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海洋天堂

Ocean Heaven002

かいようてんどう
Ocean Heaven
2010年
中国・香港

シュエ・シャオルー監督・脚本
「北京バイオリン」でチェン・カイコーと共同で脚本を書いた人だ。

久石譲 音楽

ジェット・リー、、、王心誠(ワン・シンチョン)水族館職員
ウェン・ジャン、、、大福(ターフー)王心誠の自閉症の息子
グイ・ルンメイ、、、鈴鈴(リンリン)サーカスのピエロ役
ジュー・ユアンユアン、、、紫(チャイ)王家の向かいの雑貨店主

周囲は皆、息子を預けるに相応しい人々であったが、彼はウミガメに託した、のか?
あれ程、体がきついのに、亀になって息子と泳いだのは、、、。
息子が一番好きな水中で共に幸せに暮らせるように。
最後の最後に賭けたのだ。
周りがいくら良い人たちであったにせよ、息子は心底コミュニケーションはとれない。
自分と同様に心の許せる相手を教えておきたかった。

それまでも、必ずしも上手く教育が出来ていた訳ではない。
しかし、息子は父が生前、教えてくれた卵の茹で方、バスの降り方、服の脱ぎ方、水族館のモップ掃除の仕方を正しく行うことができていた。お金の使い方は、きっとまだだろう。
だが、生きる力は確実についていた。
TVの上に置いていた縫いぐるみもソファの上に置くようになる。
ちゃんと覚えていた。
おオム返ししかしない息子であったが、父の教えたことは思いの他身になっていた。
後は、父は彼に独りで寂しくないようにしてやりたかったのだ。
そうに違いないではないか、、、。
「わたしもお前と離れるのが淋しい、、、。」(きっと父が亀になりたかった?)


息子の障害(自閉症と重度知的障害)が発見されたとき、母はそんな彼に向き合うことが出来ず海で死んでしまう。
それから、14年に渡り父は男手一つで息子を育ててきたが、自分が癌で余命幾許も無い事を知る。
一度は、2人で海に投身自殺を図るが、息子が泳ぎが達者すぎて、父子共々生還してしまう。

それからの父は、自分が死んだ後、息子が幸せに暮らせるために、奔走する。
まずは、預けられる施設だ。
しかし、彼が一生安心して過ごせる施設はなかなか見つからない。
(であるからこそ、彼は独りで息子の世話をしてきたのだ)。
年齢その他様々な条件や彼の性格・個性が合わなかった。
近所の献身的に世話をやいてくれる雑貨店の女主が、わたしが育てるとまで言ってくれるが、結婚前の彼女に頼めるはずもない。
そんな中、彼の卒業した養護学校の元校長が、最近出来たばかりの彼に相応しい施設を紹介してくれる。
独りで不安な彼のために、父もその施設に寝泊りして、残り少ない時間を惜しむように生活の基本を教えてゆく。

父親の苦闘を他所に、息子は水族館にやって来たサーカス団のピエロ役の少女に淡い恋心を抱く。
そんな彼に彼女も親しく接する。
彼女も天涯孤独の身であり、自然に共感できるところがあった。
やがてサーカスがそこを引き払って別の場所に移動するとき、彼女は彼に電話の受け方を教えて去ってゆく。
「わたしが電話をかけるから、こうやって出るのよ。」
彼にとっては夢のような時間であったが、父の死後水槽の中のウミガメとの時間にそれは引き継がれてゆく。
見事な父の計画だ。
彼はちっとも寂しくはない。
ウミガメに頬を摺り寄せて幸せそうに彼は泳いでいる、、、。

そして、水族館の清掃中に電話が鳴り、彼は受話器を取って、それに向けて微笑んで小さく手を振る。
(彼女ともまた逢える日はあるかも知れない)。


わたしも自閉症児との接触経験はある。
この映画は余りに綺麗すぎるが、本質は鋭く突いていると思う。

そして、世界がこれくらい美しくても、きっとよいのだ。

Ocean Heaven001Ocean Heaven004







これ程、素晴らしいキャストの映画は見たことがない。
特に、上に挙げたキャストは完璧であった。
ジェット・リーとウェン・ジャンの徹底した役作りには驚愕した。

シュエ・シャオルー脚本の映画は、しっかりチェックしたい。

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COMMENT

そうですね☆

〉世界がこれくらい美しくてもきっと良いのだ

GOMAさま
蓋し名言です
あまりにタイムリーな
限りなくタイムリーな。

ほんとうの美しさや
確かな優しさや
真なる意味は

何もかもが
御膳立てされたが如くの
恵まれた
環境のなかには
生まれようがないものかもしれません。

それは…

やり場のない哀しみ
身の置き所のないような痛み
胸が張り裂けそうな不安

そうしたものを
受容し尚も
心身の苦痛を笑顔で
乗り越えようとする
ひたむきな姿勢の背後にある

その輝きそのものでありましょうか。













ありがとうございます☆

> やり場のない哀しみ
> 身の置き所のないような痛み
> 胸が張り裂けそうな不安
>
> そうしたものを
> 受容し尚も
> 心身の苦痛を笑顔で
> 乗り越えようとする
> ひたむきな姿勢の背後にある
> 光
> その輝きそのものでありましょうか。

まさしく。
ジェットリーの演技そのものでしたね。
彼の笑顔は観音菩薩の救済力がありました。
わたしも娘の前では、あのようでありたいものです。
そこが、なかなか難しい(笑。

美しいコメントありがとうございます。

また、宜しくお願いします。



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プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
基本的に、日々思うことを綴ってゆきます。悪しからず。
コメント、メッセージ頂ければ嬉しいです。

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