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美としての身体表現 エレーナ・イシンバエワ

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久しぶりにテレビにかじりついて陸上競技に見入ってしまいました。(相変わらず織田裕二は元気でした。)
わたしは日頃ろくにテレビなど見ません。見るとしても娘たちと一緒に「おかあさんといっしょ」くらいです。
最近は特にそうです。

そんな中、エレーナ・イシンバエワの棒高跳びには魅了されました。
改めてロジェ・カイヨワを持ち出すまでもありませんが、遊びの要素の「目眩」をこれほどの強度で華麗に具現している競技はないでしょう。哲学者の池田晶子さんも棒高跳びの選手になりたいとかつて言っていました(彼女の場合、競技がはっきりしていて分かり易いことも大きいようです)

あんな競技場で、観客をみな自分の味方につけて、みんなをハラハラドキドキさせながら自分の思うような競技が次々に出来たら、そりゃあ気持ち良いでしょうね。多分これ以上の快感はないと思います。苦しげに競技をしている選手が少なくない中、喜び・快感を激しいオーラで放出している恒星のような存在には惹きつけられない理由がないです!

思えばわたしは、エレーナ・イシンバエワが10代のころから時折(大会を常に見るには無理です)、気のついた時には必ず見ていました。フギュアスケートや新体操などのアーティスティックな表現要素の大きいスポーツは以前よく見ていた時期がありましたが、この棒高跳びにはアーティスティックインプレッションなる評価ポイントはありません(飛んだ高さだけで勝負が付くところが池田さんが特に気に入った点でもありますが)。

しかし絵を描くときも、というより絵を褒める時にも「大胆かつ繊細な」タッチでとかよく言いますね。それと同様に?棒を抱えた助走の力走からして、グイっと棒をしならせつま先から宙に向け重力に逆らい飛び出すところは、かなりの力技のダイナミックな競技に見えて、宙高く舞い上がりつつ美しく見事な体のしなりでバーをスレスレにに越すあたりの微妙極まりない体操競技の技術を必要とする局面なども含め、芸術をどうしても感じないではいられません。(勿論、選手は助走に出た時から落下までを絶妙なタイミングに沿ったひとつの流れとして競技しているのですが)、あのすべてをやりとげた最も高い時点からの笑顔での自然落下も何とも言えません。まさにfallen angel~目眩の美学です。アーティスティックインプレッションが入る余地はないですが、極限的な状態の身体のとれる美を表出していることは間違いありません。
あの高さと落下は何より大きい魅力かもしれませんね。

フィギュアスケートではカタリナ・ビットをよく見ていましたが、あそこではスピードの緩急と回転・ジャンプの要素ですね。それから決して小さくないのは競技者の表情です。顔や指先における。
新体操では、リリア・イグナトバのファンでしたが、あの競技も目眩の美の極致だったと思いますが、何よりわたしがイグナトバに惹かれたものは、やはり顔の表情です。はっきり言ってイグナトバの魅力はそこにあると思います。勿論、手具を扱う技術、身体能力が極めて高いことは素人でもよく分かりますが、わたしはあのような多様な美の表情を見たことありません。驚きとともに深く印象に残ったものです。

棒高跳びは、表情の審査はありませんから、高く飛びバーを落とさなければ良いわけです。でもわたしが、いえわたしたちが少なからず気にとめていたのは、エレーナ・イシンバエワの表情だったと思います。
そして、89を一回でクリアして降り立ったときの表情は、イグナトバの研究し尽くして作り上げた表情にも劣らない人を惹きつける素晴らしいものでした。久々にワクワクドキドキしながら、テレビ画面のエレーナがバーを越すたび拍手している自分がいましたが、あの会場いっぱいの声援・歓喜の声も競技の成功のみならずあの表情に共振してのものだと思うのです。

優勝した後の彼女の喜びの姿には素直にこちらも嬉しくなりました。
これほどの身体を使った喜びの表現をわたしたちは日頃見ることが出来ません。
ちょっと調子に乗りすぎという人もいるかもしれませんが、わたしにとっては競技以上に貴重な画像であったかもしれないのです。
15年に渡り自分との孤独の戦いを通じて28回も世界記録を塗り替えたてきた事やここ数年不調が続き、母国での開催でなければすでに引退していたという本人の告白はかなりずしりと重く先入観としてもあったことは確かですが、例えそんな事前情報がなくても、あの姿はすべてを語っており、充分に感動に値するものでした。織田裕二が涙が出てきたと言っていましたが、わたしもそうです。

わたしは放送時間が遅いため、録画にとって今朝見ましたが、視聴率ってどうなんですかね。最近は特にお気に入りのドラマなどでも、録画しておいて暇なときにまとめてみる人が多いと聞きますが。かなりの人がそういう見方をしていくと、相当な人気番組も正確には割り出せなくなるのではないでしょうか?番組作りの障害にならなければ良いですが。視聴率が。



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