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GOMA28

Author:GOMA28
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La pasajera006

La pasajera
2022
スペイン

フェルナンド・ゴンザレス・ゴメス、 ラウル・セレッソ監督
ラウル・セレッソ原作
ルイス・サンチェス=ポラック脚本
アレハンドロ・ロマン音楽

ラミロ・ブラス、、、ブラスコ(ライドシェアのバン運転手、自称元マタドール)
セシリア スアレス、、、マリエラ(癌を患う女性)
パウラ・ガジェゴ、、、マルタ(少女)
クリスティーナ・アルカサール、、、リディア(マルタの母)


「乗客」、、、確かに。
ブラスコにとっても。それから寄生された人にとっても「乗客」に違いない。
2人の女性が最初の頃はとてもお高くとまった嫌みな女に思えて、実はとても良い人であることが分かる。
生意気そうな娘もとても可愛げのある少女となってゆく。実際に可愛いが。
面白い映画であった。ひと言で謂えば、、、。

La pasajera001

オンボロバンを彼女のように大事にしているウザい程お喋りなオヤジが主人公。
ライドシェアと謂っても一度乗れば客もこりごりか、、、。
しかし何故かツンツンした生意気娘が懐く。
感覚的に合うのか、、、。
デュア・リパのファンだとか。ではわたしも趣味は合う(笑。
しかし車から流れて来るのは、取り出しの出来ないカセットテープの音で、その時々の車の機嫌で聴こえたり止まったり。

La pasajera004

空に光が見えて人々が大騒ぎしたというから、異星人の侵略ものだ。
しかも奴らは人に寄生する。寄生された身体は凄まじい身体能力で一瞬で移動したり腕力も凄い。
本体そのものは無力に見えて、寄生するときの乗り移り方は素早いのだ。
寄生した身体からまた異なる身体へと移動もするようだ。もとの身体はただの遺体となる。.
乗り移られた身体はかなり変形もし顔も恐ろし気なものになり、四つ足で走りもし一目で最早人ではない。

La pasajera002

その生命体は、地球の芋虫というか 何かの幼虫みたいなもの。それが蠢動している。
わたしはそういうの生理的に無理。
よくあんな気持ち悪い生々しくブヨブヨしたものが触れるなと思うが、この娘触ってしまう。
気も強いが好奇心も強いのだ。というか無神経なのか。躾がなってないのか(うちもそうだが)。
指に小さな針くらいの寄生体が刺すように入りこむ。
その後、案の定指がおかしくなるが、母が何とか異物を取り除く。スッと夜の空間に飛んで行った、、、。
ここで母娘は相手の正体を悟る。
やはり宇宙から来た凶悪な生命体だ。

La pasajera003

剣で刺し、火を点けるなどすれば、倒せるようだが、腕力では到底敵わず車で轢くくらいでは、何ともない。
そこまで宿った身体を制御してしまうのだ。
何らかの物質を注入するのだろうが。特殊なホルモンとか。
いやこの物語はSF的に考えてもしょうがない。
ホラーコメディである。
コワオモロイ流れであり、何がどうのではなく、ただ単に次にどうなるのかを確認するだけの映画なのだ。
理屈も何もない。だがその線でハラハラさせたりストレスかんじさせたりしながら引っ張って行く。
変なところでジョーク言って面白がったり、ゆっくりしたり間が空いたり、ダンスしてみたりで基本緊張感はないのだが、ズレながらも充分乗って行けるのだ。
おやじと娘のバディ感も出来上がり、このまま何処かに逃げおおせるのかな、、、と思えて来るがまだ終わりまで微妙な時間が残る(爆。

La pasajera005

母に宿った宇宙生命体を焼き殺し、車で逃げるとバーが見えてくる。
そこで休憩となるが、人気が無いところで、何かが起きたことは悟るべき。完全に気が抜け不注意状態であった。
最後に分るが異星人はかなり蔓延っているようだ。既にかなりの人体を乗っ取っていると見える。
トイレに行ったヒロインもどうやらやられたらしく、酒を呑み始めたオヤジが独りで立ち向かうことになるみたい。
だが彼女の顔は酷くはなっていない。綺麗なままだ。ただ目が鋭くなっていて変。微妙な感じなのだ。
そこで終わった。
La pasajera007

続編があれば、彼女がどうなったか分かるはず。
音楽が良かった。特にエンドロール時の音楽。





AmazonPrimeにて




がっこうぐらし!

gakkougurasi001.jpg

2018

柴田一成 監督・脚本
海法紀光 千葉サドル原作


巡ヶ丘学院高等学校に通う女子4人のサバイバル映画。
結構ハラハラした。
ゾンビ映画の中でも秀作だと思う。

阿部菜々実、、、胡桃(3年生、学園生活部)
長月翠、、、由紀(3年生、学園生活部)
間島和奏、、、悠里(学園生活部部長)
清原梨央、、、美紀(2年生、学園生活部)
おのののか、、、佐倉慈(綽名:めぐねえ、養護教諭、学園生活部顧問)
金子大地、、、葛城紡(胡桃の彼氏、卒業生)


のんびりムードで始まったが、突然不穏な空気が場を呑み込んだかと思うと、飛んでもない事態となっていることを知る。
この展開、上手い。
ゾンビ映画は、殆どどれも何でこうなったのかには言及しない。突然世界はゾンビで埋め尽くされるのだ。
この映画もその鉄則は守る。ゆっくり歩き、噛まれたらゾンビ化する。ゾンビの群れの中を捕まらないように横断して逃げる。
音に敏感であることが強調される。

gakkougurasi003.jpg

確かにゾンビ物は大きなデパートを衣食住に有利なところで生き残った者が籠城に使うが、学校も災害時に避難場所として利用されることから衣食住関係の備蓄など充分配慮されている。
自立と協力を促すための「学園生活部」~”がっこうぐらし”がそのままゾンビから身を守る砦として機能した。
屋上の菜園で野菜などを作り、調理して自給自足するというのは、理念の実現を果たすものであろう。
(何と言うかこういう学園ファンタジーって屋上を上手く使うね~)。

gakkougurasi002.jpg

ヒロインの胡桃は、金ピカスコップだけでよくあれだけゾンビを退治出来ると思うが、良い役作りであった。
(常にスコップが金ピカなのは手入れを怠らないからか)。
しかも彼女、陸上ではよく転ぶ人ではなかったか。ちょっと不安もあるところだが。
何より大変スタイルが良く綺麗なモデルタイプの娘で、細身で華奢なのにスコップ、ブルンブルン振り回すミスマッチがクール(笑。
絶妙な線を行っていた。窮地に陥った時に、ゾンビになってしまった好きな先輩との対話の幻想はよく分かる(もう少し感情が入っても良かったかも)それで生きる気力を得たことも。

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保健室の先生である、めぐねえがこれまた絶妙な立ち位置なのね。
確かに浮いた希薄な感じで接していたから、そういう存在かなと思ったらそうだった。
難しい役をよく熟したものだ、、、。慕われる素敵な教師像もしっかり醸している。
最後に示す教師としての矜持は、素敵だが切ない。
そりゃ、ゾンビ自体切なさの塊みたいなものだけど。
早い時点で死んでいたのだけど特に慕っていた由紀には到底認められることではなかった、、、。

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そして由紀が自我防衛のために幼児退行してしまい、白昼夢のなかへ以前の学園空間に閉じこもってしまう。
しかしそれでいて他の3人との現実の接点は維持しながら幻想のめぐねえとも会話を楽しんでいる。
特異な振る舞いだが可愛らしい為、皆に大事にされ皆をある意味救ってもいるトリックスター的な役割を担う。
部長の悠里は相応しい落ち着いた地味な存在で良い。こういう人がいないとまとまらない。
そして途中からメンバーに迎えられる美紀はちょっと尖った妹的存在である。独りサバイバルしてきたことから溶け込むのに時間はかかったが、由紀の存在の大切さに気付いてから彼女らと馴染む。胡桃に次ぐ武闘派であるが、この事態でそういう人がいないと終わりである。皆が由紀ではいられない(しかしひとりは構成上必要)。

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それぞれ生き残りの生徒4人でよく頑張っていたが、独り欠けても総崩れになりそうな危ういバランスが表現されていてなかなかのもの。どんな原作なのだろうと思わせるところだが、わたしとしては、この映画で充分。
バリケードを幾重にも築いて安全地帯を作り災害備蓄品を確保してかなりのんびりした生活もしていたが、ゾンビのひとりが火事を起こしてから、全てが崩壊して行く。この流れは見事。
この映画、やはり原作がきっとしっかりしているのだろう。
展開が実に上手い。
演技がもう少しこなれていればかなりの作品になったはず(このままでも良いが)。

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良い作品であった。お勧め。
おのののかは役柄が良かったこともあるが、謂うことなし。ゾンビになっても素敵だった。
阿部菜々実は是非、他でも観てみたい人だ。やる気を出せば、凄いブレイクしそう。
日曜朝の戦隊ものにも似合いそう、、、ホント、、、いくわよ!とか言って、、、。
その後、わたしは日曜美術館を見る。





エンド・オブ・キングダム

London Has Fallen007

London Has Fallen
2016
アメリカ

ババク・ナジャフィ監督
クレイトン・ローテンベルガー、カトリン・ベネディクト、クリスチャン・グーデガスト、チャド・セント・ジョン脚本
クレイトン・ローテンベルガー、カトリン・ベネディクト原案
トレヴァー・モリス音楽

ジェラルド・バトラー、、、マイク・バニング (大統領警護隊長)
アーロン・エッカート、、、ベンジャミン・アッシャー大統領
モーガン・フリーマン、、、アラン・トランブル副大統領
アンジェラ・バセット、、、リン・ジェイコブス (シークレットサービス長官)
ロバート・フォスター、、、エドワード・グレッグ将軍
ジャッキー・アール・ヘイリー、、、DC・メイソン次席補佐官
メリッサ・レオ、、、ルース・マクミラン国防長官
ショーン・オブライアン、、、レイ・モンロー国家安全保障局副長官
ラダ・ミッチェル、、、リア・バニング(マイクの妻、医師)
シャーロット・ライリー、、、ジャクリーン・マーシャルMI6捜査官
アロン・モニ・アブトゥブール、、、アミール・バルカウィ(武器商人)
マイケル・ワイルドマン、、、ヴォイト特別警護官
アンドリュー・プレビン、、、ブロンソン特別警護官
ワリード・ズエイター、、、カムラン・バルカウィ
早乙女ツワユキ、、、中島勉(日本首相)
ナンシー・ボールドウィン、、、アグネス・ブルックナー(ドイツ首相 )
フィリップ・ディランシー、、、ジャック・メナール(フランス首相)
ナイジェル・ホイットメイ、、、ロバート・ボウマン(カナダ首相 )
ジュリア・モンゴメリー、、、ブラウン・ボウマン大統領夫人
アレックス・ジャンニーニ、、、アントニオ・ガスト(イタリア首相)


今日もジェラルド・バトラー~マイク・バニング繋がりで。

London Has Fallen001

「エンド・オブ・ホワイトハウス」の続編にあたる作品。
更にヒートアップ。もうハラハラしっぱなしであった。
ロンドンがもう大変な事になる。各国の首脳も片っ端犠牲となり、日本の総理も海に車ごと落っこちる、、、。
ともかく、ショッキングだったのは、準主役の リン・ジェイコブスの殉死である。
マイク・バニングの子供の名付け親となっていた人である。
あれまあ、と思った。

London Has Fallen003

わたしの目もジェラルド・バトラーとアーロン・エッカートのコンビが馴染んで来た。
そして副大統領に昇格していたモーガン・フリーマン。もうどっしり貫禄である。
采配も間違いない。エドワード・グレッグ将軍には余計なことはさせない。
安心できるが、マイク・バニング任せには必然的になってしまう。これは仕方ない。
そして今回も内通者が邪魔をしまくる。

冒頭に、アメリカはバルカウィ暗殺のドローン攻撃を行うが、彼自身は逃れて失敗に終わっていた。
バルカウィはテロを先導し、各国に火種を作り武器を売りつけ儲けている悪徳武器商人である。
それから2年後、イギリス首相が殺され各国首脳が葬儀に参列する。
そこへ、極めて綿密に煉られた計画の下、内部と外部から敵が押し寄せセント・ポール大聖堂で各国の要人、首相も悉く殺害され多大な犠牲を出してしまう。
これはバルカウィの仕組んだものでアメリカへの報復でもあった。

London Has Fallen002

例のごとく、車、バイク、大型車、ヘリなどの激しいチェイスが始まる。
防弾車がボロボロになるまで敵を振り切って逃げ、どうにかヘリまで到達するが、
そのヘリを屋上からミサイルで狙ってくる。
わたしとしてはヘリに搭載されていたフレアが印象的であった。
フレアが切れてしまうと大統領機は他の機体が身を挺して守らなければならないのね。
大変だ。せめて機体を捨ててパラシュートで逃げて欲しかったが。そんな暇はなかったか。
敵のこの周到な武器配置と手際は相当な時間を掛け煉られた計画によるものだ。

London Has Fallen006

今回は早い段階でミサイル被弾よるヘリの墜落でシークレットサービス長官リンが亡くなってしまう。、その空いた枠に切れ者女性としてジャクリーン・マーシャルMI6捜査官が入る形。
内通者がテロ組織に情報を流しいた結果が悲劇を招く。この後も、作戦の先々で妨害に遭う。
一番危なかったのが、大統領と2人でどうにかMI6の隠れ家に辿り着き、特殊部隊の迎えが来るという時に来たのは敵ゲリラ部隊であった。これは傍受ではなく、敵に向けて流しているのだ。たまったものではない。
マイク・バニングの鋭い観察眼と機転が無ければ全員そこで終わりである(味方がやっと来たと喜んで迎えに行ったところでハチの巣パタンである)。
もう誰を信じてよいやらである。ここ現場においてはこの相棒以外に確かな相手は存在しない。

London Has Fallen004

しかし危機を幾つか脱した後、ちょっとした油断で車をトラック追突で横転され、大統領が捕まってしまう。
(マイクはほぼ気絶状態でも敵を次々に射殺できる攻撃本能をもっているらしい)。
ここでも大統領は、徹底して殴られ暴力を振るわれる。
しかし彼もタフでへこたれない。マイクが来るまで何とか耐えるのだ(これ鉄板パタンか)。
彼らの目的は、アメリカ大統領の処刑を世界中にライブ中継することであった。
着々とその準備を進めるバルカウィの指示を受ける息子たち。
その工事中の工場の隠れ家目指して遅れてやって来た特殊部隊に合流したマイクが作戦を立てて単身乗り込む。
他の隊員たちは外から徹底して応戦し続ける。
タイミングを計りマイクの指示で工場を爆発させて逃げるというもの。

今回も極限までハラハラドキドキさせた挙句、すんでのところでの救出となる。
まさに今から大統領が首を斬られそうになったところでマイクの登場。
そしてギリギリのタイミングでの爆発。
その火炎放射のなかの一瞬の隙間を抜けて行く二人。

London Has Fallen005

もうマイクは大統領にとり絶対的な存在であろう。
ニューヨークでは女房役の副大統領が全てを収めていた。
そして帰宅したマイクとリアの間には、可愛い赤ん坊が生まれていた。
名前はリンと名付けられていた。
亡くなった名付け親の名だ。

マイクは退職願を書いていたが、その時TV放送で副大統領の演説が流れており、われわれは子供たちの為にも平和を守る戦いを続けなければならない、、、そのことばに彼は文章をデリートする。



こんなにスリリングで大きなスケールのハードアクションものは、見たことないかも。
ともかく凄かった。






AmazonPrimeにて





エンド・オブ・ホワイトハウス

Olympus Has Fallen002

Olympus Has Fallen
2013
アメリカ

アントワーン・フークア 監督
クレイトン・ローテンベルガー、カトリン・ベネディクト脚本
トレヴァー・モリス音楽

ジェラルド・バトラー、、、マイク・バニング(特別警護官)
アーロン・エッカート、、、ベンジャミン・アッシャー (大統領)
モーガン・フリーマン、、、アラン・トランブル(下院議長。大統領代理)
アンジェラ・バセット、、、リン・ジェイコブス(シークレットサービス長官)
リック・ユーン、、、カン・ユンサク(KUF指導者)
ディラン・マクダーモット、、、デイヴ・フォーブス(元・特別警護官、裏切りカンたちにつく)
フィンリー・ジェイコブセン、、、コナー・アッシャー(ベンジャミンの息子)
メリッサ・レオ、、、ルース・マクミラン(国防長官)
ロバート・フォスター、、、エドワード・クレッグ(陸軍参謀総長)
ラダ・ミッチェル、、、リア・バニング(マイクの妻、医師)
イ・テウ、、、ケオン・シム(韓国首相)
アシュレイ・ジャッド、、、マーガレット・アッシャー(大統領夫人)
フィル・オースティン、、、チャーリー・ロドリゲス(副大統領)


ジェラルド・バトラー繋がりで観てみた。
安定したタフな演技。絶対に死なないから、彼がどのように大統領を救うかのみがポイント。でも充分にスリリングに魅せる。
リック・ユーンが如何にもというクールで手強いテロ組織リーダーであった(兵は皆ただのゴロツキであったが)。
似たような映画が幾つもあるが、これは重量感があり、よく出来ている。
特に斬新という訳ではないが、完成度は高い。

Olympus Has Fallen007

まずはジェラルド・バトラー演じるマイク・バニングの現在の立ち位置の経緯から噺が始まる。
彼はある事件をきっかけに財務省でのデスクワークに転属していたが以前大統領警護にあたっていた。
突然、対地専用攻撃機であるAC-130が警告で接近するステルス戦闘機二機をバルカン砲で撃墜し、ホワイトハウス近辺にいる人々を無差別銃撃して来た。これを幕開けとして自爆テロや大型トラックで乗り入れたテロ軍団が容赦ない重火器で攻撃を加える。
大統領をはじめ会談で訪問中の韓国首相や要人は地下のバンカーへ避難した。しかしそこで裏切り者やスパイとして潜り込んでいたテロ側の人間に見せしめに暴力を振るわれ殺害されたり拘束されることに。
早い段階で見せしめに韓国首相が銃殺されるなど、カンの危険度の高さをアメリカ本部に思い知らせることとなる。
ヘタな対応は出来ない。

