PICKUP
レヴェナント: 蘇えりし者
バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
シャイン
トイレのピエタ
カッシーニ グランドフィナーレ
ゴッド ファーザー
それでも恋するバルセロナ
シチズンフォー  スノーデンの暴露
透明な身体性
森羅万象を描く デューラーから柄澤齊へ
ヴィデオドローム2 ~イスラム国 ~アノニマス
魔術師
ブラック・スワン Black Swan
見えない重力を描く Ⅱ
美の翳りに寄せて
LUCY ルーシー
ミツバチのささやき
娘ふたりと女子美へ☆彡
父 パードレ・パドローネ
写真についてーⅡ
去年マリエンバートで
午前零時の奇蹟(シュル・レアリスム覚醒の時間)
パーフェクト・デイ ~ルーリード ~ローリー・アンダーソン ~スーザン・ボイル
未来派の画家~ウンベルト・ボッチョーニ
Balthus ~ バルテュス展行ってまいりました。
「ゴールドベルグ変奏曲」 バッハ  ~グールド ~P・オトゥール ~ニーチェ
大昔のスケッチ(詩画集のための試作)
すでに世界は終わっていたのか ~ ヒエロニムス・ボスその1
スヌーズレン002
情報リテラシー  ~華氏911 ~不都合な真実
南伸坊「歴史上の本人」
プラトーン
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

MOTHER マザー

House of Voices001

House of Voices
2004年
フランス

パスカル・ロジェ監督・脚本
これはデビュー作らしい

何で邦題”MOTHER マザー”なのか、、、
また、これ程酷いセンスの無いジャケットも珍しい。

ヴィルジニー・ルドワイヤン、、、アンナ(新人職員)
ルー・ドワイヨン、、、ジュディス(独り残った大人の孤児)
ドリナ・ラザール 、、、イリンカ(職員)
カトリオーナ・マッコール、、、 フランカラド(孤児院の院長)

ルー・ドワイヨンってジェーン・バーキンの娘なの?
ふーん。
ゲインズブールではないのだ。
こっちのファザーとマザーを心配していても仕方ない。

今日はヴィルジニー・ルドワイヤン繋がりで、(無理やり繋ぐ必要はないが)たまたま見つけたこれを。
ちょっとあまり好きではないが結構よくできた映画「永遠の子供たち」を思い起こす、、、。
そして「ローズマリーの赤ちゃん」であろう。寧ろこちらか、、、。

そもそも、閉鎖を決めた孤児院に何故、新人が住み込みでやって来るのか、、、?
どういう仕事があって、誰が給料を払うのか、とかちょっとよく分からない。
しかも、妊婦である。当然働くにもいろいろと支障が出よう。
まさか、採用前にそれを確認しないことなどありえないし、、、。

まず、それを気にかけながらの鑑賞となる。
ルー・ドワイヨンがどうにもジェーン・バーキンに似てないなども、なるべく気にしないようにみてゆくが、、、。
それにしてもヴィルジニー・ルドワイヤンをVFXで、妊婦に見せているのか、本当に妊婦なのか、少し悩む。
見てゆくに従い、もやもやする点が増えてゆき、集中が厳しくなる。
次々におやつなど途中で飲んだり食べたりするから、これは肥満を促進する映画でもある。
わたしまで、妊婦っぽくなってしまうではないか!、、、これは新たなホラーだ(怒。
どうやら、彼女は(わたしではない)本当に妊婦で、最後のシーンの時はもう産後であったような、、、。
恐らくそういうことであろう?
結構、撮影が大変だったろうな。(妊婦にもしものことがあってはならない。その撮影現場に)。

