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スフィア

くっ苦しい、、、。古典的名作ばかり観ていても息が詰まる!
それにわたしは、恋愛ものは苦手なのだ。ホラーも苦手であるが。
たまにはSF観ないと、死ぬ。
というところで、これを観てみた。

Sphere
1998年
アメリカ

バリー・レヴィンソン監督

ダスティン・ホフマン、、、ノーマン・グッドマン(心理学者)
シャロン・ストーン、、、エリザベス“ベス”・ハルパリン(生物学者)
サミュエル・L・ジャクソン、、、ハリー・アダムズ(数学者)
リーヴ・シュレイバー、、、テッド・フィールディング(物理学者)

海底に沈んでいる巨大UFOの極秘の探索を軍に依頼された科学者たちのドラマ。
実は300年前に海底に沈んだアメリカの宇宙船(未来の)であったことが判明する。

無意識のというより、潜在意識のイメージが具現化する映画といえば、直ぐに「ソラリス」、古くは「禁断の惑星」などがある。
(他は今、思い当たらない。最近特に記憶系が危ういためもあり)。

ソラリスでは、現象はふと起きる。
どうやらソラリスの海がヒトの記憶を再構成して無意識を抉るような像を現出させるのだ。
その意図は分からない。
ソラリスの海との意思疎通は、永遠にありえないかのような時がただ過ぎてゆく。
禁断の惑星のイドの怪物は、恐ろしく凶悪な怪物である。
クレール星人の遺跡にある巨大な装置がモービアス博士の潜在意識を増幅した結果、現れた強大なエネルギー体であった。
その怪物は際限なくヒトを殺戮し続ける。
正体は博士のこころに潜在する「憎悪」であった、、、。

どちらも未知の知性体か潜在能力増幅装置であるかの違いはあっても、強力(神秘的)な媒介によって潜在意識が物理的な力を現象させる。
意識的ではないが、何らかの意図が窺える。
そしてその現象は悲劇を呼び、破壊的で残忍であった。


さて、このスフィアであるが、やはり非常に残忍な結果―現象を呼ぶ。
それはヒトに潜在する抑制できないイメージが、破滅的なものばかりであることを自ずと示す。
未知の球体―スフィアに入って戻った者は、自分の潜在意識を具現化する能力を得てしまう。
意思に関りなく、意図的にそれは行使される。
眠っていても、起きている時にも。
だから、彼らは「それ」が外部の出来事だと受け取っている。

丁度、自己対象化した経験のない人間が誰かに自分の内面を投影していて全くそれに気づかないのと同様。
(他者という自分を見ていることに気づかないのと同様に)。
それにほとんど似た現象―表象であるが、ここでは一歩、表象―創造段階が、ヒトを殺傷する程の物質化まで進む。
つまりある志向性をもった想いが空間に直接(投影する対象なく)物理的に現象してしまうのだ。
生物学的にはクラゲではないのに、クラゲの形体―イメージの物質化を遂げてしまう。
そして、自らの気づかぬ意図を実行してしまい、その有様を他者の悪意(悪事)と判断するのだ。
このスフィアの位相は、「ソラリスの海」や「イドの怪物」と同じだ。
しかし、ここの「異星人」はジェリーと名乗り、しこたま話しかけてくる。
(こちらの科学者もキーボードを球体化し、数字を文字に変換しすぐさま対話可能としてしまう、、、速すぎ)。

だが、彼らは気づいてしまう。
それ相応のインテリだからか。
確かに原理には気づく。論理的に。
だが、その制御までできるとは限らない。
ここが肝心なのだ。
身体性の問題である。
潜在意識にどう対処できるか。
これは、意識や知識の問題ではなく、意志や感情、、、やはり身体性とでも呼ぶ場所からの関りとなろう。


最後の脱出劇。破滅と恐怖を呼び込み死に吸い込まれようとしたギリギリのところで、心理学者が脱出艇のスイッチを押す。
心理学者がもっとも心理構造に詳しいというより、生の肯定感、生への意欲の強さ、ひいては生命力の強さで、死の幻想―誘惑を振り切ったと言える。
最終的に、3人でスフィアの記憶を、能力を使って消すことで、軍への力の流用や自分たちの生命を救う。
同時に、スフィアが海底から宇宙に向けてどうして飛び去ったかは、今ひとつ定かではないが。
恐らくスフィアの能力を体験した3人が、潜在能力―想像力の制御は人類にはまだ早いと結論づけたからであろう。


この映画の特徴は、登場人物たちが饒舌なため、やや説明的である。
何故、未来の宇宙船の船員が撲殺されて死んでいたのか、、、。
スフィアとはなんであるのか、、、「異星人」の正体が直ぐに「潜在意識の実体化」だと、、、。
表象が創造に近づいてゆくこと、その恐ろしさ、、、。
こちらは、映像を読むより、語られることが多い。
恐らく登場人物全てが博士であるためであろう。
その現象を自分の専門分野から速やかに分析して見せなければならないためか。

それであっても、映画に厚みは持たせたい。
タルコフスキーのような、、、詩がもう少しあれば、、、。


キャストは、いまひとつ微妙であった。
全部入れ替わっても、同様な映画は撮れるだろう。
ハリーがイカが大嫌いだというところが、いまひとつ何であったのか分からなかった。

コンセプトはなかなかよいもので、好感をもった。



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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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