Olympus Has Fallen005

周到な計画でホワイトハウスを襲ってきたテロ組織に対しマイク・バニングはアウトサイダーとして参戦し潜入を果たす。
しかしホワイトハウスの警備関係者は圧倒する火器に全滅してしまう(一人残らず死ぬというのが凄まじい)。
大統領以下要人は捕虜にされ、息子のコナーは所在が掴めない。
味方ゼロの中をテロ武装組織が牛耳るハウス内にあってマイク独りで大統領と息子の救出と敵組織殲滅を図るしかない。
尚マイクは、いまや大統領代理を務める下院議長と衛星通信でかろうじて繋がる。
(モーガン・フリーマンはこの手の役がとても多い。似合っているからだろうが)。
本部にとりマイクだけが頼みの綱となってゆく。

Olympus Has Fallen001

しかしホワイトハウスが13分で落とされてしまうと謂うのも凄い。
あのような圧倒的な武器弾薬の重装備で手際よく畳み込んでゆく前半の展開~迫力は見ものであった。
カンの要求は、第7艦隊と在韓米軍の撤収であった。
さらに統参議長、国防長官、大統領それぞれが持っている「ケルベロス」のコードを聞き出し、アメリカの核兵器を無効にし、全土を荒廃させようとするものであった。北朝鮮の南侵の目的も容易くなる。
「ケルベロス」とは発射された核弾頭を自ら爆破するシステムであり、カンはそれを格納庫にある状態で爆破させるつもりであった。
カンの冷徹な采配も徹底しており、死の恐怖をちらつかせ暴力でコードを聞き出してゆく。
統参議長、国防長官は、大統領命令でコードを言わせて彼らの命は守るが、大統領の持つコードは、所謂ブルートフォース攻撃で探り当ててしまう。元々北朝鮮は国を挙げてこういった技術を磨いて来ている。

Olympus Has Fallen003

比較的早い時期に息子のコナーは無事救出に成功する。
(後になるほど難しくなるはず)。
ホワイトハウスの壁の改装時に出来た隙間に隠れていたのだ。
カンもそれに気づくが、兵より少し早くマイクが手を打った。
かつてシークレットサービスであったマイクがコナーについてよく知っていたことが幸いしたものだ。
ただ、デイヴ・フォーブスのような立場でありながら敵と内通しているというのがとても怖いところ。
マイクが彼とハウス内で出逢った時は安堵感を持ってしまったのは確かだ。だが言葉の矛盾に気付く。そうなれば先手必勝である。
デイヴに重傷を負わせマイクを殺したとカンに伝えさせたことが、マイクを動きやすくした。

しかしマイクが止めるのも関わらず、陸軍参謀総長の暴走で空から軍用ヘリを6機向かわせる。
だがそれに対抗する策は用意しており、ハイドラ6で5機まで撃墜してしまう。
飛んで火にいる虫状態であった。マイクが何とかハイドラ6の破壊に成功するも、墜落して来たヘリのお陰で彼も負傷する。
足を引っ張る参謀総長であるが自覚のないのが厄介であったが、ずばりと下院議長に釘を刺される(その後、マイクは自由に動けるようになる)。
しかしカンの知略も冴える。カメラの見守る中、要人と兵に覆面をさせてヘリに乗せ上空で爆破させるのだ。
このニュースでマスコミをはじめ国中が混乱し大統領の死亡が憶測される。

Olympus Has Fallen004

この様子が世界中にニュース配信されると中東などから歓喜の声なども起こり、世界のパワーバランスに軋みが起こり、不穏な動きが色々な国で見られるようになる。
そんな中、ケルベロスが起動。
万事休すに思われたところからマイクの逆襲となる。
バトルアクション、ガンアクション、そんな中で公開処刑されかかった国防長官はマイクが救うが副大統領はこれ見よがしに銃殺されてしまう。
死を演出して脱出をしようとしているカンとその幹部、更に囚われた大統領は、ヘリに向かうところでマイクが行く手を阻む。
ここで揉み合いになり大統領が撃たれるが致命傷は免れる。
壮絶なカンとマイクの闘いとなり辛くもマイクが勝利する。

Olympus Has Fallen006

そして爆破3秒前にケルベロスの解除に成功する。
わかっちゃいるけど、ホッとする(笑。
その後、大統領も職務に復帰し新たな決意表明を国民に向って行う。その脇に大統領警護隊長のマイクが立っている。
彼もまた本来の職務に戻っていた。
この収束パタンは鉄板であるがこうこないと困る。
見応えは充分。モーガン・フリーマンが出ると安心出来るし


この続編もあり観てみようかと思っている。
次女は「きたろう」を観に行けとしきりにせがむが、、、。
長女は、今日観に行き大満足だったそうな。
わたしはそもそも外に出る気がしないのだ。
AmazonPrimeを待ちたい(笑。




AmazonPrimeにて







カンダハル 突破せよ

Kandahar001.jpg

Kandahar
イギリス
2023


リック・ローマン・ウォー監督
ミッチェル・ラフォーチュン脚本

ジェラルド・バトラー、、、トム・ハリス(CIA工作員)
ナビド・ネガーバン、、、モハメド(トムに同行するアフガニスタン人通訳)
アリ・ファザル、、、カヒル(パキスタン情報局ISIのエージェント)
ラヴィ・アウジラ、、、シラージ・アガ(ISI幹部、カヒルの上司)
バハドール・フォラディ、、、ファルザト・アサディ(イラン治安部隊大佐)
ニーナ・トゥーサント=ホワイト、、、ルナ(イギリス人ジャーナリスト)
トラビス・フィメル、、、ローマン(トムを支援するドバイ在住のCIA)
レイ・ハラティアン、、、イスマイル(金で動く武装集団のボス)
マーク・アーノルド、、、マーク・ロウ(CIA幹部)


地下核施設をメルトダウンさせる作業ってかなりの専門職だろう。CIAの工作員って凄いことやるんだ(もう少しここを突っ込んだ描写が見たかった)。
その作業~任務を済ませ、外には銃を持った兵士が沢山控えているところで、スマホでサッカー試合の中継を見せ、ほうら通信速度が上がり観易くなったろう、と通信会社の社員を装う。

Kandahar002.jpg

しかし直後に、CIAの内部告発で敵地の真っただ中にいるのに機密情報漏洩により世界中に顔がわれる?
イランの地下核施設を破壊してこれから帰国という時に正体をばらされて、もう敵の銃弾の嵐の中を逃げ400マイル(640キロ)離れたアフガニスタン南部のカンダハルにあるCIA基地に辿り着くまでの壮絶な逃避行である。
ロケーションも如何にも。
実話を元にしていると。ホントかい?エンターテイメントとして割り切って見れない点でもある。
何より立場上、通訳がたまったもんじゃない。いい加減にしろと切れてもおかしくないが、もうトムと運命を共にするだけ、、、。
逃避行も凄いが、スパイも含め情報漏洩というのが怖い。

こんなに色々な敵~イスラム革命防衛隊の精鋭集団・コッズ部隊、パキスタン軍統合情報局(ISI)、タリバン、金次第で何処にでもつく武装集団等々からあちこちで銃撃され放題で、よく生き残ったものだ。
最後は何とも劇的な逆転サヨナラホームランみたいな展開だったが、、、。
最近の戦争(に限らず)あらゆる局面で人工衛星、無人ドローン機による偵察はまるで普通にTV画面を見るくらいの精度で可能なのね。

Kandahar004.jpg

これなら安全なところから幾らでも高解像度で狙いをつけ攻撃できる。軍事衛星~GPSさまさまだね。
安全な対策本部からの攻撃という構図ならよいが、現地で地べたをはっている人間にはたまったもんじゃない。
ちゃんと神の目で見守ってくれているなら良いが。
最後の最後にやってくれたので助かった。
(ここでも条約上手が出せないなどと止めようとする幹部もいたが、現場で命を張って頑張っている同僚を見殺しにする方がどうかしている)。
ただ具体的にどのような攻撃があそこでなされたのかよく分からなかった(大変な破壊力でピンポイントであったのだが)。

トムは帰国後、娘の卒業式に出なければならぬのだ。そのタイムリミットもあった。
何が何でも帰るには、あの攻撃は必須であるが、魔法のような奇跡にも思えたものだ。

Kandahar003.jpg

とは言え、それはあくまでもこちら側の論理であり、イランで地下の核施設で真面目に働いていた職員は今回のメルトダウンで何人死んだことか。国家間の攻防など皆そんな構図である。
正義など元々相対的なものである。ここでは愛国心が強調されていて尚更、、、。
だから金でどっちにもつく連中を汚い連中だと憤っていたが、ニヒリスティックとは言え、相対化している分解放されているのかも。
もうどうでもよいとは思えない者は、恐らく肉親を殺されたとかいう激しい憎しみが価値観を絶対化しているのだ。
昨今の戦時下におけるドキュメンタリーを観てもその被害者のインタビューなどからはっきり浮かび上がるのがそれ。
憎しみが価値観を決定している。

モハメドはそれでもイスマイルに対し「お前を許す」とは言っていたが、、、彼はイスマイルの戦争ビジネスにより肉親を失っている(そして案の定、2人はその後イスマイルに売られ酷い目に遭う)。

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憎しみによって敵味方を峻別するか、イデオロギーなんぞどうでもよく、取り敢えず金のために動いておくか、くらいのものか。
とても根深いものではあるが。
民族問題など絶対に解決不可能な領域として残ることは分かる。

トム・ハリスとモハメドが酷い目に遭いながら必死に逃げてゆくのを見てゆくうちにこちらも同調して行く分けで、、、
最後にタリバンの装甲車20台くらいに追い詰められ万事急須と思えた時に、掟を破って高みの見物していた本部が装甲車を軒並み爆破してくれて2人は助かる。
こちらもホッとするが、、、立場を何処に置くかだけの問題でもある。
ふたりは、家に帰り妻と子供に迎えられる。
だがイラン地下核施設で働いていた人にも妻や子供もいたであろう。
(ここで開発されていた核は、どういった形のものであるのか。平和利用のものであれば、飛んだことである)。

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憎しみの連鎖は続き(裏切りの連鎖でもあることが分かる)、金で何処にでもつく者も絶えないはず。
何も変わらない。
ということだけは実感できた。

銃撃戦やカーチェイス(バイクも)など激しいものであったがワクワクする感覚はなかった。
(よくある戦争エンターテイメントのように)。
確かに緊張感はあるが、単に虚しい。





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トラ戻る

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実は3週間に渡り、外遊していた飼い猫のトラが戻って来た。
いや、今回はこれまでのように戻ったというより、勝手側のドアのところに座っていたのを長女が掬い取るように抱いて家の中に入れたというところ。
それに過去三回ほど、外には出ているが3日で帰還している。こんなに長期にわたるのは初めて。
保健所で去勢されているが時期的には発情期か。かなり外で大きな声で鳴いていた。
他の猫との喧嘩もあったかも知れない。外には縄張りがある。

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それにしても、一番寒い時に外遊を始めたので、寒さにやられはしないかと気を揉んだが、玄関先に置く餌とおやつと水は確実に3回分無くなるので、家からそれ程離れた場所まで行ってはいないことは分かっていた。
一日3回は餌とおやつと水の補給だけは忘れないようにして様子を窺っていたものだ。
水はそれほど減らないが、餌とおやつは直ぐに無くなっていた。
その早さは驚異的。音もなく食べて行く。

ほぼ毎晩、鳴き声は聴こえた。
家にいる時よりも太くて低い声で鳴いていたがトラであることは間違いようがなかった。
顔を合わせて直ぐ近くで餌を食べても家に入って来るそぶりは見せず、、、
少し距離を置いてニャーニャー鳴いてから静かに踵を返して去って行くことが続いた。
自分なりの課題、外界を探検する必要があったようだ。

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いつもなら身体を擦り付けてくるのだが、明らかに今はそのときではない、という態度。
ゆっくりと確信を持った歩調でわたしの背後を歩いて行く。
それなら尊重しようということで、こちらも離れて観守るだけに。
ただ外気がかなりの寒さで雨や雪もちょっとチラついたり、冷たい風の吹きすさぶ日も少なくない。
よくこんな時期にすすんで外にいられるものだと心配にはなる。
もっと気候が穏やかな時期でもわたしの布団に潜り込んで過ごしていた猫だ。

大丈夫なのか、とは思うがきついのならいつでも戻れる。
これまでのようにドアが開いた隙にスッと滑り込むだけのこと。
彼なりの目的~理由があってのことだ。

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そして昨日。長女に開いたドアの前で、、、。微妙なインターフェイスを通し捕獲される(笑。
そしてもうわたしの部屋からは猫関係のものは無くなっていた為、猫は一階廊下と階段、二階の廊下に分散して置かれた餌の器、ベッド、爪とぎ、玩具、トイレ二つばかりの置かれた空間で行ったり来たりして過ごすことになる、、、

これまで決まってわたしの部屋で餌を食べていた為、戸惑っているがそのうち慣れるはず。
長女が早速、風呂場で身体を洗ってドライヤー掛けまでして綺麗になり、あちこち歩き回っている。
おやつをあげると、ウミャイ~ホントに満足気ないつもの声を上げながらペロッと食べた。
この声を聴いて漸く戻って来たなと、思う。

今回は、ホントのトラ出演(爆。





都市伝説物語 ひきこ

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2008

奇志戒聖 原作・脚本・監督・CG製作

声:
植田大輝、、、子供時代の沢村聡
斉藤瑞季、、、子供時代の妃さと子
藤田秀和、、、大人の沢村聡~妃聡
東城未来、、、大人の沢村さと子
西田絋ニ、、、担任男性教師


3DCGホラーである。かなりの労作だ。独特の雰囲気~ゲームの映像そのもので、よく出来ていた。
3DCGであることから、その質感と少しぎこちない動きが恐怖の演出に充分な効果を齎している。

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とは言え、ストーリーが分からない。
実は終盤手前までの流れはとても楽しめたのに、、、。
一体何なの?である。
最後の同窓会から、事態の逆転する流れがさっぱり掴めないのだ。
何でああなるの?
アクロバティックな解釈とか無理にこじつけても納得はまず出来ないだろう。
アイデンティティ~自分史がどうのという問題ではない。あれは発狂レベルの展開~飛躍だ。
(発狂したとしたら誰が発狂したのか。やはり聡か)。
精神病でも出来ない入れ替え妄想と謂える。時折映画にある荒唐無稽な入れ替わり体験とか、、、しかしそれはない。

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雨の降る日、小3の自分~聡が、ひきこが誰かの死体を引き摺ってゆく光景を橋の上から目撃する。
それはトラウマ級の恐怖体験であり、今でも覚えているほどのものだ。
しかしそれを見たのは実は、聡~記憶の主体ではなく、別の人間、さと子であったって、どういうことよ!
どう説明つけるの?

あそこに持ってゆくと謂うなら、それ相応の違う視座が絡むとか何らかのズレを前半から幾つも入れて置かないと。
いやそれでもこのパタンは無理だ。
序盤のシーンや追われるシーン、アパートに引っ越して来たところなどもあれが全てひっくり返るというのはあり得ない。
ひきこが聡の姉と謂うなら何であんな風に追われ逃げ惑うの?引っ越してきたのがさと子ではなく聡だったって、ではあのシチュエーションでの挨拶のやり取りは何?隣から夜響いて来る虐待を受ける音や呻き声を聴いていたのも自分ではなく、自分がその対象であり、聴いていたのがさと子であったなど、あり得ないでしょ。その直接的な暴力や痛みを他者のものと取り違えるなんて起こりようがないだろ!聞いた話でもあるまいし、それは余計体験には成り得ない。
どういうメカニズムが働けばその意識~記憶が入れ替わると謂うのか?