まず、ホラーで(この映画はどうやらホラーとも違うが)よくあるパタンでは、主人公がまっとうなヒトで、周りの人間が悪で、策略を巡らし主人公(たち)に様々な罠をかけて襲ってくるなどがよく見られる。
しかし、この作品は、周りのヒトは皆、凄くまともな人で、この主人公が異常であった、というものだ。
彼女のこの症状は何であるのか、一つは妊娠(出産)に対するネガティブな感情に起因するものか、、、。
望んだ妊娠でなければ、憎悪や罪悪感や不安、恐怖の綯交ぜになったストレスが障害ともなろう。
特に彼女の背中に多数あった、傷跡である。
何かとても大変な目に遭って、ここに流れてきたという印象を与えることは確かであろう。
兎も角、主人公がかなりの問題を抱えた人物なのである。
しかし、それは取るに足らない設定である。
この映画の何とも異様なな特質は、何と言っても、、、。
彼女の異常な表象を彼女となってこちらも知覚する事を強いるところなのだ。
登場人物を客体視し、それを神の座から見てその動きを楽しむ通常の構造ではない。
(つまり誰もが共有できる表象―超常現象は一切ない)。
辻褄が合うかどうかではなく、そう彼女―主体が感知しているのだから、そうなのだと、、、。
しかし、これはこちらにとっては居心地は悪い。
生理的に受け入れ難い形式と言える。
これは、少ないタイプに入ると思う。
とは言え、見終わった今、貴重な映画を見たという、得した気分もほとんどない。
集中が大変しにくい映画であった。

見終わってこれ程何も残らない映画も、また妙に清々しい。
だが、すっきりし過ぎて、何見たか覚えていないのだ。記憶喪失してしまった。(いよいよ重症か?)


思い出す範囲で、残りの感想を述べたい。
映像や演出効果、編集などは、とても綺麗になされていたはずだが、、、。
しかし、それらはあくまでも客観的なストーリーの元で余裕をもって感じ取れるもの。

主人公の女性の異常感覚を通して外界を見るという視座を維持してゆけば、なる程微妙な、、、と思える。
(こちらも多少ズレつつ追ってゆくのだ、、、)。
そして、主人公が嘘つきと言って警戒するベテラン職員のおばあさんにその都度、彼女は助け出される。
主人公が身も蓋もない探求をしてしまうことで、周りの人間の傷口を開くことにもなるが、そんな他者の思いに想像力の及ぶ彼女ではない。
こういう自分だけが正しいと信じている浅薄な思考で闇雲に突き進むヒトは少なくない。
この先輩の女性が大変寛容で、人間が出来た人である為、主人公は幾度も命を救われるが、、、それに反省的思考は生じない。勿論、恩も感じるはずもない。(本人にしてみれば半ば憑依されているのだし、、、しかしそうなれば、わたしは彼女の視座―意識とみていたものすら更に他者にコントロールされたものということができる。これ程乗りにくい船はない)。

これなら客観的な視座で全ての登場人物を客体的に把握できる方が、遥かに居心地よく見易い。
巧妙に襲って来た魔物に、主人公(たち)がひえ~っと悲鳴をあげて逃げ惑うなどの方が落ち着く。
途中で見るのを辞めようかと幾度も思ったが、とりあえずおやつとDr.Pepperで乗り切る決意を固める。

何と言うか、施設に封印された領域があり、そこに戦時中に負傷して担ぎ込まれた(300人程の)子供たちが過ごした跡が見つかった、というもので、主人公はその子達の気配を絶えず感じていたからこそ、そこを探し当てた?のだろうが、実際どうであったのか定かではない。主人公にとっても、それに何か意味があったかどうかは分からない。(恐らく妊娠しているがため、その子らの霊に共振しやすかったのかも知れないが)、実際、赤ん坊がそこで死産してしまい、彼女自身も死んでしまった。それは、彼女が望んだことなのかどうか、、、。
最後の部屋は真っ白で異様に綺麗であるのが、まさに彼女の極まった(断末魔の)幻視の果てであることに共感する。
ほとんど霊界との狭間か越境してしまった場所か、、、と感じるところであった。
彼女にとっては、結局そこで死んだ子供たち(自分の子も含め)の「母」―”Mother"となったということなのか、、、彼女に近いビジョンを備えていたたった一人残されていたジュディスがその孤児院を去る間際に、彼女とそれを取り巻く子等を「見ている」ところから、ここでその世界の実在性が垣間見られた、、、。

主人公の行動はある意味、必然的なものであった、というところに落ち着きたい。





関連記事

COMMENT

EDIT COMMENT

非公開コメント

プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
日々思うことを綴ってゆきます。
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ることもあります。
悪しからず。
コメント、メッセージ頂ければ嬉しいです。

*当サイトはリンクフリーです。

検索フォーム
ブロとも申請フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

QRコード
QR
最新トラックバック