グッドフェローズ

Goodfellas
1990年
アメリカ
『Wiseguy』ニコラス・ピレッジ原作(ノンフィクション)
マーティン・スコセッシ監督
レイ・リオッタ、、、ヘンリー・ヒル
ロバート・デ・ニーロ、、、ジェームズ・“ジミー”・コンウェイ
ジョー・ペシ、、、トミー・デヴィート
ロレイン・ブラッコ、、、カレン・ヒル(ヘンリーの妻)
ポール・ソルヴィノ、、、ポール・“ポーリー”・シセロ
フランク・シベロ、、、フランキー・カーボーン
「おともだち」である。
登場人物全員の顔が皆、イッテルところが凄い。
皆が一触即発状態にいる。
危ないことこの上ない。
そして湿り気など微塵もなく、からっからに乾いた世界である。
古くからの仲間でもいらなくなったら、すぐに消す。
しかもそこにペシミスティックなところなど全くなく、、、。
どれだけ危険でもこの世界の魅力に取り憑かれ離れられない人々である。

特に、このトミー・デヴィート(ジョー・ペシ)の狂気の沙汰は、凄まじい。
冗談かと思って笑っていたら突然切れて相手を蜂の巣にしてしまう。
話が終わって帰っていったかと思っていたらまたひょっこり戻ってきて撃ち殺す。
きっと途中で頭に血が上ったのだろう。
もう飛んでもない輩である。
この男の詰まらい笑い話には、誰もがお愛想笑いをせざる負えない。
しかしもっともドキドキさせられた場面は、これまで一番親密に組んで仕事をやってきた相手であるジミーにカレンが道脇の店に手招きで誘導されるところである。寸でのところで車に乗り込み大慌てで逃げ帰るが、そのまま角を曲がっていたらどんなことになっていたか、、、。兎も角、奸計と罠は至るところにあり、狂気と暴走もちょっとした雲行きでスイッチが入る。
実際のマフィアの世界をヘンリー・ヒルを中心に描く実話(と言っても不可避的に創作であるが)。
何であっても、大きな盗みや薬で巨額の金が舞い込み、それを命ともども一挙に蕩尽する人間の根源的な欲望の見えるところが堪らない。
だから、マフィアはやめられないのだ。
ヘンリーも大統領になるよりマフィアになりたいと、子供の頃から念じていた。
そして、コツコツ努力を積み重ね信頼とコネを得て、一角のマフィアとなったのだ。
これも、人間信念を持って頑張れば何にでもなれる、という例か。
しかし幹部はイタリア人でないとなれない、という仁義があるらしい。
幹部になれば、組織の誰を殺しても構わないという。
凄い掟だ。
ちゃんと貢物や年貢?を納めていれば、取り敢えず守られるが、ひとつ注文を付けられると身の危険は半端ではない。
それでもやめられない魅力があるのだ。
恐らくそれを一度知ると、、、堪らない快感の虜となってしまうのだろう。
トミーなどはヒトを殺す快感のためにマフィアをやっているように見える。
自分も最後にあっさり幹部にハメられ殺されてしまう。
この手の映画では、「ゴッドファーザー」と双璧をなす作品という。
音楽がまた何ともよい。
クリームやストーンズもよいところで活きていたが、、、。
最後は「マイウェイ」が実に決まっている。これがシナトラ版ではドウショモナイ。
そしてデレク&ドミノスの「愛しのレイラ」で締め。
全てがスタイリッシュ。
アッケラカンとしていて、気持ち良い。
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