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その為、それまでの面白さがすっ飛んでしまい、単に白けただけ!
一体何なの?
担任の教師がエレベーターで徐々に追い詰められ殺されるところとか、ふたりの距離を近づけた猫の顛末とかよく出来たシーンであったのに、、、。この無神経で無慈悲な担任造形も良かった。
更にもさと子の造形~儚げな表情など実によく出来ていた。
猫との関りの頃も、15年後の彼女の姿も説得力を感じるところ。
それだけに何であのような展開にしなければならぬのか。
あなたは、妃聡でわたしは沢村さと子よって、名前まで人に教えて貰わないといけないの?
汚いなりで転校して来て、皆に虐められ猫を秘密で飼っていたけど取り上げられ、家では毎日虐待を受けていた、等をさと子に全て投影し続け実際は自分の身に受けていたこと~自らの境遇であったことを知らずに来たって、それは余りにも馬鹿げているでしょ。
おちょくってない?それからそもそもひき子って何なのか。どういう立ち位置にいるのか。

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台無しなんてもんじゃない。急にあんな風などんでん返しみたいな変な展開を入れてみたくなったのか?
初めから作者は、こういう台本を書いていたのか。
そうだとしたら、もう二度と映画など作るべきではない
変なモノ観た。ホラーだし訳の分からんもの見たさの人には、造形的にはよく出来ているので、、、。




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夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく

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2023

酒井麻衣 監督
汐見夏衛 原作
イ・ナウォン、酒井麻衣 脚本
横山克、濱田菜月 音楽

白岩瑠姫、、、深川青磁(クラスの人気者、自由奔放で絵ばかり描いている)
久間田琳加、、、丹羽茜(マスク少女、優等生を演じている)
箭内夢菜、、、沙耶香(茜の理解者である友人)
今井隆文、、、担任(青磁と茜の担任)
上杉柊平、、、岡崎(美術教師)
吉田ウーロン太、、、丹羽隆(茜の継父)
鶴田真由、、、丹羽恵子(茜の母親)
佐藤恋和、、、丹羽玲奈(茜の異父妹)


最近、バリバリに活躍している若手注目監督による映画。
主演の2人がまあ、瑞々しいこと、、、。
いいんじゃないすかね、と言ってしまうような映画。

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絵やローケーションが凄いという事だったので観てみたが、絵というよりわたしも何か作らねば、という気持ちにさせられた。
そこは大きい。早速準備し始めている。
これには感謝したい。
やる気にさせる映画だ。

青磁が学園の屋上?の一角を完全に自分の青空アトリエにしているのは驚く。
とっても素敵だが、よく学校側が容認しているものだ。
自由な校風に見えたが、あれは1個人による占有だし、まあ問題にしなければ、ならないけどね。
美術室の一画か?彼の作品ばかりが置かれているところもあった。
生徒皆の人気者だし、先生にも認められ心配もされ、好きなだけ絵を描き、好きな時に教室で過ごし、、、良い生活送ってる。
自分のいる場所を最適化出来る能力は素晴らしい。まず自分が解放されていなければ始まらない。
わたしもそうしなければ。必ず。

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要は素直に溌溂と過ごしていた小学校時代と打って変わり人目を気にして自分を押し殺して生きている茜を覚醒させたいという青磁の願望があるのね。人前でマスクをしないとパニックになってしまうのは結構重症だぞ。
外部に対して自分を隠し籠る為の必須のマスクなのだ。引き籠りに相当する。現状から見れば継父と異父妹に気を使いつつ、多忙な母を助け自分のやりたいことを犠牲にし家事に多くの時間を割くことで、自分を見失ってしまっているのだ。
それが彼には感知できるため、文句をぶつけながら、何かと彼女に絡んで来る。
強引に連れ出し見せたいものを見せる。
茜としても学校で一番人気者の男子にいつも気にかけられていて悪い気はしまいが。

そして青磁の絵を見ることで、感情が揺すぶられ自らが解放されてゆくのを感じ、、、。
確かに絵には治療効果がある。魂の浄化作用がある。音楽のように。
自ら描くことでも、観ることでも癒され気づかされ柵から解かれてゆくのだ。
わたしも少年時代、描いてなかったら、ビートルズを聴いてなかったら、廃人になっていたかも知れない。
ギュスターブ・モローとウンベルト・ボッチョーニ、プロコルハルムとキングクリムゾンとの出逢い。
そこが自分の出発点~開闢となった。

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青磁と茜はこの高校で二度目の出逢いを迎えた。
一度目は小学校の時のサッカークラブであった。虐められていた青磁を助け自分の思うように生きることを促したのがこの茜であった。そのときの彼女の姿と笑顔を彼はいつも心の支えに生きて来た。小児癌との闘いで苦しい時もその時の想いに救われて来たと謂う。しかし青磁のペンを盗んだ少女をクラスで糾弾したことで茜は皆から無視されるようになり、母の離婚に伴う転校で自分をリセットしてしまったという。そして生き方を覚えてしまったのだ。
彼はそれを目の当たりにして我慢が出来なくなった。自分を逞しく生きる人間に変えてくれた彼女を放っておけなかったのだ。
過去に焦点を当てふたりの現在を照らしだす。
彼女は彼が誰であったか、思い出したくない小学校時代の記憶と共に意識の底に沈めてしまっていたのだが、、、母がアルバムからその頃の写真を見つけ出す。あの子せいちゃんじゃない?

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彼がとっておきの場所と言って連れて行く打ち捨てられた遊園地も良いが、そこで見たのは夕日であった。
これは何とか見せて家に帰らせたが(それでも母は帰宅時間に怒っていたが)。
一番見せたいのは、茜色に染まる朝焼けであったのだ。
ここでは茜が彼を誘う。そうこの時点で彼女はかつての彼の事を思い出していた。
彼のアトリエのある屋上で一夜を、あたり一面絵の具で塗り潰して過ごし、朝焼けを待ち、二人で仰向けになって観る。
(青磁の両親はどうしているのか、、、そこは一切描かれない)。
一番美しい空を見て、茜はその朝帰宅する。今度は継父が酷く彼女を叱る。
しかし初めて彼女は彼に「お父さん、ごめんなさい」と謂う。
これで全てが流され皆の表情が安らかになる。言葉とはそういうものだ。

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彼は美術の教師の勧めもあり海外の美術学校に進学する。
5年後、帰宅前に彼女は偶然遭遇した絵に愕然とし魅入ってしまう。
一目で彼の絵と気づいたのだ。個展を開くのであろう。
それを眺める彼女の背後から「茜」と呼ぶあの声がする。
満面の笑顔で振り向く茜。


この瑞々しい二人だから成り立った物語かもね。
白岩瑠姫という人は、よくいるジャニーズ系(もう古いか)の雰囲気の人だが清々しくて良い。
久間田琳加はいつもながら、可憐で品も良い。この人の笑顔はとても強度が高いが、それ以外の時に時折見せるとても寄る辺ない暗い表情が気になる。もうこれだけ主役張ってるのだし、思い切り自信をもって躍進してもらいたい。他の活躍中の新進女優は、見るからに気の強そうな眼光鋭い娘ばかりである。久間田も解放されて伸び伸びやってもらいたい。

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あの美少女、箭内夢菜が信じられない程、太っていて大変ショックを受けた(最初、CGでそうしているのかと思った)。
屋上に出る時のハッチみたいな扉、もうファンタジーだね~。戦車や潜水艦みたいでもあり、天空のアトリエに通じるインターフェイスとしてピッタリ。なかなかのセンス。
この監督の今後の作品にも期待したい。と共に箭内夢菜のスリム化もお願いしたい。是非。





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クライモリ

Wrong Turn003

Wrong Turn
2021
アメリカ,ドイツ,カナダ,イギリス

マイク・P・ネルソン監督


シャルロッテ・ベガ、、、ジェン
アダイン・ブラッドリー、、、ダリウス(ジェンの恋人)
ビル・セイジ、、、ヴェナブル(ジェンの友人)
エマ・デュモン、、、ミラ(ジェンの友人)
ディラン・マクティー、、、アダム(ジェンの友人)
デイジー・ヘッド、、、イーディス(ジェンの友人)
マシュー・モディーン、、、スコット(ジェンの父)


シリーズものらしい。
初めて観る。
本作が一番新しいものみたい。
なかなか、こわ面白かった。
確かに「間違ったターン」である。

Wrong Turn001

バージニア州の小さな町レンウッドにジェンたち6人の学生が訪れる。
アパラチア山脈の自然歩道をハイキングする為だ。
しかし必ず余計な真似をする奴が出てきて、皆を地獄の底に突き落とす。

まず街にも不穏な雰囲気が漂い、酒場で敵か味方か分らぬ癖の強い爺さんが彼らに警告を発する。
「あの森は全てを食い尽くす…」だと。その通りだったが。この爺さんにガイド頼んでいれば皆無事に帰れたと思うが。
変な奴らだと言って無礼な態度を返し、翌朝皆で楽しくハイキングに出掛けるのだが、、、
路を逸れた先で完全に迷子になってしまう。それだけではなく至る所に罠が仕掛けてあるのだ。
不穏な空気感はしっかり充満していた。こういうところでは携帯は圏外となる。ここがまた心細い。助けが呼べないだけでなく全ての繋がりから断たれた絶望的な気分になるもの。
時折見られる人影は、諸星大二郎のマッドメンなどを思わせる不安を煽る良い魅せ方に思える。

Wrong Turn002

罠に捕まり死んでゆく若者。丸太に圧し潰されたり、鋭い槍の並ぶ穴に落ちて串刺しになって死ぬ医学生の女子とか、、、
そして残りは囚われて連れていかれた先で、裁判にかけられる。
ボスはご丁寧にこの村の成り立ちについても概説してくれる。噺は南北戦争前からのものであった。
南北戦争の結果を容認しない者の集まる完全に外の世界から隔絶された自治区~新国家であることを強調する。
そして彼らの引っ掛かった罠は全て動物用だという。
罠に引っ掛かっていた男を助けてやったら逆に襲い掛かって来て狩りの最中の兄が殺されたと怒る弟。

Wrong Turn004

ここは確かに文化が異なり言語が全く伝わらなければ身なりなどから恐怖を覚え攻撃に転じてしまう恐れはあろう。
いで立ちは、対動物用のもので、匂いや人であることを隠すという理に適った狩りバージョンである。
(一番、説得力を感じる部分であった)。
大学のレポート課題にしたいとか言えば帰してくれまいか。無理か。秘密の地だし。
裁判長でもあるボスはやはり身なりも被り物も格が違った。
ここでグチャグチャに顔を潰され死刑になったり、偽証罪で目を潰され口と耳も封じられ暗闇の洞窟に投げ込まれたり、、、
散々な目に遭う。

Wrong Turn006

そこでジェンの凄いところが、ここで私たちを殺すと人材として勿体ないわよ、村の更なる発展の為こういう点において充分な貢献ができるから生かして使ってねと力説する。それを通してしまうのだから、彼女はかなりのディベートの達人なのだ。
それで彼女は村長の妻にもなる。恋人であったダリウスもしっかり働き手として受け容れられる。
であれば、もう少し早いタイミングでその提案を切り出しても良かったかも。あと一人助かったと思うが、、、。

この間、6週間ずっとジェンの父は単独で彼女の捜索を続けていた。他のメンバーの親はどうしていたのか?連絡とか取り合い失踪者の親の会として動けばもっと効果的であった気もするが。
ここでは半ば「新国家」の存在を知りそれを恐れる警察は完全に逃げているようであり、尚更である。

Wrong Turn005

この父も街でこの共同体に恨みを抱く者をガイドに付け森に分け入るがガイドは2人とも罠で死に、彼も捕まる。
殺される前に弓の名手となっていた娘に腕を撃たれ幽閉される運びとなる。
そこでは完全に父を忘れた娘という態度を示し深夜に牢から彼を助け出す。
ここから次々に手強い追手が襲い掛かるが何とか逃れてゆくがいよいよ危なくなったところで、例の酒場の爺さんが数人のスナイパー連れで救出に来てくれた。結局顔は怖いが味方であった。
6週間後にあれだけ弓が上手くなっていると謂うのは、筋が良いのだな。
性格的にも大変強く逞しくなっていた。
殺しを嫌がっていた彼女がサバイバルの為には惨殺も厭わない。

Wrong Turn007

そして日常生活に戻ったジェンであったのだが、何と澄ました顔でボスが仕事の客として訪れているではないか。
言葉を喋らない少女ルーシーと共に。
ジェンのお腹にはそのボスの子供が既に宿っていた。
彼はその子と共に元の村に戻ろうという。
それを聴き入れないと家族は殺される。
静かに従って帰るかと思うと、そのワゴン車は急に蛇行して停車中の車に激突して止まる。
そこから転がり出て来る数人を彼女は包丁で刺し殺し、ルーシーと道を戻って来るのだった。

この姿、生き残る為なら何でもする逞しさである。
最後まで面白かった
なかなかよく出来た映画であった。シリーズの他の作品に当たるかどうかは微妙。




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search/#サーチ2

search2 002

Missing
2023
アメリカ


ウィル・メリック,ニック・ジョンソン監督
セヴ・オハニアン、アニーシュ・チャガンティ原案

ストーム・リード、、、ジューン・アレン(ロスの女子高生)
ニア・ロング、、、グレイス・アレン(ジューンの母、シングルマザー)
ジョアキム・デ・アルメイダ、、、ハビエル・ラモス(コロンビアのカルタヘナのギグワーカー)
ケン・レオン、、、ケヴィン・リン (グレイスの恋人、SNSで知り合う)
エイミー・ランデッカー、、、ヘザー・ダモア(グレイスの知人、弁護士)
ダニエル・ヘニー、、、イライジャ・パーク(FBI捜査官)
ミーガン・スリ、、、ヴィーナ(ジューンの友人)
ティム・グリフィン、、、ジェームズ(ジューンの父、病死したと知らされていた)


恋人とコロンビア旅行に行った母(と彼氏)が、帰国の日に帰ってこない。連絡が一切つかない。
失踪した母をネットを駆使して捜索する噺。
デジタルデバイスやアプリ(あまりメジャーでないものも含め)総出の大変気忙しい映画(笑。
VFXは楽しい。パソコン画面を撮影ではなく製作するスクリーンライフという手法を使う。
最後は遠隔でSiri を発動してどうにか助かる。

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コロンビアで失踪したなら、現地で捜索に当たる必要があるが、FBIは捜索がいきなりできるものではなかった。
そこでコロンビアの代行サービスに捜査を依頼する。ハビという現地人を雇う。
具体的にこれやってと指示を出しそれを頼んだり、そのおじさんも有効なアイデアを出してくれる気の良い頼りになる人で(何より英語の分かる人で助かり)二人三脚でかなり効率的に捜索を進める。
こちらはパソコン、向こうはスマホでやり取りとなるが、これがスムーズにゆく。

しかし向うでどうなったのか、足取りも含め具体的で詳細なふたりの情報がまず必要になってくる。
この娘、それぞれのSNSやメールのアカウントを乗っ取りそこに入りこんでやり取りを確認したり。
(メールアカウントさえ押さえれば、パスコードの再設定~取得など造作ない。手順はなかなか手慣れてる(笑)。
FBIにも連絡して情報を共有しようとするが、向こうはそうした形で得た情報は使えないという。そんなら自分たちでさっさとやれ。
ともかく、こちらに任せろと。
だが彼女は、現地のハビおじさんと独自に情報収集して真相に迫る。
細かくやり取りを調べてゆくとどうやら真剣な交際であり心配するほどの事でもない気もして来るのだったが、、、。

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この過程がなかなかスリリングで、先ずははじめのどんでん返しで、ケヴィン・リンが刑務所でたてですかさず悪事に手を染める飛んでもない奴という事が分かる。
そして観光地でのアーカイブに残るビューをよく確認すると、彼の相手は何と母ではなく違う女であるのだ。
彼のSNSを調べて出て来た女であった。
その女は警察の取り調べで、ただ役を頼まれただけで本人は斬新な映画に出演しているつもりであったという?
すると母はどうやら飛行機に乗る前で何処かに拉致されていることも分かって来る。
母は一体どうなったのか?
娘は本格的に焦りだす。お友達の女の子は頼りになるのかどうなのか微妙な存在に留まった。

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これにはびっくりしたが、そうすると彼らの現地での細かい芝居と謂うのはどういう形で誰に見せるものなのか。
勿論、捜査員を騙し現地に飛んだことにするためのものにも取れるが、予め娘のネットを駆使したWeb上での捜索の撹乱にも思えてならない。
何だかこの辺、娘の捜索を前提とした芝居のようにも見えてしまうのだが、、、。
ここまでの芝居をしっかり見られる前提でやるかな。単に現地に行ったことだけ分からせれば済むのでは。
何だかなあ、、、警察、FBIの、目くらましにこれをやるかな。

そしてケヴィンだけでなく母にも秘密(の過去)があることが明かされてゆく。
警察が母までも疑う発言をするのだ。まるで母もその芝居を結託して関わったかのように。
それによってマスコミ。興味本位で群がるネットオタクの無責任な放言などに悩まされる。噂や憶測は拡大するもの。
ここでもハビおじさんは色々と親身に慰めてくれるが、この娘やけにそれには冷ややか。
身の上話までする仲になったのに(この辺りから親子関係における問題が匂わされる)。
世間がどうと謂うより、母の謎がこれまで信頼しきっていた彼女との間に距離を生じ、その混乱が娘を苦しめるのだ。

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そして後半に入り、今度はモニタの前から離れ、実際に移動して人を訪ねる必要が出て来るのだが、ここで母がいつも娘を守るために頼りにしている弁護士のヘザー・ダモアが何者かに殺される。
そこを訪ね、第一発見者となったジューンは大きなショックを受けた。

結局、後半にもう一度大きな揺れがあり、何と死んだはずの父親が訪ねて来るのだ。
これには開いた口が閉まらない。この父親飛んでもないDV男であったのだ。服役から戻り娘に会いに来たという。
つまり親子~家庭が抱える問題~ここでは虐待・DVから逃れる母と刑務所で出逢った男同士の策略、それを止めようとした弁護士の犠牲、等々の関係が暴かれてゆく。
終盤、かなりハードな生のやり取り、暴力、格闘が描かれる。

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娘はDVオヤジに拉致される。
母もそこに拉致されており、この先この男がどうするのかというところで、ハッキリした目的が分らぬうちに母は娘を庇い腰を銃で撃たれ重傷を負う。娘も危機に晒されるが割れたガラスを男の首に母が刺すことで男の戦闘力は削がれる。
そして自宅パソコンのSiriを遠隔発動させることで、警察を呼ぶ。
結局、弁護士もこの男に殺されたのだ。
娘は18歳でこんな経験をしてトラウマを背負わないか。
取り敢えず、これからは母さんの謂う事聞くわ。と良い子になる約束をする。確かに母も大変な子育てをしてきたものだ。
おそらく契約以上にこき使っているはずのハビおじさんにも礼の一つも謂ってほしいところ。最後に酷いことを言ったままである。
FBI、警察は、よくあるクライムもののFBIよりキビキビ動いていたように思われる。
(ちょっと余計な会見と思えるものもあるが)。

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それにしても世の中、これだけカメラだらけなのね。それを改めて実感したわ(ちょっとうんざり)。
ホテルの監視カメラは48時間で上書きと謂うが、グーグルのアーカイブカメラの情報はどれくらい保存されているのか。
まあ、思いつくアプリとデバイス使い切ってよく頑張ったと思う。
典型的な今どきの娘だわ。
面白いかと謂ったら、なかなかの出来でお勧め。

ただしワクワク感では前作「 search/サーチ」の方が高いものだった。






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ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 完全版

LUFTSLOTTET SOM SPRANGDES001

LUFTSLOTTET SOM SPRANGDES
2010
スウェーデン、デンマーク、ドイツ

ダニエル・アルフレッドソン監督
ヨーナス・フリークベリ脚本
スティーグ・ラーソン『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』原作

