている。
そのロボットは、最初から捨てられる運命にあった。
結局、お前は息子ではない、、、とわかりきったことを言われテンマ博士に追い出される。

彼はブルーコアを盗もうとする軍にも執拗に追われ、メトロシティから落下してしまう。
落ちた地上で、”Astro Boy”―アトム(和名)という新しい名前をそこで出逢った仲間につけてもらう。
彼自身もトビーという名前は、剥奪されたも同様であったことから、その名を受け容れる。
彼はひたすら居場所を探す。

彼は『ブルーコア』エネルギーの特質なのか、どんな場面にあっても、他者―人を救う道を選ぶ。
自分を追い詰めた人間を最終的に助けてゆく。
テンマ博士も今のアトム自身を自らの子供として認め、深い愛情に芽生える。
最後にレッドコア(ブルーコア抽出の際の副産物)を装着して街を破壊するピースキーパーとの戦いとなり、アトムは自爆を前提とした双方のコアの対消滅を図り、ピースキーパーを倒す。
ピースキーパーは破壊されたが、アトムも完全にコアエネルギーを失い回復不能となる。
御茶ノ水博士もすでにブルーコアは強制的に処分させられ持っていなかった。
しかし、アトムが100年前の真鍮製巨大作業用ロボットを甦させるときに分け与えたブルーコアがあった。
そのロボットがやって来て自らエネルギーをアトムに分け、アトムは蘇生する。(与えたものは返ってくる教訓か)。

アトムのやり遂げた偉業は、人間とロボットの真の共存を達成したということだ。
ロボット3原則のような主従関係ではなく、友人として対等の関係性を結んだと云える。
ロボットはそれまでのように使い捨ての道具ではなく自立した存在となり、人間はロボットを一個の主体として尊重するようになった。
それによって、アトムは自らの居場所を作ったと謂える。(見つけたのではなく、作り出したのだ)。

この時代に、「ノーベル平和賞」があるならば、間違いなく彼が受賞者であることは間違いない。
(それにしても、ストーン大統領は酷いキャラクターであった。誰をモデルにしているかは想像できた)。



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