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コクリコ坂から

kokuriko001.jpg

From Up On Poppy Hill
2011年

宮崎吾朗監督
宮崎駿・丹羽圭子脚本
手嶌葵 主題曲


長澤まさみ、、、松崎 海
岡田准一、、、風間 俊


病院を改築したコクリコ荘と高校の男子部室棟の“カルチェラタン”を主な舞台に話は展開する。
劇中、何度も坂本九の”上を向いて歩こう”が街の商店街に流れてゆく。
街や家具、洗濯機、マッチで付けるガスコンロ、ガリ版など、、、あの時代の雰囲気がよく出ている。(わたしもぼんやりだが、、、)
主人公の海が朝食(夕食)の支度をする手際も見ていて楽しいものだ。
少々彼女の負担の大きさは気になるが。

カルチェラタンでの高校生の学生運動はかなり異質な感覚であった。
果たしてわたしより少し上くらいの連中があんなに団結して物事に当たれたであろうか、、、。

よく分からない、、、

しかし、ごった返していても楽しそうな文化部ばかりである。
あの哲学研究会には、あまり入りたくはないが、、、。
全体の雰囲気はよい。
何処かの一角で何かしてみたい気持ちにはなる。

ただ、海の何気ない生活の反復がとても澄み切ったすてきなものに見えてくる。
彼女の、前の日に泣いても、翌朝には亡き父の写真に花と水を供え、旗を揚げ、手際よく朝食を作り皆に声をかけ食事をとらせて、自分の他に妹・弟の弁当を作り登校する。友達より早く下校し、買い物と夕食その他の家事をしっかりこなす。
それをひたむきに健気に繰り返す。
その毎日。

これは、もしかしたら恐ろしく強靭な思想を形成する素地になるのかも。
そう思ったのは、彼女が恋心を抱いた風間 俊が兄弟だと分かったとき、彼は分別を優先し一方的に距離を持つことにした。
しかし海は、何故か自分の感情・感性を曲げず、自分の思いを信じ続ける。(決して頑なに、意固地にではない)。
そして、きっとこれは毎日旗を揚げ続ける自分に、父が代わりにあなたを差し向けてくれたのだと受け取る。
例え兄だとしても、「あなたが好き」だと、、、。
ある意味、これは過激な思想である。
アナキズムである。
大したものだ、、、。

そのこころは、変わらないと。
この自分のこころに率直にやるべきことを重ねていくうちに、簡単にはぐらつかない精神の強靭さが生まれてくるのだ。
自分が善き事と感じたことをしっかり認める精神。
枠に惑わされないこころ。
毎日の旗揚げの日課がそれを作っていった、、、。
わたしは、そう考える。

カルチェラタンの掃除を提唱し女子をたくさん巻き込んで綺麗にした結果が、取り壊しの阻止・保存に繋がった。
俊を思うこころをそのまま持ち続けたことが、彼の本当の出自を知るところまで連鎖したのだ。
(アメリカ帰りの母に尋ねれば、分かったこととは言え)。
海と俊は、彼らの本当の父たちの親友である、記念写真の第三の男性とも出会うことができた。
これは、彼ら2人に対する祝福である。
もう、何も気にすることはない。
自分の思うように生きろ、と。


自分の日々の生活のルーチンを無心に、ひたむきに行う重要性を改めて感じた。


最初、長澤まさみの語りは、大丈夫か?と思ったのだが、話が進むうちに、自然な海になっていた。
終わってみると、海そのものの語りに思えた。
岡田准一の俊は違和感なかった。
手嶌葵の唄はこの中で聴くと、しっとり感があってまた一際良かった。

ジブリ作品の中では異色作に取れるが、脚本がしっかりしており、じっくり鑑賞できるものであった。



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COMMENT

同感です☆

GOMAさま
とても素敵なレビューですね。

>自分の日々の生活のルーチンを無心に、ひたむきに行う重要性

まったく同感で・・・。

あのラストサムライの
小雪さんが演じられた役どころとも
通底しているような
日本人の美意識にも重なります。

小説しかり映画しかりですが
登場人物への共感度が高ければ高いほど
感情移入もしやすくなり
感動も大きくなるようなところがありますよね。

そうした意味でも
私の
こころに残っている作品です。

ありがとうございます☆彡


> とても素敵なレビューですね。
ありがとうございます。
お待ちしておりました!

> >自分の日々の生活のルーチンを無心に、ひたむきに行う重要性
>
> まったく同感で・・・。
そうなのですが、自分に言い聞かせるように書きまして、実際の本人はなかなか苦戦しております。

> 日本人の美意識にも重なります。
本当ですね。SAKI様はそれを美意識に高めてされているのですね。
確かに、それが日本の伝統芸となっているのでしょう。
そこをじっくり見つめないといけない。
どうも、わたしはそこを芸術扱いしすぎて、切り離しているきらいがありました。
>
> 登場人物への共感度が高ければ高いほど
> 感情移入もしやすくなり
> 感動も大きくなるようなところがありますよね。

海の生活姿勢は、思想との裂け目がなく、その点で極めて健康的な生き方だと感心しました。
自分がここまでできるまでには、かなりのモノコトを破壊・解体・消滅させなければどうにもならない感じです。
ただ、見ていて凄く応援したくなるキャラでした(笑。
好きな作品です。

また、宜しくお願いします。
ここのところ、かなり迷走しております(爆。
ちょっと、大丈夫?コメントも頂けると、襟を正せると思います、、、。
では。

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プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
日々思うことを綴ってゆきます。
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ることもあります。
悪しからず。
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