ミカエル・ニクヴィスト、、、ミカエル・ブルムクヴィスト(ジャーナリスト、雑誌「ミレニアム」発行者)
ノオミ・ラパス、、、リスベット・サランデル(天才ハッカー~リサーチャー、タトゥーとピアスで身を飾る)
レナ・エンドレ、、、エリカ・ベルジェ(「ミレニアム」共同発行者、ミカエルの愛人)
アニカ・ハリン、、、アニカ・ジャンニーニ(ミカエルの妹、弁護士)
ゲオルギ・スタイコフ、、、アクレクサンデル・ザラチェンコ(リスベットの父、元ソ連のスパイ)
ミッケ・スプレイツ、、、ニーダーマン(リスベットの異母兄弟、殺人マシーン)
レンナルト・ユールストレム、、、フレドリック・クリントン(元公安警察、ザラチェンコと共謀)
アンデシュ・アルボム・ローゼンダール、、、ペーテル・テレボリアン(リスベットを強制入院させた精神病院長)
ハンス・アルフレッドソン、、、エーヴェルト・グルベリ(元公安警察、ザラチェンコと共謀)
アクセル・モリッセ、、、アンデルス・ヨナソン(リスベットが重傷で運ばれた病院での主治医)
ターニャ・ロレンツォン、、、ソーニャ・ムーディング(ミカエルに協力的な女性警官)
ミリヤ・トゥレステット、、、モニカ・フィグエローラ(公安警察)
ニクラス・ファルク、、、トーステン・エドクリント(公安警察)
ニクラス・ユールストレム、、、リカルド・エクストレム(検事)
ソフィア・レダルプ、、、マーリン・エリクソン(ミレニアム記者)
ヤコブ・エリクソン、、、クリステル・マルム(ミレニアム記者)


最終章のLUFTSLOTTET SOM SPRANGDES第三章「眠れる女と狂卓の騎士」となる。これも前編・後編に分れているがどちらも観た。
何故なら、半分だけでは我慢できないからだ。直ぐに最後までどうなるのかは見届けたいのが人情(笑。
ホッとしたわ。

LUFTSLOTTET SOM SPRANGDES005

そもそも事の始まりは、アクレクサンデル・ザラチェンコの常習的な妻への暴力で彼女が障碍者となってしまい12歳の娘リスベットが父を焼き殺そうとした事件で、彼女を強制的に精神病院に収容したことに始まる。彼女はここで3年間に渡り拘束され虐待を受け続ける。これはザラチェンコという存在を表に出さない為の策略であった。そのザラチェンコは武器密輸、薬物取引、人身売買、暴行暗殺などに深く関わっていた。
ミレニアム誌のリスベット特集の動きやリスベットも入院して手記を書き始めるなど過去の機密事項が暴露される恐れが出て来たことでかつての公安の特別な班が事態の隠蔽に乗り出す。
しかし同じ病院に入院していた重症患者の父が夜、娘の病室に殺しに侵入するところなど、身の毛もよだつところだが、タイミングよく看護婦に部屋が違いますよと、連れ出される。ホッとして笑ってしまうが、結構リアリティも感じた(こういうことはある)。

ザラチェンコの同僚でもあったグルベリが機密文書を燃やし、入院しているザラチェンコを「もう君は守れない」と謂って銃殺し、その足でリスベットも殺そうとするが弁護の打ち合わせで丁度病室にいたアニカの機転で難を逃れる。
失敗したグルベリは病院で自殺。父の死を知ったリスベットの嬉しそうな笑み(笑。
この第三章はかなり血生臭いが、アニカの活躍がメイン。主に法廷での活躍だが。

LUFTSLOTTET SOM SPRANGDES004

警察は、公安からの圧力もあり、ひたすら事件を異常者による単独犯の事件で片付けようとする。
圧力と偏見からくる歪曲と隠蔽の体質が窺える。
もみ消しは主にクリントン主導で行われるが、テレボリアンを使い父の殺人未遂の件で精神鑑定をでっち上げ、再びリスベットを精神病院に幽閉しようという作戦に出る。
強大な力を持つ分、盗聴盗撮も勿論、重要案件のデータなど速やかに盗み取ってしまう。アニカがビヨルグの種類の入ったバッグをひったくられるとほぼ同時にそのデータの入ったミカエルのパソコンも盗まれているという組織的な働きが見られる。

そう謂った中で、ヨナソン医師のような正義感溢れる患者を守る医師にリスベットは少なからず守られる。
病院では出せないピザも彼女の要求を受け容れ出してくれる。こういう味方も現れるのだ。本もくれるし。病室で禁止されていた携帯電話もミカエルの依頼を受け彼女に渡してくれる。素晴らしい医者だ。これでミカエルから事態の動きを聴き、自伝も書くことが出来る。これは大きい。例の後観人の虐待行為を隠し撮りしたDVDをアニタに渡す指示も出せた。

LUFTSLOTTET SOM SPRANGDES002

また「疫病神」という綽名(コードネーム?)のリスベットの友人ハッカーも頼もしい。
モニカ・フィグエローラ、トーステン・エドクリントという公安警察もミカエルに協力し全力でかつての公安の特別{班」の犯罪をあげることを約束する。
流れがはっきり彼らに傾いていることが分かり、こちらも嬉しくなってくる(笑。
しかしちょっとした隙にニーダーマンが入院中のリスベットを撃ち殺そうとして来たりで、気は抜けない。
クリントンはミカエルを麻薬所持犯にでっち上げようとしたりエリカをメールで再三に渡り脅迫する等、狡猾な策と脅しをかけて来る。
そして直接ミカエルを殺害する為、殺し屋も雇う。
この辺、かなりなりふり構わず攻勢を仕掛けて来るが、現公安も充分に警戒を強めており、街中のカフェでの銃撃など目立つ行動は自分たちの首を絞める原因にもなって来る。

裁判ででっち上げの鑑定書に対抗する強力な物件、証拠を欲しがっていたアニタに絶好のデータを「疫病神」が提供する。
テレボリアンのノートパソのデータをハッキングしてコピーをミカエルに届けるのだ。
リスベットの味方は優秀な人が多く頼りになるでないの。
DVDの内容も裁判官たちに見せる。
更にミカエルとエドクリントが証人として立ち、鑑定書がリスベットに面会する前に書かれたことを立証する。
これが決め手となりアニタの説得力ある弁護で見事裁判を劣勢を跳ね返し勝ち取る。

LUFTSLOTTET SOM SPRANGDES003

その後、クリントン一味は次々に逮捕されてゆく。
まあ、これだけ派手に殺害などしたら足はつくわ。
最後に見事なのは、父の膨大な遺産の内、リスベットが気になった「レンガ工場」に行ってみると国外逃亡したと思われていたニーダーマンが潜んでいるのだった。この男にまともに当たれば勝ち目はなく必死に逃げる彼女であったが追い詰められたところで、彼の足を床に釘付けして固定し逃げる。直ぐにかつてニーダーマンに仲間を殺され復讐に燃える連中に連絡し彼らを工場に向かわせる。それを確認したところで警察に連絡を入れる。一網打尽とはこのことである。ニーダーマンもめでたく殺された。
ホントこういうモンスターが生き残っていたらおちおち寝てもいられまい。
こちらも安心した(爆。

LUFTSLOTTET SOM SPRANGDES006


ミカエルはこの顛末をリスベットに伝えに行く。恐らく初めて彼女が口にする言葉か「ありがとう」と彼に返す。
爽やかに別れておしまい。
あ~もうこの俳優亡くなってるんだな、と思うと淋しい。

いや~見応えあった。
”狂卓の騎士”ってリスベットを守る騎士ってことか。
ストーリーが面白いから多少映画っぽくなくてもグイグイ引き込まれる。



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ミレニアム2 火と戯れる女 完全版 [後編]

Flickan som lekte med elden010

Flickan som lekte med elden
2009
スウェーデン

ダニエル・アルフレッドソン監督
ヨーナス・フリークベリ脚本
スティーグ・ラーソン『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』原作

ミカエル・ニクヴィスト、、、ミカエル・ブルムクヴィスト(ジャーナリスト、雑誌「ミレニアム」発行者)
ノオミ・ラパス、、、リスベット・サランデル(天才ハッカー~リサーチャー、タトゥーとピアスで身を飾る)
レナ・エンドレ、、、エリカ・ベルジェ(「ミレニアム」共同発行者、ミカエルの愛人)
ペール・オスカーション
アニカ・ハリン


ボクサーのパオロとミリアム・ウー(リスベットがアパートを譲った彼女)は、ふたりとも助かり入院していた。
彼らへの事情聴取から始まるのだが、、、。

Flickan som lekte med elden011

警察が実に無能であり、差別警官は情報漏洩までしていて首となったが実に悪質。
更に漏洩の件でまず疑われたのが女性警官ソーニャ(例の差別的尋問に切れた警官)なのだ。この映画、差別テーマは譲らない。
警察がこれでは埒があかないので、リスベットとミカエルが各々独自に捜査をしてゆくしかない。
黒幕とされるザラとは何者か。そして怪物のような腕力を持つ不死身の長身の金髪男が実行犯なのか。
そこへと繋がる糸を手繰り痩せて行く二人。
ずっと会いもせず(メールは最小限の単語で用件だけ伝え)別行動で進めてゆくが。

撮影、演出、流れなどは、ほぼTVドラマタッチで展開する。
余り映画という感じはしないのだ。時折、荒涼として美しくもあるロケーションが映える部分はあるが。

Flickan som lekte med elden014

ここで、最初の大変まともな人格者である後観人からミカエルが聞き出す事実が凄い。
ザラとはザラ通りのことであり、名前はザラチェンコという。麻薬から密輸、誘拐殺しまで何でもやる闇の黒幕であることは間違いなく、しかも何とリスベットの父親であった。
まだ生きていたのだ。
かつて12歳の彼女に火をつけられたのだが火傷は負ったが生きて更に悪事を重ねていた。
彼女はその為に強制的に精神病院送りとなり今に至る。
彼は彼女を守る為、敢えて彼女を無能者と謂う形で後観人となり親身に保護にあたったのだった。
しかし彼が病気で倒れたところで、父と繋がりのあるビュルマンが第二の後観人として入りこんで来たのだ。

そして金髪の長身ファイターの存在であるが、実際に闘ったパオロの見立てでは、何度パンチを入れても何も感じていない様子であることから先天性無痛無汗症であろうという。
これは実際に拳を交わした彼の説得力ある診断でもあった「奴は対戦車用ロボットだ」。
あの不気味で独特の不死身感は、そこにあると謂える。
(観た感じフランケンシュタインなのだ)。

Flickan som lekte med elden012

しかもこの不死身男、リスベットの異母兄弟なのだという(これは父から直接聞くのだが)。
父が気まぐれにドイツで作った兄であると、、、。それ以来用心棒兼殺し屋として働いて来たそうだ。
呆れてものが言えない。ロナルド・ニーダーマンという名はあれど戸籍も存在しないという。
殺しは、この兄が全て父の指示で請け負っていた。
ミレニアムの新米記者ダグと研究者ミアはザラの真相に迫らんとしたため殺害され、二人目の後観人ビュルマンはザラチェンコと公安警察時代の同僚であったことから、要らぬことを喋る危険性から消したと。
その際、リスベットが彼の銃を触ったことを伝えていた為、それを利用したのだという。
何であろうが我が娘である。そんなまね、よく出来たものだ。
このドラマ、悪は徹底的に悪みたい。

Flickan som lekte med elden016

ここでもリスベットの映像を瞬時に完全記憶する能力が彼女の捜査を加速させる。
手掛かりがしっかり得られる為に動きも早いのだが、余りにもリスキーな単独行動となる。
警察があれでは、どうにもならぬが、せめてもう一人くらい腕の利く相棒とかいないものか。
今、金はタップリあるのだから護衛くらい付けられないか、とハラハラしながら観ることに、、、。
特に悪魔のような父兄の待つアジトに独りで潜入する際である。
こんな悪党どもが罠を張っていないはずもない。監視カメラや警報装置のないはずもない、のに余りに装備も武器も策も立てずにドアを開けてしまう。
これはない、と思ったら案の定。凶悪な兄に殴られ気を失い、、、意識が戻ったら胸糞悪い父が更に気色の悪い話をしだす。
これまでの種明かしをするのは、これから殺すということを意味しよう。

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実の娘である。もうサイコキラー以外の何ものでもない。
実際に逃げる彼女を3発撃ったのは、父である。
その小柄な身を引き釣り土に埋めたのは兄とは、もう何と荒涼とした光景か。
しかし地中で蘇生した彼女が納屋で父を襲い重傷を負わせそれに気づいた兄がやって来たところで銃で仕留めようとするが流石に彼女も狙いが定められず、気を失いかける。
そこへトヨタのプリウスに乗ったミカエルが漸く到着となる。
彼女は彼の姿を認めたところで、意識を失う。
救急ヘリで彼女を搬送させ、これからの事を思い巡らすミカエル。
まだ父も重症だが生きており、無傷の兄は何処かに逃れたままである。

第三章にどのように繋げるか。
ヒロインがこれではキツイわね~。
情け容赦ない噺である。




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ミレニアム2 火と戯れる女 完全版 [前編]

Flickan som lekte med elden002

Flickan som lekte med elden
2009
スウェーデン

ダニエル・アルフレッドソン監督
ヨーナス・フリークベリ脚本
スティーグ・ラーソン『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』原作

ミカエル・ニクヴィスト、、、ミカエル・ブルムクヴィスト(ジャーナリスト、雑誌「ミレニアム」発行者)
ノオミ・ラパス、、、リスベット・サランデル(天才ハッカー~リサーチャー、タトゥーとピアスで身を飾る)
レナ・エンドレ、、、エリカ・ベルジェ(「ミレニアム」共同発行者、ミカエルの愛人)
アニカ・ハリン
ペール・オスカーション
ペーター・アンデション


この第二章も前編・後編に分れる。
今日は二つも観る暇はなく前編のみ。
丁度登場人物が(炎に包まれ)危機に瀕したところで終わる。

Flickan som lekte med elden001

ミカエル・ニクヴィストがとても優しく頼りがいのある人に見えて来る。
なかなか味わいのある役を熟す人だ。
調べて観たら2017年に既に肺癌で亡くなっていた。57歳は早い。
他の役でも観てみたい俳優だ。
今回もノオミ・ラパスが冴えていて行動力も軽やかさも相変わらず。

なのだが映画の作りとしては前章のようなディテールの描写がほとんどなく緻密な捜査で確実に真相に迫って行く、というようなスリリングな展開がない~前編においてはほぼないと謂って良い。
その為かとても平板に感じられる。
エピソードはあるのだが、TVドラマ的な流れで、あれっとおもう。
監督も脚本家も違っていた。

Flickan som lekte med elden004

ミカエルとはずっと連絡取らずにセレブ生活を満喫していたリスベットであったが、、、
(ミカエルは彼女の以前の職場などに定期的に連絡はいれていた)。
以前勤めていたリサーチ会社には久しぶりに舞い戻って来る。
そこで最初の後観人が少し回復して施設にいることを知り、会いに行く。
甲斐甲斐しく食事の介護などするが口は悪い。
リスベットのそんな面も描かれているにも関わらず、映画に深みが感じられない。
筋を描いているだけという感覚が強いのだ。

何とも物騒な噺だが、ミレニアムのやり手の新入社員が、政治家も絡む売春組織を調べ特集記事を掲載予定であったがその記者が恋人の研究者と共に殺害されてしまう。オマケに第一発見者が彼らに逢いに訪れたミカエルなのだ。
殺害に使用された拳銃が例の糞弁護士(二人目のリスベットの後観人)のもので、それには脅しに入って手にしたリスベットの指紋がしっかりついていた。
更にその弁護士も何者かに殺され、腹に彼女の掘った入れ墨も確認され、彼女が3人の殺害の容疑者とされてしまう。
ここで、ミカエルとリスベットはいつ逢ってもおかしくない状況となる。
指名手配された彼女は、殺された彼らが接触したと思われる男についての捜索をメールでミカエルに送って来る。
ここでやっと彼女との繋がりに成功する。ミカエルにこっと笑う(笑。

当然、ミカエルは殺人犯が彼女であるなどと全く信じない。
警察の調べも実に杜撰であるが、それ以前にリスベットのアパートを譲ってもらい住んでいる女子大生に対する関わり方からして、明らかな女性蔑視の姿勢なのだ。
やはりテーマは、「女を嫌う男」となる。
噺は、ここからは離れない。
この事情聴取に関わった女性警官が怒って同僚の男性警官を引っ叩いていたが、確かにその警官の人権無視の差別的発言は不快であった。何であっても人を侮辱する物言いや態度は不快であり憤りを覚える。
まあ、わたしもしょっちゅうそういった怒りは蓄積しているが、当然このままではいない!


