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陽のあたる場所

A Place in the Sun

A Place in the Sun
アメリカ
1951年

ジョージ・スティーヴンス監督

セオドア・ドライサー原作『アメリカの悲劇』

モンゴメリー・クリフト、、、ジョージ・イーストマン(工場で出世を狙う貧しい出の若者)
エリザベス・テイラー、、、アンジェラ・ヴィッカース(社交界の華、ジョージの恋人)
シェリー・ウィンタース、、、アリス(ジョージの最初の恋人、工場従業員)


2人の女性に、ほぼ同時期に恋をし、どちらも比べられるものではなく、本当に好きであればどうしょもないことであろうが。
このジョージは、明らかにアンジェラと恋仲になった時点で、アリスへの愛情は失せている。
それを内省すれば、もうとるべき行動とすれば、「頼む、俺と別れてくれ!」と土下座するしかあるまい。
(アメリカには土下座はないが。気持ちとして)。
そこをズルズル双方との関係を引き伸ばしてゆけば、破綻しか見えないのは自明の理である。

しかし、それをやらずに続けることでドラマとなっているので、それを見るしか―楽しむしか、ない。
わたしにとって意外に思えたのは、アンジェラがあんなに本気で恋に落ちていたとは信じられなかった。
余りに彼女とジョージとは階級・立場が違いすぎる。
からかい相手として接触しているくらいかと思っていたら最初から一途な恋愛感情を燃やしていたのには参った。

わたしが見たところ、ジョージとアリスはちょうど良い夫婦に思えるし、ジョージとアンジェラも素敵な格差婚で、どちらも良いと思える。
しかも、ジョージはどちらとも、真剣な恋愛感情をもって付き合っていたことも確かだ。
(アンジェラと出会って、気が変わるがそれは仕方ない)。


この男は基本的に、正直で真面目な男だ。野心は、、、それほどでもない。
やはり過ちは、社内恋愛御法度でありながら、隠れてアリスと付き合いを始め、そのまま深めてしまったところにある。
そこをバカ正直に会社の規則に従っていれば、いきなりアンジェラと出会えて、そのまま正々堂々と付き合うことが出来た、、、と思うのだが、、、。
やはり、嘘はいけない。
(そういう教訓か?(笑)。

一番、いけないのは、自分に対する嘘だ。
神父が彼に最後に諭した如く。
彼は湖にアリスと共に落ちたとき、彼女を何をおいても救おうという気持ちより、アンジェラのことを想いアリスを放置して自分だけ岸に泳ぎ着いてしまった。不作為犯とでもいうべきものか?
いくら、殺害という犯行を否定しても、潜在する殺意はかき消せない。
教会の告白と謂う制度はかなり問題はあるが、この場合の自己対象化を図る意味では価値を覚える。
彼は、アンジェラに出会った時点から、アリスに消えてもらいたかった。
別れるではなく、消えて欲しかったのか。

この映画、恋愛の機微を伝える部分をはじめ、演出が精妙である。
鳥の啼き声やラジオ等、音の心理的効果を呼ぶ使い方が際立っていた。

こころを探り合い不安の張り詰める湖上に、怪しげに響く鳥の啼き声。
アリスの部屋の窓辺を介した、恋心に踊るラジオのボリューム調整。
みんなで勢いよくボート遊びに出発した後の桟橋に残ったラジオから、その後の急展開を予想させるアリスが溺死した事件を告げる放送。
エリザベス・テイラーの美貌とその表情も物語の影を引き立たせる演出としての効果が大きかった。
手に取るように分かるシェリー・ウィンタースの心理表現は、最後にはその風景とも一体化した狂気も引き寄せるものであった。
そして何よりモンゴメリー・クリフトの苦悩を繊細に体現する演技は素晴らしい。


また、この時代のフィルムにしては、異様に鮮明なDVDであることに驚いた。
*メディアディスク社(超高画質名作シリーズ)




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