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ハンナ

Hanna001.jpg

Hanna
2011年
アメリカ

ジョー・ライト監督

シアーシャ・ローナン、、、ハンナ
エリック・バナ、、、エリック・ヘラー(ハンナの父元CIAエージェント)
ケイト・ブランシェット、、、マリッサ・ウィーグラー(CIAエージェント)


何だかさっぱり筋―脚本のつかめぬ映画である。
内容が何だか分からないが、映像的コンテクストをなぞるように見てゆけばそれなりに見れる。
しかし、何でそうするのか、は謎ばかり。
そうすれば、こうなってゆく力学的作用(反作用)は生理的に受け入れられる。

この映画の目玉は、何と言ってもシアーシャ・ローナン―ハンナだ。
16歳という設定。
フィンランドの森林地帯に父と2人で住む。一面の雪景色、、、。
彼らが住む小屋には、百科事典とグリム童話の他にこれといって何もない。
所謂、文明の利器はない。
TVやラジオすら、、、。

そうした環境で何をやって暮らしていたか。
父からの特訓で、サバイバルのための戦闘力(体術)を身に付け、ナイフや拳銃の腕を磨き、狩りをしながら英語、ドイツ語、スペイン語、アラビア語の習得をしていた。
何のためかというと、、、よく分からない。
それは、最後まで宙吊りのまま、、、。

外の世界に出たがる娘。
ここで、外があることを知っているだけでも拾い物だと思える。
父が外に出る心構えが出来たらこのスイッチを入れろと言って狩りに出る。
その間に、彼女は装置のスイッチを押す。
帰ってきてそれを知った父はヒゲを剃りスーツに着替えて外に出てゆく。
(何でだ?とういう気持ちでこちらは呆気にとられるが)。
その装置は、CIAに小屋の場所を通知する送信機だったらしく、直ぐにCIAの襲撃に遭う。

娘は彼らに捕らえられ本部に監禁され尋問を受ける。主に父の居場所についてであるが。
父の目論見としては、あくまでも娘をCIAに送り込むことであったのだろうが、、、
何か彼女に任務めいたものがあったようにも、それを遂行したようにも見えなかったのだが。
ただ、行ってそこを逃げ出しただけのように受け取れる。
(自分の遺伝子操作についての情報を得るのが目的なのか?いや、ここで初めてDNA検査を受けたのだ)。
ああ、そうか。母の敵をとりにいったのか?(ここでまだそのいきさつは知らされてなかったような、、、しかし「魔女は死んだ」というのは、マリッサを殺したと勘違いして父に送ったメッセージである)。それが任務であったか、、、余りにあっさりしすぎて。
磐石の警備を抜け出す技量に関しては、父に叩き込まれた体術とセンスが充分活かされるところだ。
兎も角、彼女は外の世界には出た。

ロードムービー風にハンナは逃亡の途上で友達らしき子が出来たり、文明の利器に驚いたりもするが、、、。
特に印象には残らないし、伏線的な流れが生まれるわけでもなく。
そのキャンピングカーの家族にも友達になった女の子にも魅力がほとんど感じられないのも困った。
ハンナは部屋の電話やポットやシーリングファンには戸惑い果てる割に、ネットカフェでパソコンいじって情報を取り出すところなど何ともである。一般のパソコンでCIAの機密情報にすぐアクセスできるはずもないと思うが。
適度なアクションシーンをいくつか挟む。

そのハンナを執拗に追い続けるマリッサ・ウィーグラー。
このCIAエージェント、片っ端からヒトを銃殺してゆくが、わざわざ殺す意味もない人間を次々に撃ち殺す。(子分も使って)。
これは、サム・ペキンパーの映画では、見られないことだ。
冷酷とか非情などと謂う以前の問題で、何でそうするのかが分からない。
変なヒト。
どんな映画のどんな役でも、その人間が置かれたコンテクストのうちで共感をもつ部分があるからそのキャラに添うことができる。
このマリッサは、悪人ですらないし、狂人の身近さもない。
ただ、電動ハブラシで鬼のように歯を磨く様は、確かに常軌を逸していることは分かる。

もっと分からないのは父親エリック。
マリッサ・ウィーグラーに「なんで今頃、現れたの?」と聞かれるが、わたしも聞きたい。
サバイバル術を娘に叩き込んだ末に、彼女をどうしたかったのか?
さっぱり見えない。
基本的に、呆れてモノも言えない。

だが、最も呆れて怒る気にもなれないのは、脚本家である。
一体何を考えてるのか、なんにも考えていないのか、まず後者であろう。
遺伝子操作の生体実験など随分昔から使い古されたネタや、あなた本当の父なの?とか聞き飽きてもうカビが生えている。
あくまでもその使い方であろうが、、、ここでは感情移入が微塵もできないではないか、、、もういい加減にしよう。

物語の骨格の構想が全く練られておらず、行き当たりばったりの脚本に演出が絡み、きっとキャストが一番何やってるか分からず戸惑った映画であったと思う。

「心臓を外しちゃった」など、それが何かの決まり文句にでもなるとでも思ってるのか?!
こんなもの、サム・ペキンパーが見たら、何と言うだろう?
きっと恐ろしいことになるはずだ、、、いや見向きもせずに呑みに行ってしまうか、、、。

まあ、見ていくうちにどんどん関心が薄れてゆく珍しい映画であった。
キャストに同情したい。


Hanna002.jpg

シアーシャ・ローナンはアクションも出来ます!という宣伝にはなるが、、、割に合うか。


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