後半でどのような形でこの濡れ衣を晴らすのか、再びリスベットとミカエルのタッグが観られるのか、、、おそらくそれがないと話にならぬとは思うが、どのような形で実現するのかが見ものである。
まずは、最後に事件の核心と繋がっているであろう男の後をつけて戦いを挑んだ、かつてのリスベットのボクシング仲間のボクサーが小屋ごと炎の包まれどうなったか、明日確かめたい。




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ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 完全版(前・後編)

Man som hatar kvinnor001

Man som hatar kvinnor
2009
スウェーデン、デンマーク、ドイツ

ニールス・アルデン・オプレヴ監督
ラスマス・ヘイスターバング脚本
スティーグ・ラーソン『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』原作
ヤコブ・グロート音楽

ミカエル・ニクヴィスト、、、ミカエル・ブルムクヴィスト(ジャーナリスト、雑誌「ミレニアム」発行者)
ノオミ・ラパス、、、リスベット・サランデル(天才ハッカー~リサーチャー、タトゥーとピアスで身を飾る)
スヴェン=ベッティル・トーべ、、、ヘンリック・ヴァンゲル(大富豪、ハリエットの大叔父)
イングヴァル・ヒルドヴァル、、、ディルク・フルーデ(弁護士)
レナ・エンドレ、、、エリカ・ベルジェ(「ミレニアム」共同発行者、ミカエルの愛人)
ビヨルン・グラナート、、、グスタフ・モレル(刑事)
ステファン・サウク、、、ヴェンネルストレム(大実業家)


前編・後編両方観た。
昨日のアメリカ・リメイク版とほぼ同じ内容であった。
敢えて何をか書くことがあろうか、と思ってしまう程に、、、。
映画によってはオリジナルとリメイクの差が余りに大きく、違う作品ではないかと謂う程のモノもある。

Man som hatar kvinnor003

「女を嫌う男」という意味だと。
確かにその通りだ。出てくる(悪辣な)連中は皆そう。
殺されてもおつりが来るような奴らだ。
因みにFLICKAN SOM LEKTE MED ELDEN第二章「火と戯れる女」、LUFTSLOTTET SOM SPRANGDES第三章「眠れる女と狂卓の騎士」となる。そちらはハリウッド版はないから、オリジナルで観るだけ。続章がどう展開して行くのか、、、。ハラハラワクワクものではあるが、、、。

本作(前後2作)は、ハリウッド版より時間的に長い分、より丁寧な描写となるが、それを観てハリウッド版も実によくまとめていたと感心する。
昨日観た作品の出来を再認識した。

Man som hatar kvinnor004

当然、省略したり異なる設定もある。
ミカエルがハリエットと幼いころに出逢っていたオリジナル版と全く無関係のハリウッド版。
ミカエルが事件の再調査に踏み込むのがオリジナルでは、幼い頃遊んでもらった記憶に残るこの美しい女性の身に何が起こったのかという使命感のようなものも働くが、ハリウッド版は、依頼主が自分をはめた憎きヴェンネルストレムに一矢報いる情報を持っているという所である。この動機の差も物語の流れ展開には問題とはならない。
祖父のハラルドがオリジナルでは狂暴。ハリウッドは、大人しく引き籠っていた。だがとても些末な部分。
ヴェンネルストレムが逆に訴えられ追い詰められた結果、オリジナルでは自殺するが、アメリカ版では絡んでいたマフィアに殺害される。これも小さな部分。ミカエルはオリジナルでは短期間服役していて、その間に天才リスベットがヴェンネルストレムを追い詰める情報を届けに来てくれる。ハリウッド版はもっと早かった(笑。

Man som hatar kvinnor006

最後のリスベットがヴェンネルストレムの裏金(最近トレンド)をタイミングよく見事に引き出しているところは、どちらも爽快。
それくらい良いことがなければね。
ゴージャスに暮らして欲しいわ。

ここでつくづく感じたのは、リスベット・サランデルが余りに優秀なこと。
これだけ有能なら企業の経営者でもやって辣腕振るい大富豪にでもなれるだろうが、、、飽くまでも本人の趣味の問題だが。
超人的な頭脳を持つトラウマを抱えた女性というところ。
こういう人は、気は良いがちょっと頼りない感じの男性に惹かれるみたい(笑。
昨日のダンディではあるが、007からは程遠いダニエル・クレイグといい、今日の優しく誠実だが実に普通の人という感じのミカエル・ニクヴィスト(役名に似ているね)といい、、、自分が何とかしてやらねばと、やるしかないような、、、しかし女を嫌う男ではない。そこに心を許したのだろう。何しろ父も二番目の後観人も最悪の男であったし。
それに鏡像のように対応する失踪した(殺害されたとされた)ハリエットも父と兄に同様の残酷な仕打ちをされた。
片や精神病院から後観人を付けられた形での息苦しい生活を強いられ、片や完全に身を隠して外国生活を送る羽目に。

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だが、リスベットはこの事件解決後に施設にいる母に逢いに行き和解し、毎年自分の生存を知らせるために押し花を送っていたハリエットもヘンリックと涙の再会を果たす。
最後の、ミカエルとエリカの仲睦まじい姿を観て、バイクで去って行くリスベットはとても切ないが、ホントに応援したくなるわね。
毒親被害者としては。
オリジナルのリスベットは、切れ味は良いがちょっと強さが前面に出過ぎていた感もある。
ハリウッドの彼女の方が、感情の振れ幅は大きかった為、同情してしまう面は強かった。

壁をフルに使ってカードで思考の整理をする手法、わたしも取り入れたいのだが、空いている壁が無いのだ(爆。
残念な所、、、(ああいうの憧れてしまう。やってみたい)。

Man som hatar kvinnor002

どちらも秀逸な出来の作品であった。
どちらが良いかは、もう個人的な好みの問題でしかない。
わたしは、ルーニー・マーラのファンであることと、音楽でハリウッド版が気に入った。
とは言え本作も観る価値は充分にある





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ドラゴン・タトゥーの女

The Girl with the Dragon Tattoo001

The Girl with the Dragon Tattoo
2011
アメリカ


デヴィッド・フィンチャー監督
スティーヴン・ザイリアン脚本
スティーグ・ラーソン『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』原作
トレント・レズナー、アッティカス・ロス音楽
カレン・O「移民の歌」(レッド・ツェッペリン)主題曲

ダニエル・クレイグ、、、ミカエル・ブルムクヴィスト(ジャーナリスト、雑誌「ミレニアム」発行者)
ルーニー・マーラ、、、リスベット・サランデル(天才ハッカー、タトゥーとピアスで身を飾る)
クリストファー・プラマー、、、ヘンリック・ヴァンゲル(スウェーデンの大財閥)
ステラン・スカルスガルド、、、マルティン・ヴァンゲル(ヘンリックの甥で後継者、殺人鬼)
スティーヴン・バーコフ、、、ディルク・フルーデ(弁護士)
ロビン・ライト、、、エリカ・ベルジェ(「ミレニアム」共同発行者、ミカエルの愛人)
ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン、、、ニルス・ビュルマン(リスベットの後観人、悪徳弁護士)
ジョエリー・リチャードソン、、、アニタ・ヴァンゲル(ヴァンゲル一族を嫌う、ハリエットの従妹)
ジェラルディン・ジェームズ、、、セシリア・ヴァンゲル
ゴラン・ヴィシュニック、、、ドラガン・アルマンスキー
ドナルド・サムター(若年期: デヴィッド・デンシック)、、、グスタフ・モレル警部補
ウルフ・フリバーグ、、、ハンス=エリック・ヴェンネルストレム(大実業家)
モア・ガーペンダル、、、ハリエット・ヴァンゲル(16歳の時に一族の誰かに殺されたとなっている、マルティンの妹)


2009年のスウェーデン版映画『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』に次ぐハリウッド映画。
キャスト、ストーリー展開ともに文句なしだが、不穏でセンスの良いBGMが何より素晴らしい。
スウェーデン版も観たくなる、とても素敵な映画。
(原作はスウェーデンで大人気の3部作の小説だそうだ)。
ヘーデスタ島が舞台。

The Girl with the Dragon Tattoo002

癖の強い出演者が入り乱れる。誰が誰だか状態で観ていた。
ダニエル・クレイグとルーニー・マーラの動きに沿って観ればそれで何となく分かるような。
ダニエル・クレイグと謂えば精悍な007だが、ここでは正反対の軟弱色男ジャーナリスト。

ルーニー・マーラは「キャロル」が好き。「マグダラのマリア」も素敵。傑作「サイド・エフェクト」では悪女。
「エルム街の悪夢2010」では女子高生。デヴィッド・フィンチャー監督の「ソーシャル・ネットワーク」ではザッカーバーグの元カノだったか。
本作でも体当たりの演技に驚く。颯爽と乗りこなすバイク(HONDA)が実にカッコよい。タトゥーとピアスが痛そうだがそれが内面の痛みを表すかのよう。

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大実業家ヴェンネルストレムの武器密売をスクープしたことで裁判にかけられて負け、失脚したジャーナリスト、ミカエル・ブルムクヴィストは賠償金で一文無しとなる。そこに財閥のヘンリック・ヴァンゲルから連絡が入り、一族の伝記の執筆と40年前に一族の誰かに殺害された孫娘ハリエットの迷宮入りした事件の再調査を頼まれる。その謝礼は彼を窮地に追いやったヴァンネルストレムを有罪とする証拠だという。やるしかない。ハリエットは一族の中で最も優れた人物であったという。ヘンリックの思い入れが頗る大きい。
その調査を進める中で、天才ハッカーで深いトラウマにも悩まされるリスベット・サランデルが頼れる協力者として加わる。
ヘンリックが厄介な一族の調査に適任かどうかの人選に当たり、ミカエルの身辺調査を任せたのがリスベットであった。
つまり会う前に彼女の方は、もう十二分に彼の事は承知している。
彼女のお陰で調査は加速してゆく。

ヴァンゲル一族の闇歴史を深く探ることとなり、旧約聖書の「レビ記」に絡めた猟奇殺人事件が次々に浮かび上がって来る。
(何で向うは犯罪に聖書とかを絡めたがるのかね。とてもよくある事例)。
日本なら「犬神家の一族」みたいなドロドロの家系ものサスペンスでもあるか。
しかし手当たり次第、女を趣味で殺しまくる一族ってのも退廃の極みで凄いものだね。
(男性優位社会とかいうレベルのモノではないぞ。その辺に対する批判的な描写~悪夢はあれど)。

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リスベットはトラウマからか所謂コミュ障であるが、頭脳明晰で仕事が緻密で早い。
精神科医に問題ありとされ23歳の今に至るまで後観人を付けられているが。
何でも子供の頃、性的虐待に及んだ父を焼き殺そうとしたらしい。
これまでのとてもよい後観人が病で倒れ、その後を引き継いだ弁護士が飛んでもない(かつての父親のような)糞屑野郎であった。
これには、強烈な報復をして自分の金が自由に使えるようにする。
ミカエルと違い、大変勇ましい。

The Girl with the Dragon Tattoo004

ハリエットの残した手帳などを手掛かりに調査を進めてゆくと、連続猟奇殺人事件に行き着き、いずれも迷宮入りであった。
彼女もその事件に疑問をもっていたことが窺える。
そんななか、ミカエルは銃で狙われ怪我をする。007なら不敵な面持ちで直ぐに対抗の姿勢を取るが、ここでは彼はひーひー謂って逃げ、リスベットに傷の手当てをしてもらう。痛い痛いと泣きをいれながら。007のイメージも大事にしてほしいところだが、、、。
で、コミュ障の為、ミカエルには伝わらなかったが、彼女は彼に好意を抱くようになっていた。
そしてその夜結ばれる。しかしミカエルに恋愛感情はない。確かに凄いタトゥーであった。

リスベットは、図書館に籠り綿密に資料~写真に当たって行くうちに4件の猟奇殺害現場にマルティンの父、ゴッドフリートが映っているのを確認。5つ目の事件は父死去後ウルプサで起きており、そこは息子のマルティンの通っていた高校のある地であった。
ミカエルはマルティンの家に潜入するが、彼に捕まり専門の拷問部屋に拘束される。そこで父~息子に渡る猟奇殺人の種明かし~自慢話を聴かせる。
007ならそんな簡単には捕まったりしないし、直ぐに脱出するところだが、彼には無理。
殺されかけたタイミングで事情を察しバイクを飛ばして来たリスベットに救われる。ボンドガールに救われる007か。
そして車で逃げるマルティンをバイクで追うリスベットが超カッコよい。そして巧みなバイク操縦で事故に追い込む。ピストルを構え近寄る彼女を前に彼は自爆する。

The Girl with the Dragon Tattoo006

マルティンの自慢話から彼は妹のハリエットは手にかけていない事を悟り、ロンドンのアニタに再度事情を聴きに行く。
兄の死も知らせ。すると自分が父と兄から受けた虐待を語るハリエットがそこにいた。つまり彼女はアニタに成り済まし、危機から逃れたハリエットであり、アニタの協力の下ロンドンに身を潜めていたのだった。な~んだ、死んでなかったのか。
ということで40年ぶりにハリエットに対面するヘンリック(一時倒れて危篤まで行ったみたいだが)大感激。そのお礼でヴェンネルストレムは有罪に、と思ったが役に立たず。リスベットの集めた情報が寧ろ役に立ち今度はミカエルが告訴する。それに追い詰められ逃亡先でヴェンネルストレムはマフィア?に殺されたとか。リスベットはセレブに変装しヴェンネルストレムの裏金をスイス銀行に移してしまう。この手際はわたしが観てもよく分からない(苦。
リスベットのお陰でミカエルは信用回復する。が、この一連の働きは彼は知らない。

ミカエルに恋愛感情を抱くリスベットがプレゼントを買い、彼のアパートに向ったが、そこには愛人と共にいるミカエルがいた。
彼女はプレゼントをゴミ箱に放り込み、バイクで去って行く。カッコよい。
それに引き換えミカエルのだらしなさ。向こうは家庭持ちだぞ。自分にも娘がいる。まあどうでもよいが、、、
リスベットなら大丈夫。充実した映画であった

The Girl with the Dragon Tattoo007

本作の続編は『蜘蛛の巣を払う女』。
漸くこれを観たので、続編にもあたってみたい。
キャストは総取り換えみたいで監督も違うが。
このレベルを期待したい。





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リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い

The League of Extraordinary Gentlemen001

The League of Extraordinary Gentlemen
2003
アメリカ

スティーヴン・ノリントン監督
ジェームズ・デイル・ロビンソン脚本
アラン・ムーア、ケヴィン・オニール『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』原作

ショーン・コネリー、、、アラン・クォーターメイン
ペータ・ウィルソン、、、ミナ・ハーカー(吸血鬼の科学者)
スチュアート・タウンゼント、、、ドリアン・グレイ
シェーン・ウェスト、、、トム・ソーヤー(腕利きスナイパー)
ジェイソン・フレミング、、、ヘンリー・ジキル博士/エドワード・ハイド氏
トニー・カラン、、、ロドニー・スキナー(透明人間)
ナシールッディーン・シャー、、、ネモ船長
リチャード・ロクスバーグ、、、M(リーグへの指示を出す者、ファントム、ジェームズ・モリアーティ教授)
マックス・ライアン、、、ダンテ(ファントムの忠実な部下)
テリー・オニール、、、イシュマエル(ノーチラス号の副艦長)
トム・グッドマン=ヒル、、、サンダーソン・リード



今日は思いっきりおバカっぽいものを探して観ることに。
スッキリしたい気分(笑。

The League of Extraordinary Gentlemen002

『超絶紳士同盟』って、、、。
荒唐無稽の何でもあり軍団がこれまた訳の分らぬ戦争を起こして武器で儲けようとする悪者と戦うスペクタクルファンタジーもの。
ジャスティス・リーグとかアヴェンジャーズみたいな感じでもあるような。超人同盟だし。
敵の親分はファントムだと、、、。こちらのメンバーもキャラは皆ふるってる。

主人公はタフで強いカリスマだが普通の人間(H.R.ハガード作『ソロモン王の洞窟』の主人公)。美しい女性で科学者だが吸血鬼のミナ。オスカー・ワイルド作の主人公でやはり「肖像画」がカギとなるドリアン・グレイ、基本不死身。更に『ジキル博士とハイド氏』だが、ハイド氏になると巨大化して怪力になり大暴れする、もう超人ハルクでないの。何とネモ船長も中心的な役割で出て来る。ネモービルや武器を開発しており武術・剣使いも凄い頼れるファイターでもある。H.G.ウエルズ繋がりで『透明人間』からのキャラか、癖のある透明人間泥棒もメンバーに加わる。そしてトム・ソーヤーと来る、銃の腕が自慢。もう好きにしなさい。何でもあり(爆。
ただしドリアン・グレイの裏切りが終盤発覚、メンバーたちは危機に陥る(最初から彼はメンバーの能力を盗む役を担う敵だった)。Mという指令役が黒幕のファントムであり、死んだはずのジェームズ・モリアーティ教授であった(よくある噺)。
これ最初に謂ってはお仕舞だが、、、(笑。

The League of Extraordinary Gentlemen003

ロバート・フィリップ率いるThe League of Gentlemenは1980年結成だからこれより随分早い。関係ないか。
全く無いね。急に思いつき(失礼。

ネモービルがカッコよい。
6輪車のごついオープンスポーツカーだ。時々映画のカスタムカーで乗ってみたい車に出逢う。
時代性など全く関係ない、超越的なテクノロジーが入り混じっている。
「時空を超えた戦い」っていう邦題の副題は、この無茶苦茶なテクノロジー設定を適当に誤魔化す為のものか(正当化は出来ない)。
最初に登場する初期型の戦車もバッチリ。警官たちはさっぱりそれが何なのか分からず、止まれ!と言って轢かれてしまう。
ノーチラス号も圧倒するシャープな巨大潜水艦で素敵だった。
ただ随分、知っているノーチラス号とは、異なる。
わたしは、フィギュアを二つ持っているが、新しい解釈のノーチラス号らしい。海の剣と言っていたが確かに剣の形だ。
これもいいかも。

The League of Extraordinary Gentlemen005

実は黒幕は、この集められたメンバーから身体の皮膚や血液、更に発明した薬やら技術を皆盗みそれを使って武器や人間兵器を大量生産して緊張関係を作ったそれぞれの国々に売り込もうという狙い。
まあ細かい噺はどうでもよく、荒唐無稽な巨大スケールのスペクタクルを愉しめば良い。
斬新な解釈のノーチラス号、ネモービルのカーアクション、ガンアクション(あれだけ撃ちまくって当たらない)、主にハイド氏の怪獣ファイト、ミナの吸血とコウモリ攻撃、アランというより寧ろネモ船長の采配、、、あんな潜水艦を持てるバックボーンは何なのか。
色々気になることはあるが、、、
アランがグループのボスなのに、強いが超人ではないのが何とも、、、。

The League of Extraordinary Gentlemen004

もう訳の分らぬアクションバトルをあれよあれよと追ってゆけばよい。
特に終盤はなかなか締まって来る。
最後は、雪の中を逃げるジェームズ・モリアーティを相当な遠距離からトム・ソーヤーが銃で仕留める。
アラン・クォーターメインから受け取った銃である。
アランは死んで埋葬されてしまうが、アフリカの英雄であり「アフリカは彼を死なせない」と呪術師も謂っており、エンドロール前に墓が中から揺れ動くところで終わる。

The League of Extraordinary Gentlemen006

続編はあるのかどうか。
この映画の興行収入次第であったはず。

ジャスティス・リーグとかアヴェンジャーズの楽しみ方に近いか。
何でもありで面白い。途中でちょいと寝たが、気楽に観れるところも良い





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花の才月

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1962

中島義次 監督
谷口葉子 脚本

川地民夫、、、元享(寺の次男)
田代みどり、、、ひろ子
河上信夫、、、ひろ子の父
佐々木孝丸、、、元享の父、和尚
内藤武敏、、、小林医師
山崎二郎、、、隆(ひろ子の弟)
高品格、、、人夫頭
初井言栄、、、照代
浜村純、、、村長


古いモノクロ邦画をまったりと観てみた。
何やら妙に落ち着く。
昔の県道の工事現場とその周辺の埃にまみれた田舎町の様子が窺える。

工事飯場で人夫として働いているひろ子の父は、病気で寝たきりになってしまう。
そこで飯場の炊事係として働きながら父の看病に明け暮れることとなる。
掃除、洗濯もやり、明朗快活な性格から人夫たちからの評判も良い。
母を呼びよせることになり、毎日汽車の着く時刻に駅まで迎えに出かけるが、いつまでも母は現れない。
この不在の母を迎えに行っては虚しく踵を返して戻って来る毎日が序盤のリズムを作る。
この反復と流れは心地よい。

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寺の次男坊でオートバイを乗りまわし住職になるのを嫌っている元享という如何にも住職みたいな名の青年と知り合う。
大学も浪人中のようで宙ぶらりんだが、ひろ子の影響もあってか彼も飯場で働き始める。
ひろ子がバイクで送られると噂はすぐに広がる。
村は噂と縁起などの因習に深く囚われていた。
これはやはり余所者である飯場の人々にも違和感を抱かせる。

いつものように駅で待っていると、弟の隆が何故か独りでやって来た。
彼は母親の死を知らせにやって来たのだ。
泣き崩れるひろ子であったが、直ぐに相次いで父も看病の甲斐なく亡くなってしまう。
深く同情する元享や飯場の人夫たちは彼女らに暖かく接し大事にする。
ひろ子も村人の洗濯や掃除を手伝いながら、元享に勧められ彼の寺で育てている花を売って生活費に充てることにした。
(この行為に対し住職の父は否定的であり元享に対しては他の寺への修行を勧め、孤児の2人の件は冷たく突き放す)。

飯場頭の計らいで彼女らが住み込みで働けるようしてくれるが、工事が終わった後は、彼らにはもうどうにもできない。
孤児となったふたりに始めは同情的な村人たちは、花を喜んで購入しひろ子に仕事の場を進んで提供していた。
ある意味、異人~マレビト扱いであったか。迷信深い共同体であることから、、、。
しかし一転して、村人の中に一度、病人が出たり高齢者が亡くなったりすると、途端に外からやって来た姉と弟に対し呪いを齎した余所者として迫害し始める。皆、花を買った家で不幸が起きたとか噂をし始めるのだ。そして狐が彼女らに憑いていると。
子供たちが皆揃って、「狐っ子」と呼んで二人を囃し立てる。
一体自分たちが何をしたというのか。悉くそういうモノだ。
まだ子供であるひろ子は泣きじゃくる。もっと幼い弟も途方に暮れる。

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そしてまだ工事の終了していない飯場に村長を先頭に村人が押し寄せ、あの二人を直ぐに追い出せと迫る。
あの二人は狐憑きで禍を齎すものだという。
これには呆れかえる人夫たちであり、頭やかつてひろ子の父を診ていた小林医師がそれは酷い言いがかりであり、全く根拠のない迷信に過ぎないと反論するが聞く耳を持たない。
それを二階で聞き、自分たちの身の危険と世話になった飯場の人たちへの迷惑を考え、2人で裏口から荷物をまとめて逃げ出す。暫くして照代が2人の残していった手紙を見つけ深夜に子供二人が森に入ったかも知れぬことを悟り、村人を叱責し飯場の人々と医師を先頭に探しに出る。
深夜心細く当てのない旅に出ることになった二人と例のバイク野郎がまたもや出逢う。彼は修業に出された帰りであった。

迫害に泣きじゃくるひろ子であるが、元享は思いの他クールで、熱しやすく冷めやすい村人の特性をよく知っており、直ぐに何もなかったかのように戻るという。共同幻想とは、そういうものだ。
2人の間には、もう信頼を超えたものが芽生えていることは窺え、隆も確実にそれを察知する。
ここで、驚くのは常に元享に対し厳しく否定的に関わって来た住職である父の思い~計らいが異なるところにあったことだ。
恐らく元享がひろ子に対し好意を持っており、それを利用して将来的に寺を継がせるつもりであるのか。
彼女らを長男の寺に預け生活費と弟の隆の学費も出す約束で、元享を他の寺で本格的に修行させ後に住職として迎える算段らしい。最後の住職の顔が全てを物語る(笑。

ここで姉ちゃんはお兄ちゃんが好きなんだ~とか弟に言わせて相撲を何故かとって、その為に汽車の時間に遅れそうになり走って行く、ロングカメラとか、その手の何と言うかわざとらしい(くさい)演出~撮影があるにはあるが、全体として面白かった。
たまにはこういうモノクロ映画を観たくなる。



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ターミネーター:新起動/ジェニシス

Terminator Genisys001

Terminator Genisys
2015
アメリカ

アラン・テイラー監督
レータ・カログリディス、パトリック・ルシエ脚本
ジェームズ・キャメロン、ゲイル・アン・ハード原作
「Fighting Shadows」ジェーン・チャン主題歌
ローン・バルフ音楽

アーノルド・シュワルツェネッガー、、、おじさん、守護者 / T-800
ジェイソン・クラーク、、、ジョン・コナー / T-3000
エミリア・クラーク、、、サラ・コナー (レジスタンス戦士、ジョンの母)
ウィラ・テイラー、、、少女期のサラ
ジェイ・コートニー、、、カイル・リース (ジョン・コナーの腹心、ジョンの父)
ブライアント・プリンス、、、少年期のカイル
J・K・シモンズ、、、オブライエン刑事
ウェイン・バストラップ、、、若い頃のオブライエン
ダイオ・オケニイ、、、ダニー・ダイソン
マット・スミス、、、アレックス / スカイネット
コートニー・B・ヴァンス、、、マイルズ・ダイソン
イ・ビョンホン、、、T-1000
マイケル・グラディス、、、マティアス警部補
サンドリーヌ・ホルト、、、チェン刑事


バスのアクションもあったが、軍用ヘリ同士のチェイスもあり、この辺このシリーズの欠かせないところ。
T-3000は流石に最新鋭で究極の粘着性を発揮していた。擬態するしホント生理的に無理なロボットだわ。
スカイネットとは、ミサイル防衛システムということであったが、(殺戮)ロボットを続々と開発して量産もするのね。
人類を守るはずの自立型AIが人類を敵と見なして、核弾頭ミサイルを放ち30億人が亡くなり、生き残りを抹殺すべく人型ロボットを忍び込ませてきた。
そんな能力を最初からスカイネットは備えていたのか。これってミサイルと関係ない大変”質の悪い”軍事兵器だ。
今回はそのT-30000が完璧に人に成り済まして襲ってくる。カイルのいたアジトにも侵入しており、シークエンスに入ったところで、ジョンに襲い掛かるのをはっきりカイルは観てしまう(この辺の演出は良いのでは)。

Terminator Genisys002

やはりシュワちゃんはコメディ要素が強い。ゴッツイ上にお茶目で、良くも悪くも微妙。
それから、「おじさん」が普通に説明しているのに、理屈っぽいとか文句を言って敬遠するカイル・リースが幾分アホっぽい。
(終盤、自分も仮定の話をする時に「論理的には」と言って関係を収めていたが)。
エミリア・クラークのサラ・コナーは、とてもチャーミングで良かった。しかしこのシリーズ、役者が変わるのも何だかなあ~。
勿論、役者も歳を取ってしまうから仕方ないが。この辺りストーリーとの整合性を保ちながらもなるべく同じヒトでやってもらいたいのだが、、、。サラは1.2とニュー・フェイトで頑張ったがジョン・コナーやカイル・リースなど毎回違うから、、、渥美清なんてずっと続投だったぞ(噺は少し違うが、「それを言っちゃあおしまいだよ」と”I'll be back”の違いくらいだし)。

Terminator Genisys003

そもそもこのジョン・コナーやカイル・リースが行ったり来たりしているから、噺がグチャグチャして来る。
今回強調されるのが、、、ジェニシスがスカイネットだ。起動すると審判の日が始まる。その前に殺せ、と謂うのと、審判の日は2017年だということ。これは大人のカイルが子供のカイルに言い聞かせて忘れないようにしている。
う~んこういうの余り感動的ではない。タイムリープと謂うあり得ないフィクション~絵空事を多用し過ぎると安易で白けるのだ。
これをやると下手をすると何度でもやり直しが利いてしまう。
死んでも、また過去に飛びそれが起こらぬ事態に改変すればよい。これ主に機械軍側が積極的にやる。
こればかりだと辟易して来るはず。
詰まりあの時間に飛んでこれはなかったことにしたい、というわれわれが最も弛んでいる時に妄想してしまうような願望ネタはあまり上質な噺を生まない。
わたしが一番、気になっているのはそこだ。

Terminator Genisys004

1と2で締めて置けばよかったのかも。わたし的には4は良かった気もするが、要はダラダラ続けないことだ。
「タイムリープ」自体に無理があり過ぎなので、映画がウケたところで止めるのがベター。
この映画が取り立ててどうのというのではなく、VFXも演出もアクションなどかなり頑張っていた良作だと思うが、タイムリープなどを多用し続け過ぎたことでちょっとキツクなってしまった。
基本コンセプトからもっと練り直すべきだったと思う。

Terminator Genisys005

T-1000以降は触れるモノ全てに擬態できるみたいだが、今回は偽物か本物かでドキドキさせるところが一番活きてるような。
これもシリーズの一齣としての基本的な水準は充たした出来だとは思うが、サラとジョン、カイルの想い出噺が少しくどく感じる。
続けて観ているせいかも知れぬが、この作品ならではの飛び抜けたモノ~新鮮味は感じられない。
最後に液体金属のプールに落下した「おじさん」がヴァージョンアップして戻って来たが、そこはアリかなとは思う。
ヒーロー的な死で終わるより面白いかも。
しかし続編はなかった。それを匂わせる部分をエンドロール後に蛇足的につけていたが。
興行収入の関係からか。

Terminator Genisys006

確かにこのシリーズは”1”と”2”がやたらと評判良かったのは覚えている。
シュワちゃんも「ターミネーター」と「トータルリコール」で、大スターになったみたいだし。
この映画もこれ単体なら結構感動的で面白かったかも知れない。
シリーズとしては煮詰まった感が充満していた。
ただし、この作品一つとして観れば、なかなか力の入った良作である




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ターミネーター4

Terminator Salvation001

Terminator Salvation
2009
アメリカ

マックG監督
ジョン・ブランケート、マイケル・フェリス脚本
ジェームズ・キャメロン、ゲイル・アン・ハード原作

クリスチャン・ベール、、、ジョン・コナー (レジスタンス部隊長)
サム・ワーシントン、、、マーカス・ライト (死刑囚、サイバーダイン社でサイボーグに改造される)
アントン・イェルチン、、、カイル・リース (ジョン・コナーの父となる若者)
ムーン・ブラッドグッド、、、ブレア・ウィリアムズ (レジスタンス戦士、パイロット)
ジェイダグレイス・ベリー、、、スター (カイルと行動を共にする唖の少女)
ブライス・ダラス・ハワード、、、ケイト・コナー (ジョンの妻、医師)
コモン、、、バーンズ (ジョンの右腕)
ヘレナ・ボナム=カーター、、、セレーナ・コーガン (マーカスをサイボーグ化した科学者)
ジェーン・アレクサンダー、、、ヴァージニア (自警団の指導者)
マイケル・アイアンサイド、、、アシュダウン将軍 (レジスタンスの指導者)
イヴァン・グヴェラ、、、ロシェンコ将軍 (レジスタンスの副指令)
ローランド・キッキンガー、アーノルド・シュワルツェネッガー、、、T-800


この作品は入りこんで観れた。
タイトで渋く、よく出来ている。
シュワルツェネッガーがほとんど出ていないところがミソかも(爆。

Terminator Salvation006

ジョン・コナーって毎回違う人が演じてるのね。
マーカス・ライトという微妙な人がいて戸惑うし。最初のうちは誰が誰だかよく分からない状態で観ていた(笑。
スカイネットが人々を生け捕りにしていたが、何に使うのか、、、人体実験だとしても。
タイムスリップしていない。
シュワルツェネッガーが顔だけCG合成で如何にもという感じで、ほんのちょっとだけ出て来る(笑。
(この時期、彼はカリフォルニア州知事になってがんばり始めていた)。
スカイネットの無人バイク~モトターミネーターが実にカッコよかった。あれに無理やり乗るジョンもカッコよい。
相変わらずの重量級カーチェイス。迫力充分。

Terminator Salvation002

T-600が沢山出て来る。タフで怪力で強い量産型。
T-700は600よりスリムで人に近い形か。これもタフで上半身だけでも襲ってきたりして怖いし強い。
T-800が最後に起動するが、シュワルツェネッガー型である。圧倒的なパワーだ。どことなく愛嬌はあるが。
このタイプは、ジョン・コナーに味方する事もあったりするのだが、ここでは無慈悲。鉄骨で刺して来る(痛。
ハンターキラーも空から突然襲ってくる手強い敵。今回はスカイネット側に囮として使われた。レジスタンスのアシュダウン将軍は、スカイネットを制御する短波シグナルを掴んだと喜んでおり、それを利用してスカイネットを総攻撃だと息巻いていたが、発せられたシグナルに効果があると見せかけ、彼らの潜水艦位置を見極め攻撃するためのものであった。ひとたまりもない。向こうが数段上であった。
ロシェンコ将軍の諦観が何とも言えない。早くこの指揮官を見限っておくんだった、とおもっても遅い。
スカイネットの予定通りに暗殺リストが実行されてしまう。民間人を犠牲にしてもよいという司令官は基本的にいらぬが。

Terminator Salvation007

だが運命は自分で切り開くと頑張るジョン・コナーたちは、何とかマシン軍団に立ち向かってゆく。
そこでいつも通りのシュワちゃん路線だと寝返ったりして逆に利用されたりしてきたことからスカイネットは、違うタイプのマシンを開発し送り込んだのだ。
それがセレーナ・コーガン博士(ヘレナ・ボナム=カーター懐かしい)による「侵入型プロトタイプ」であり最も人間に似せて接近しやすいように作られたマーカス・ライトである。自分でも普通の人間であるという感情~認識を持ったままで野に放たれる。
最初にT-600から助けてくれたのが、まだ若いカイル・リースその人であった。
その後、ハンターキラーに撃ち落とされパラシュートで逃れたレジスタンス、ブレアを助けたりで、自分の意思とは関係なく意図的に重要な人物たちと懇意となり、彼らを引き連れスカイネットの基地に連れて来る。
自分が人間であることに、つゆほどの疑いも持たずに。

Terminator Salvation003

レジスタンスの仕掛けた地雷に引っ掛かり、壊れた脚から自分がサイボーグだと悟ったが、今回ターゲットにしているスカイネットの基地のひとつに潜入し、中枢データとの同期を図ってみると、自分が端からここにカイル・リースやジョン・コナーを連れてくるようにプログラムされていたことを知るに至り愕然とする。
自分は一体何者なんだ、、、。
しかしそれを謂ったら誰もが、何なんだ、、、である。
要するにアイデンティティなどに拘ったら身動きなど出来なくなる。自由意志などにかけたら当然息詰まる。

ここで初めて人間となる。
別に自由になったわけではない。人間の枠組みに入ったというところか。
死刑囚も人間であるが。二度目のチャンス~生を活かすことに。

Terminator Salvation004

顔だけシュワちゃんでT-800(何であってもシュワルツェネッガーは出たかったのね)が登場して暴れまくるが、直ぐに溶鉱炉の液状鋼とその後にかけられた液体窒素攻撃でもう外皮は落ちてしまうから、ターミネーター丸出しでの死闘となる。顔は直ぐに用済み(笑。
心臓部を強打されマーカスはシャットダウンに追い込まれるが、ジョンは何とか核電池で起爆出来る仕掛けは作る。
そしてT-800を止めるためににマーカスを電気ショックで起こそうとする。その隙を突かれジョンは胸を刺されてしまう。
跳び起きたマーカスはT-800の首をへし折り、何とか事態を収拾する。
闘いの最中、起爆スウィッチを落としたのをしっかりスターが拾っていて、飛行機の中でジョンに手渡す。
その基地は取り敢えず完全爆破。
仲間と避難したジョンは重体で、心臓が弱まっていたが、自分のを使えと横たわるマーカス・ライト。
自己犠牲で彼は二度目の人生を終える。
マーカス・ライトは憧れのジョン・コナー率いるレジスタンス隊に入隊が認められる(子供からオヤジへである)。

彼の心臓移植によってジョンは蘇り、また不屈の闘志でスカイネットと闘う事を誓う。
ネット自体~本体を落としたらよいのでは、、、。どうなんだろう。
その上で製造中のターミネーターを同じ工場にある動力源の核電池で爆破するとか。
(今回みたいに)。そもそもネット無しにターミネーターは動けるのか?

Terminator Salvation005

毎回、キャスト変わるので、シリーズとして微妙だが、噺は繋がっているみたいだし、よいのでは。
特に今回の”4”は物語としてとてもよく出来ていた。シュワちゃんがほぼいないと、物語が締まるみたい。
彼そのものがコメディ要素と化してしまう、ような。
キャストは皆渋くて物語に入り易かった(最初は誰が誰だか分かり難かったが慣れれば観易い)。
スターも良い調味料みたいな役を演じていた。
本作は、面白い。



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ターミネーター3

Rise of the Machines005

Terminator 3: Rise of the Machines
2003
アメリカ

ジョナサン・モストウ監督
ジョン・ブランカート、マイケル・フェリス脚本
ジョン・ブランカート、マイケル・フェリス、テディ・サラフィアン原案
ジェームズ・キャメロン、ゲイル・アン・ハード原作

アーノルド・シュワルツェネッガー、、、T-850(2でのT-800の改良型、ケイトに再起動される)
ニック・スタール、、、ジョン・コナー(未来の人類抵抗軍のリーダー、現在放浪者)
クレア・デインズ、、、ケイト・ブリュースター(未来の抵抗軍の副リーダー、ジョンの幼馴染)
クリスタナ・ローケン、、、T-X(ジョンとT-850の抹殺の為、スカイネットにより送り込まれる)
デヴィッド・アンドリュース、、、ロバート・ブリュースター(ケイトの父、アメリカ空軍の中将、スカイネット総責任者)


恐らく「ターミネーター」と「ターミネーター2」は観ていると思うので、”3”から観てゆくことにする。
とは言え、記事は”1”も”2”も書いていないので、どうしようかな、と思う。
ジョン・コナーは、未来に対する不安に駆られ、放浪を続けているという設定。
住所も携帯も持たない、というのはハードな逃避行生活だ。

Rise of the Machines003

トヨタ車が二台活躍していた。
レクサスとタンドラ。しかし他の重車両の扱いが凄すぎた(笑)
T-850がクレーンにぶら下がったまま、バリバリとビルを抉って走ったり、いくら何でも壊れないか、という勢い。
ともかくカーアクションが半端ではない。あれリハーサルとかもやるんだろうね。
あんなクレーン車とか重車両が続々出てきて、それぞれ複数台用意しているのだろうか(一発勝負なのか)。VFX~CGは、T-850とT-Xのバトルでは使われると思うが、、、金掛かってるなとは自然に思える(笑。
怪我もあんな撮影では出ても不思議でない。

Rise of the Machines002

スカイネットから送られてきた女性型のT-Xが如何にもクール(無表情)で凄まじく不死身で強い。修復も早いのだ。
この女優はスーパ―モデルみたいな人で、高性能殺戮マシンに相応しい風貌だ。
腕に装着された幾つもの武器も強力で、そのまま戦えばT-850は明らかに分が悪い。
(特にプラズマ砲)。
メカを自由に操る能力も駆使して意のままに車両や軍のロボット兵器で攻撃して来る。
しかもネットから情報を直ぐに得て動ける。始末が悪い。

Rise of the Machines001

シュワルツェネッガーのT-850は、ジョン・コナーとケイト・ブリュースターという未来の人類のレジスタンスのリーダーを守るためにやって来た。彼らの殺害を目的として送られてきたT-Xを阻止するために。
そもそもジョンが抱えて来た不安はこのことであったのだ。
(スカイネットによる人類を殲滅する為の核攻撃は止められたのではなく延期されたに過ぎなかったことを知る)。

圧倒的な力の差を見せるT-Xに対し、シュワルツェネッガーのT-850は貫禄で応戦する。
サングラスに拘る渋さもあり、只管腕力で押す。そんな感じだ。
T-850とT-Xの壮絶な闘いの果て、T-850は自爆で同士討ちに持って行き性能に勝るT-Xを抹殺する。
動力源の水素電池を使用する。あれは最後の手だ。

Rise of the Machines004

結局スカイネットというのは、政府の秘密基地に隠された中枢システムというのではなく、ネット上に存在するソフトウェアであった。
ネットワークを介してコンピュータ群を繋ぎ人類を敵視する意識を持つに至ったみたい、、、。
彼らは、回避不可能な「審判の日」~全世界のほぼ全てが核攻撃で滅ぶ日~にT-850によって生き延びるようにシェルターに逃がされたのであった。この願いは彼女の父ロバート中尉に重なる。

Rise of the Machines006

T-850は、未来の副司令官であるケイトに再起動され送り込まれたサイボーグであるため、この時代の彼女の命令にも従い、スカイネットを止めるという目的で開発責任者の彼女の父に彼らと共に逢いに行くが、中将はT-Xに殺害されてしまい、本来の目的通りシェルターに導くのだ。
スカイネットは中尉が殺される直前に起動してしまった。
一旦起動すると中枢システム破壊などという方法で止められるものではないのだ。
そして明確に人類を滅ぼす脅威となる。

Rise of the Machines007

その意図を二人が理解したところで、生存者からの連絡がシェルターに入って来る。
リーダーの名前を聞かれ、それまで自覚の持てなかったジョン・コナーは自分がリーダーであると伝えるのだ。
彼はT-850の遺志も汲み、これから徹底して闘う事を決意する。

最後にふ~ん、そうだったのかあ~と納得する物語。

アクション、VFXが充実しておりかなり面白かった
サイボーグ(ロボット?)同士のハードなバトルアクションも迫力充分であったが、何と言ってもカーアクションである。
あんな車両でのカーチェイスは、ない。
映画がお金かかるのはよく分かる。
(政治家もそうらしいが。どうでもよい)。




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M3GAN/ミーガン

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M3GAN
2023
アメリカ

ジェラード・ジョンストン監督
アケラ・クーパー脚本
アケラ・クーパー、ジェームズ・ワン原案
ベラ・ポーチ「ドールズ」主題歌


アリソン・ウィリアムズ、、、ジェマ(M3GANを開発製作、FUNKI社の研究者)
ヴァイオレット・マッグロウ、、、ケイディ(両親を亡くしたジェマの姪)
エイミー・ドナルド、、、M3GAN(機械学習AIロボット)
ロニー・チェン、、、デヴィッド(玩具メーカーFUNKI社のCEO)
ブライアン・ジョーダン・アルバレス、、、コール(ジェマの同僚、M3GAN開発に携わる)
ジェン・ヴァン・エップス、、、テス(ジェマの同僚、M3GAN開発に携わる)
ステファン・ガルノー=モンテン、、、カート(デヴィッドの部下、M3GANのデータを盗もうとする)
ロリ・ダンジー、、、セリア(隣人)
エイミー・アッシャーウッド、、、リディア(セラピスト)


以前から観たいと思っていた映画。
ついに観た。

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無線のマウスみたいにペアリングするだけで自分を徹底的に守ってくれるロボットなんて、わたしは有難いね(笑。
そう謂うの欲しい。ドラえもんより頼りになりそう。
またこのM3GANが可愛い。更に凄まじい運動能力。
ケイディも可愛いがどうも情緒不安定で我儘な感じ。勿論両親が事故死したばかりで無理もないが、、、。
そこにM3GANをロボット博士の叔母から宛がわれすっかりべったりの関係に。それは分かる。もうどんな玩具もペットもかなわない。
こういう噺は昔からある。今流行のChatGPTやそれをベースにしたAIみたいに高度で洗練されたものでない簡単な対話型のAIの頃から、もう自分の親友みたいな親和性を抱く人(特に女性)が多くいたことは確か。この映画にもあるがスマートホーム家電にだって相棒感覚を持ってしまうもの。共感~承認に近いものを感じるのだ。要するに感情の問題。
それとは比べ物にならない優れたゴージャスなAIロボットが、一万ドルくらいで売り出されるなら飛ぶように売れるだろうに。
(殺されなければデヴィッドは大金持ちになってたかも)。
ただ気に食わない奴は犬も含め惨殺されるから、結構殺人事件は増えそう。

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ただし、機械学習型のAIロボットであるが優秀過ぎるのか、理屈っぽく切れやすい人間の姉ちゃんという感じでもある。
(特に最後の最後にケイディに切れて悪態をつくところなど感情も顕わ)。
おまけにやたらと強い。そちらの方が驚いた(もしかしたらこの身体能力の方が売りではないの?)。
こんな驚くべき身体機能が実現されたらもう鬼に金棒。殺人マシンで踊りも上手いブギーマンみたいでないの。
だが、理論的にいうと何でここでこんなことすんの、みたいなよく分からない人間的な側面を感じる。
あのダンスは素敵で思いっきり凄かったが、何であそこで踊る気になったのかよく分からない。
不気味に可憐に踊った後で、デヴィッドとカートをいともあっさりエレベーターで刺し殺す。
ハッキリ言って、他と比べ、殺すほどの相手か?その辺の線引きが今一つ納得しがたいのだが。

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しかし何にしてもこんなものを設計・開発出来たらジェマは天才だ。
大学時代制作の「ブルース」もかなりのものだし。
あれはあれで生産、販売価値のあるロボットだと思う。
ただし、M3GANレベルのモノを生産する環境があったとは思えない。人的にも少なすぎるし。
所詮、玩具企業の研究室である、、、映画を観る限り、そんな精密な作業可能な生産ラインがあるとは到底思えない。
ともかく他の玩具~モノと比べ別格の飛躍である。
開発費も尋常でないはず。
この辺りがもう少し説得力が欲しい。

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他にも刺し殺してもよいような者はいないか。
ジェマの同僚とか深追いはしなかった。詰まり許した。
その辺の論理である。今一つ分らない。
あの意地悪坊主はケッサクだったが、まさか下に追い落とせば丁度車が轢くまで計算はしていないはずだが、本人~M3GANはどう思ったのだろう(わたしたちを傷つける存在が多いことを悟ったというような事は言っていたが、、、)。

また、造形的に可愛いのに結構、周囲の人々は最初の頃から彼女を恐れているきらいはあった。
隣りの意地悪ばあさんもだが。
ちょっと危険視するのが早かろう。
もう少し不審な殺人が続いてからの方が自然に思える。
綺麗だが異物感~他者性は充分に感じ取れ、エイリアンを見るようなところか、、、。

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M3GANのVFXはいう事なし。ケイディとのペアリングも素敵である。
エイミー・ドナルドという子役がCGでは賄えない部分を演じているという。
アニマトロニクスと実写~顔だけすげ替え~で作成。
これだけの動きが滑らかに出来るのだから、技術的には成功である。
あの踊りの部分がそこか。

実生活でもふたりエイミーとヴァイオレット・マッグロウは親友になったそうな。
分かる気はする。
最後の流れは、収まるべきところという感じだが、勿体ない。
わたしなら壊さないね。これほど見事なロボット。
ジェマとケイディもよく思い切ったものだ。自分の身が危険とあらば仕方ないとは言え。
(ケイディはいつブルースの操縦覚えたのかしら)。

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続編も決定だそうだ。
この主演の3名で。
ふたりは育ち盛りだから、物語での設定年齢も上げないと。
それでも問題はないだろうが。このレベルの出来を期待したい
勿論、次作も観る。





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ターミネーター:ニュー・フェイト

Dark Fate001

Terminator: Dark Fate
2019
アメリカ

ティム・ミラー監督
デヴィッド・S・ゴイヤー、ジャスティン・ロードス、ビリー・レイ脚本
ジェームズ・キャメロン、ジャスティン・ロードス、ジョシュ・フリードマン、デヴィッド・S・ゴイヤー、チャールズ・H・イグリー原案

リンダ・ハミルトン、、、サラ・コナー
アーノルド・シュワルツェネッガー、、、T-800 / カール
マッケンジー・デイヴィス(10歳:ステファニー・ギル)、、グレース(未来のダニーから送られてきた強化人間)
ナタリア・レイエス、、、ダニー・ラモス(未来の救世主)
ガブリエル・ルナ、、、ガブリエル / Rev-9(ターミネーター)
ディエゴ・ボネータ、、、ディエゴ・ラモス(ダニーの弟)
トリスタン・ウヨア、、、フィリペ・ガンダル(ダニーの叔父)
エンリケ・アルセ、、、ヴィセンテ(ダニーの父)
フレイザー・ジェームス、、、ディーン少佐(サラの友人)


わたしは、過去にターミネーターを観た覚えはあるのだが、なんせ癖の強いキャラだし、何も書いていないことに気付く。
1と2くらいは観たはずだが、きっと全部は観ていないのかも、、、。これでシリーズ幾つ目なのだろう、、、。
ターミネーター、ターミネーター2、ターミネーター3、ターミネーター4、ターミネーター:新起動/ジェニシス、ターミネーター:ニュー・フェイトの本作となるみたい。本作は『ターミネーター2』(1991)の続編となるようだ。ひえ~何年ぶり~。
5つも前にあり(直接的な繋がりは無くとも)、観るかどうか分からないが、前向きに検討したい(政治家か(爆)。

Dark Fate002

T-800 が何で年老いるの?サラは分かるが(良い歳のとり方だ。とてもクール)。
またヒロインが可愛らしい。とっても小柄だが一生懸命なところが好感持てる。
そのボディガードとして送られてきたのが「ブレードランナー2049」でもやたらと強かったマッケンジー・デイヴィスである。熱演だった。
監督は本作を失敗作と評価しているとのことだが、わたしは充分面白かったが。これだけ観る分には。
(シリーズの流れに置いてそう評価しているのか。ジェームズ・キャメロンにいたっては、シュワルツェネッガーを使ったのが間違いみたいなことを謂ってるらしい。それを言っちゃあおしまいだよ(爆)。

Dark Fate003

確かにシュワルツェネッガーは顔がカールおじさんみたいで、牧歌的な雰囲気にはなっていた。
何だか普通のアメリカ人ぽいではないの。
わたしはカールではないがポテトチップスをお供に観ていたが悪くない。
何と言っても、導入のシーン、サラの息子ジョンがT-800 に殺害されるところは全てCGだと。
力入ってますなあ。

それ以来彼女はT-800に対する憎しみを燃やして生きて来た。
ターミネーターが時空の裂け目から訪れる度にその座標を送って来るメールがあり、必ず末尾に「すべてはジョンの為」とある。
サラはそこに直行しターミネーターバスターをやって来たという。
そのメールも誰からかは、勘が働くはずだが、、、。

Dark Fate004

Rev-9は、分身の術もあり、とってもねちっこく強い。分身で更にねちっこさが倍増するではないか。
良いアイデアだ。感心した。あの液体振りも更に磨きがかかって健在。
ターミネーターはこの究極の粘着気質で無敵の力を発揮する。
(やはりしつこい奴は相手をげんなりさせる。ホントにいるはこういうの、退治してもらいたいわ((笑)。
グレースはサイボーグではなく、強化人間なのね。強い人間ということ。しかし無理があり直ぐに電池切れとなる。
瞬発力が命と謂う、面白い設定だと思う。
彼女と Rev-9のアクション~ラフファイトは迫力充分で見応えあった。 
そこに貫禄十分のサラコナー。
カールおじさんが頑張る。

Dark Fate006

アーノルド・シュワルツェネッガーが出なければ、渥美清の出ない寅さんみたいになるのではという懸念もあるが、ちょっとアクションものとしては、きつくなってきているような、、、。ブレードランナーのハリソン・フォード と同じく、、、。
ただ立場上、引退してご意見番(御隠居)で登場と言う訳にもいかず、、、そもそも年取る必要もないはずだが、実際問題として仕方ないし。
CGで全て乗り切るのは無理だから、ここのところは悩ましい。
続編は流石にないのでは、と思うが、あればもう彼と彼女は微妙ですな。
生きの良いナタリア・レイエスが出て来たので彼女がそのまま引き継げばよいし、強化人間のマッケンジー・デイヴィスはキレッキレに動けるので(ナタリアが小柄な分体格も良いし)、この次に再登場しても充分イケると思う。少女時代のステファニー・ギルもとても感じが良い。

Dark Fate007

まあ、キャストは皆とてもよかった。
カールおじさんも力強いし頼りがいは相変わらずある。だが重みは気になる。
ガブリエル・ルナはピッタリ嵌り役だった。
現状を変えるために過去を改変しに凄まじい刺客が送り込まれるという物語にジェームズ・キャメロンがどれ程入れ込んでいるかで、今後が決まると思う。
やはり粘着気質でやり続けるぞ、というならナタリア・レイエスとマッケンジー・デイヴィスを軸に、カールおじさんの代わりに人間ぽくなったRev-9が愛想よく再登場、、、ではコメディか。彼はちょっと悪者から抜けるのは無理か。
でも、主役交代は必要になるな。

ということで、これまでの「ターミネーター」をしみじみ観たみたい。1と2は観ていたはずだが。

Dark Fate005

本作はカーチェイスは勿論、飛行機の中でのスリリングなバトル、上空から水中まで急転直下のアクションも含め、とても動きの激しい映画であった。しかもダニーとグレースの絆、カールとサラの確執などドラマもしっかり出来ていて、なかなかの感動作にまとまっていた。これ失敗作はないだろう。
ただ、もう一般大衆が「ターミネーター」を求めていないのかも。出来が悪い訳では決してないと思うのだが、、、。
やはり続けるならカールおじさんは引退か。
アーノルド・シュワルツェネッガー最後の「ターミネーター」としてなら、推したい。




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バトル・オブ・ブリテン 史上最大の航空作戦

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Hurricane
2018
イギリス、ポーランド


デヴィッド・ブレア監督
ロバート・ライアン、アラステア・ガルブレイス脚本

イワン・リオン、、、ヤン・ズムバッハ:( スイス系ポーランド人エース・パイロット)
マイロ・ギブソン、、、ジョン・A・ケント (カナダ人エース・パイロット)
ステファニー・マーティーニ、、、フィリス・ランバート:(女性兵士)
クリシュトフ・ハーディック、、、ヨゼフ・フランチシェク(チェコ人エース・パイロット)
マルチン・ドロチンスキ、、、ヴィトルト・ウルバノヴィチ(ポーランド人エース・パイロット、中隊長)


スピットファイアvsメッサーシュミットとあるが、”Hurricane”なのだからHurricaneではないの?
説明が違う。ハリケーンVSメッサーシュミットか。
何故かハリケーンが圧倒的に強い、ように描かれる。
今一つ臨場感が欲しいところ。この映画の力点は別にあるのだが。
飛行機そのものの描き方が、「ダンケルク」とかから見るとちょっと解像度が低いような。
もう少しVFX頑張ってほしかったところ。

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ポーランドはとても地理的にも大変な苦難を経て来た国である。
ドイツ軍にあっという間に撃破されその後ソ連の侵攻により分割もされパリに亡命政府が出来る、、、その後も苦難。

ポーランドといえば、ショパンがまず頭に浮かぶが、、、。ただ彼は生涯のほとんどをフランスで過ごし活躍している。
小説家のスタニスワフ・レムは、やはりわたしにとっても、SF分野で大きい存在だが、タルコフスキーと大喧嘩していた(笑。
別にロシア人だからという事はないが、タルコフスキーもソ連から大変な迫害を受けていた側であるし。
あれは科学と神学の対立みたいな形になってしまっていた。
それから画家ではわたしの大好きなバルテュスとタマラ・ド・レンピッカがいる。
今やたらと思いつくのはこの辺だが、、、映画と関係ないので後日、、、。

彼らはポーランド人と謂うだけで野蛮人扱いされイギリス人の上から目線のもとで成果を挙げることで評価を得て行く。

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ここで恋愛も描かれるが、如何せんヤンは祖国~ソ連支配下に強制送還され、フィリスとは離れ離れとなることに。
連合国軍として大きな働きをしたにも関わらず、祖国に帰されたらスターリン下で迫害が待っている。
実際に処刑されたり投獄、強制労働に処せられたという。
彼らは自分たちの家族がドイツ軍に惨殺された恨み憎しみから闘っていたのだが、それが多大に連合国側に評価されるもイギリス国民の総意から追放となる。
結果的に使えるだけ使われて最後に排除されたのだ。

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出来ればヤンとフィリスがフランスあたり(またはアメリカ)にでも一緒に逃げるとか、そういう物語にでもしてほしかったが、、、
この映画は実話を描くというものである。
只管悲惨な噺だ。

ヤンたちの謂わば多国籍の形としては義勇兵か?が第303戦闘機中隊に編入し、大変な成果を挙げたのは事実だが、映画の中でかなりキャラの馴染んで来たパイロットが一人また一人と死んでゆくのは見るのも辛いところ。
ここが映画の力点であり、ここまで連合国側に尽くしたのに、最後は大変過酷な場所に追い出されてお仕舞というところである。
ハッキリと訴えたいメッセージがある。

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ただドイツに報復したい一念で闘っていた彼らが国を失い愛するものを失い翻弄されて地獄に落とされる。
この過程を描くメッセージは良く伝わるのだが、何故だか全体の解像度が低いのを感じるのだ。
何故だろう。
作戦~戦況分析の任務についている女性兵士3人がモデルみたいな人で他の兵士の憧れの的みたいになっているのも、妙にリアリティが薄まる。
何もこんな美人をここに揃えることもあるまい。
いやこれも史実なら仕方ないが、、、。

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空中戦も充分に尺を取られており、もう少しそこに入りこめれば、違った鑑賞体験になった気がする。
ややそこに鮮烈さが見られなかったか、、、。
最近の本物~現実より鮮明なハイクオリティVFXに目が慣れ過ぎている弊害もあるのかも知れない。
しっかりとメッセージは受け取れる価値のある作品だとは思う。
余りスポットの当てられない重要な部分を切り取った映画には違いない。

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とても抑制の利いた表現の良作と謂える。





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REDリターンズ

RED 2 001

RED 2
2013
アメリカ

ディーン・パリソット監督
ジョン・ホーバー、エリック・ホーバー脚本

ブルース・ウィリス、、、フランク・モーゼズ
ジョン・マルコヴィッチ、、、マーヴィン・ボッグス
メアリー=ルイーズ・パーカー、、、サラ・ロス
ヘレン・ミレン、、、ヴィクトリア
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、、、カーチャ・ペトロビッチ
イ・ビョンホン、、、ハン・チョバイ
アンソニー・ホプキンス、、、エドワード・ベイリー
ブライアン・コックス、、、イヴァン・シモノフ
ニール・マクドノー、、、ジャック・ホートン
デヴィッド・シューリス、、、カエル
ギャリック・ヘイゴン、、、デイヴィス
ティム・ピゴット=スミス、、、フィリップス長官


RED”は5月頃に観たが印象には残っている。面白かった。これも同じくらい愉快。
今回の続編もキャストは豪華。アンソニー・ホプキンスが悪い天才博士で出ている。これはまり役ね。やはり彼が出ると何やら全体の重みが増す。”ナイトシェード計画”とやらもリアルさが増す。核兵器らしい。

RED 2 003

3年後だから次の動きとしては丁度よいか。
ところで、カーチャ・ペトロビッチはあのまま死んでしまったのか、後で助かったのか、、、分からないが(モーゼズは大丈夫だとか言っていたが)。どうなのか。
マーヴィンならいくらでも生き返るから心配ないが。
本作でも最初にいきなり死んで葬儀まであげるのにピンピンして出て来る。
あの葬儀はどう見ても意味ない。

RED 2 002

何だか世界中の諜報機関にRED(特にモーゼズ)が狙われているそうな。
それを交わしながら、マッドサイエンティストのエドワード・ベイリー 博士のナイトシェードの起動を止めようとする。
相手が沢山いる上に手強い。
モーゼスは、組織~国家に忠実なカーチャ・ペトロビッチを仲間にし、ヴィクトリアが今回もこちらについてくれるのを確認し、最強の殺し屋ハン・チョバイも激闘の末、何とか仲間に引き入れる。
ヴィクトリアが仲間なら、イヴァン・シモノフも当然、手を貸す。
ヴィクトリアのスナイパー振りは今回も異次元(笑である。ヘレン・ミレンってこういうのがとても好きそう。
結果相当な戦力になるが、相手がFBIとかCIAとかMI6だけでなく、エドワード・ベイリー 博士である。
常に上を行く。やはりこういう役をやったらアンソニー・ホプキンスの右に出る人はいない。

RED 2 004

まあ、モーゼスも凄い。
手錠を掛けられたままでCIAだかMI6だか知らぬが重武装の拳銃をぶっ放す精鋭部隊を片っ端から周りにあるものを利用してやっつけて行く。この辺、ブルースリーもそうだった。
そして最後にボスのジャック・ホートンに追い詰められるが、葬儀をすませたばかりのマーヴィンに助けられる。
当然、モーゼスは彼に怒る。だがそういう人なので仕方ない。
ジョン・マルコヴィッチの惚けて飄々とした仙人めいたところいいなと思う。
カーチャも助かった姿が見たかったが、そこだけ気になったままで終わりであった。
彼女の活躍が少ないのだ。もっと見たいではないか。

RED 2 006

今回はサラ・ロスもパリで、素人ながら「カエル」相手にシトロエンでカーチェイスをしたり銃を発砲したりする。
キス攻撃もする為、モーゼスも気が気でない(笑。
「カエル」というワインに詳しい凄そうな殺し屋もキスで懐柔してしまう。
ともかく活躍する。しかし「カエル」は結局何であったのか今一つ中途半端な気がした。

パリに行ったりモスクワに行ったり香港やロンドン、、、とこういうアクションものは動きも激しい。
ハンなど自分のジェットで移動するのだが、モーゼスたちに盗まれ最後は空の彼方でホートン博士諸共核爆発で消える。
最後、ハンは全部で50億が(モーゼスの暗殺代含め)消えたことで怒りまくる。
もう承知しないぞと謂うとことだが、この続編はないため、ここまで(笑。
もうブルース・ウィリスで映画が製作できないのは、ちと淋しいが年から謂って潮時であろう。

RED 2 005

最後の最後で起動スイッチが入ったナイトシェードの解除が出来ぬままカウントダウンが進んでゆく。
もう爆発まで時間が無くサラが博士に人質に取られ絶体絶命となる。
ハンの自家用ジェットで逃げようとする博士のところにモーゼスはケースに入ったナイトシェードを持ち込む。
それを持って人質と共に降りるように言われ従う。
これで万事休すかといところで、モーゼスが素早く飛行機にナイトシェードだけ残し空っぽのケースを降ろしたことが分かる。
まさに手品師である。全く分からなかったし、博士にも気づかれないのは奇跡。
ともかく、この人たち凄すぎ。戦闘力と身体能力だけでなく、マジックも使う。
元がDCコミックから来ているだけの事はある。

RED 2 007

ともかくこのような愉快なお友達がいると楽しいだろうな。
面白いのは確か。




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トーマス・クラウン・アフェアー

The Thomas Crown Affair001

The Thomas Crown Affair
1999
アメリカ

ジョン・マクティアナン監督
レスリー・ディクソン、カート・ウィマー脚本

ピアース・ブロスナン、、、トーマス・クラウン(投資会社を経営の大富豪)
レネ・ルッソ、、、キャサリン・バニング(保険会社調査員)
デニス・リアリー、、、マイケル・マッキャン刑事(ニューヨーク市警)
フリッツ・ウィーヴァー、、、ジョン・レイノルズ(トーマスの部下)
マーク・マーゴリス、、、ハインリヒ・ヌーツォン(天才贋作画家)
フェイ・ダナウェイ、、、精神分析医
マイケル・ロンバード、、、ボビー・マッキンリー(美術館の職員)
エスター・カニャーダス、、、アンナ・ヌーツォン(ハインリヒの娘、父譲りの才能を持つ)
フランキー・フェイソン、、、パレッティ(刑事)


『華麗なる賭け』1968(スティーブ・マックイーン主演)のリメイク版。
邦題がそのままなので、好感を持つ(笑。

The Thomas Crown Affair002

エスター・カニャーダスをもう少し出して欲しい。
彼女が贋作描いているところなど、ちょっとでも。
他に出てくる女性はもう年輩の大御所ばかりで、貫禄だけは凄い。

主演のトーマスは名画をセキュリティ万全の美術館から盗むことを道楽にしている富豪。
スリルが欲しいのだ。そして絵の収拾がステータスにも繋がる。
別に絵でなくてもよいのでは(スーパーカーコレクションとか)?と思うのだが画廊もやっていて天才的贋作画家とも繋がりを持つ。
その画家がハインリヒ・ヌーツォンで現在収監されており、その娘のアンナ・ヌーツォンがトーマスに頼まれ贋作を描いている。
彼女も父譲りの才能の持ち主なのだと。
アンナ役がスーパーモデルもしているエスター・カニャーダスで、もう少し出番があっても良かった(笑。

The Thomas Crown Affair007

やはり何と言ってもモネの絵「黄昏」の上にアンナが水彩で表面上に贋作(ピサロの絵)を描いており、スプリンクラーで濡れたことで元の絵に戻るって、何すんだと思ったが、、、そんなことしたらモネの絵が痛むこと間違いない、、、そう簡単には済まない。
それからピサロを甘く見てるな。わたしは大のピサロファンだ。
だいたい水彩で油絵タッチは出せない。直ぐにバレる。出すとしたらアクリルとなろうが乾燥してしまい元絵は台無し。
それからメトロポリタン美術館ってクロワッサン食べながら絵の鑑賞出来るの?凄いね。

ともかくわたしにとって全く共感できない男女の愛の行方~逃避行までチャラチャラ見せられても面白くも何ともない。
音楽や演出が素敵とか聞いていたのだが、ちっともそうは思わないし、ヒロインがねえ、そんなに魅力的かしらねえ。
筋がともかくどうでもよい。
絵画泥棒と保険会社の調査員との恋って確か他の映画にもあったような、、、今思い出せないけど、、、。

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4人組泥棒が警備員に化け、ヘリまで用意して周到な計画で絵を盗みに入るが、あと少しのところで本物の警備員にバレ、捕まる。
そのどさくさに紛れてトーマスはまんまとモネの絵を盗む。
しかし彼にしても充分な計画なしに咄嗟に盗むのは不可能なはず。
4人組は単なる囮であったのだ。全てトーマスの仕組んだゲーム。しかし4人組だって逮捕されてはそれまで。トーマスは彼らに対してどういう条件~報酬を出したのかが気になる。
ただの捨て石でハイさよならでは、そのうち殺されるぞ。

The Thomas Crown Affair005

保険会社の調査員、貫禄十分のキャサリンが最初から大富豪の社長トーマスが犯人だと嗅ぎ付け纏わりつくところから恋に発展する展開だが、、、。
キャサリンはこの趣味に賭ける男の大胆不敵な魅力に惚れたのか、トーマスにしてみれば勘の良く気の強いやり手の彼女が周りにいる女性に無いものを持っていて惹かれたのか、、、。お互いに新鮮だったのかしら、、、刺激を求めるタイプみたいだし。
まあ、どうでもよいが。
キャサリンはトーマス宅の合鍵を作り不法侵入してモネの絵を取り戻したりするが、それは精巧な贋作であり彼が上手であることを知る。それで彼に対する拘り興味関心は只ならぬものへと、、、。
ルネ・マグリッドの『人の子』の山高帽の男がキャサリンの謂うように、トーマスを確かに連想させる。
そういう人物像に造形しようとしているのは分かるが、、、。

この頃、トーマスの身辺にアンナの姿がチラホラ見えるようになり、よりキャサリンは嫉妬に燃えトーマスに接近する。
この手の解説とかする気ないが(爆。その線でどんどん離れがたくなってゆく流れ。
もうグライダーに乗ったり自家用ジェットに乗ったりスポーツカーであちこち、、、仕事中のはずがゴージャスにバカンスを楽しむ二人、、、何なの。

The Thomas Crown Affair003

それで二人で一緒に何処かに逃げよう、金には一生困らないぜ、という事になるが、その前に美術館に絵は返しておかないとという事になる。何で?絵を盗むのが趣味なのだからもっと沢山既に持っているはずだし、それらはどうするのよ、と聞きたいところ。
で、あの酷いモネの絵の扱いである。油絵の表面はデリケートであり、描いた後、ずっと完全に乾くわけではない。
それはともかく、美術館の館内に警官を沢山配備して捕まえようと待ち構えるマイケル・マッキャン刑事たちだが、山高帽のアタッシュケースの男が夥しく現れ混乱は増すばかり。皆ルネ・マグリッドの『人の子』の男そっくりなのだ。

それで訳の分からなくなった場所からキャサリンは予め聞いていた時間に空港へとタクシーを飛ばす。
しかし彼には逢えず、彼の使用人?から盗んだ絵を渡されるが今更である。例の刑事に送るように空港の人に頼んで、飛行機に独りで乗る。
そして泣いているとちゃっかり彼女の後ろの席にいるでないの。
「泣くんじゃない、、、」とかって。
何なのよこれ、、、。いい加減にしなさい。

The Thomas Crown Affair006

ともかくわたしの世界とは、1ミリも重ならないのだ。
こういうファンタジーが好きな人にはコタエラレナイ映画なのだろうが、わたしには終始チンプンカンプンだったぞ。
ラブコメディファンには是非!




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タンク・ソルジャー 重戦車KV-1

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Tankers
2018
ロシア

コンスタンティン・マクシモフ監督・脚本
バレリア・バイキーバ脚本

アンドレイ・チェルニショフ
オルガ・ポゴディーナ
ウラディミール・エピファントセフ
セルゲイ・ゴロブチェンコ
オレグ・フォミン
バシリー・セディック
オレグ・フォミン
バシリー・セディック


徹底した戦車エンターテイメント。
これだけ戦車を描いてくれれば文句なし。
実話だそうだ。

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戦車とか出て来ると、ワクワクする。
ソ連の破格の指揮官がその部下と共にドイツ戦車と闘うだけの噺であるが。
彼の妻は天才的な戦車の修理兵であり、故障の絶えないKV-1重戦車には無くてはならぬ人。
妻が何とか直したポンコツ戦車で、計16台のドイツIV号重戦車を破壊する。
この功績から ソビエト軍最高の賞をもらったとか。
勿論、部下に犠牲者はかなり出したが。
英雄譚に部下の犠牲はつきものだろう。
戦争である。

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実話と謂うのだから、戦場で自分の隊に奥さんが派遣されてきたというのが凄いのだかどうなのか分らないが、修理の天才というのがとても心強い。
レコードを掛けるターンテーブルまで直してしまう(戦車から見れば軽いか)。

だが指示や命令に従わないが成果を挙げるやり手の主人公と衝突する真面目だが規則、規律一点張りの敵役(大尉)の、どちらも優秀だが性格が合わない者同士の確執。これをドラマにするパタン。あり過ぎ(笑。
何かと角を突き合わせるが、ひょんなことで善きライバルとなる、とか鉄板過ぎる噺がここでも。
どうにか小生意気な主人公を潰そうとするのだが、サッカーを皆でしたら、何だか蟠りが解けてしまったみたい。
その後は励まし合うような仲間となる(笑。スポーツの力は凄い、、、のか?

実話と言われると変な感じがするが、、、別にホントにあっても良い噺ではあろう。
アメリカナイズを感じるところではある、、、(こういうのアメリカ映画にはよくある)。

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ここではドイツは徹底して単なる敵でしかなく、ドイツ兵など、紙っぺらくらいの描き方であった。
戦争映画などでときに両者を葛藤する人間として描くものもあるが、ここではソ連兵だけが喜怒哀楽をもつ人間である。
(最後、主人公の戦車を破壊したドイツ将校に人間的な感情~焦りと迷いみたいなものを演じさせたところはあったが)。

確実にドイツ兵の方が撃たれてポンポン死ぬ。
こちらは、撃たれたりするとドラマチックに死ぬのだ。
なかなか弾には当たらないし。
しかしかなりハラハラさせる演出であった。

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ドイツのIV号戦車が小気味よく走るのに比べ、ソ連のKV-1は装甲が厚く砲弾を跳ね返すくらい頑丈だが、その重量から駆動系統に問題が出易く故障が絶えなかったという。わたしが子供の頃よく作っていた戦車のプラモデルに「スターリン」があったが、これも余りに重く駆動系のトラブルやエンストが絶えなかったみたい。重戦車はやはり重さが難だったようだ。
但しスターリンはやたらと主砲が長くて如何にもという感じだったが、このKV-1は何だか小さくて威力があるのか心配であったが、かなりの火力でIV号重戦車をあっさりと燃やしていた。
しかしトラブルは頻繁にあったという。
映画でも修理ばかりしていて大変そうであった。この奥さんがいなかったらこの戦果は挙げられなかったはず。

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本作は、もうただの戦車戦であり、それを楽しむだけに絞り込んだ噺である。
実話と謂ってもそこだけを抽出したもので、他に妙な思想も何もない為とても潔い。
すっきりと観られるところが良いところ。

なかなか味のある部下が死んでゆくところが、惜しい感じがしたが実際にそうして亡くなってしまったのね、ということだ。
適度にハードボイルドな雰囲気での展開であった。
しかしニヒルでハードボイルドな主人公が急に奥さんと熱い誓いをして熱血みたいになるところは、やはり死を意識したからだろうが、ちょっとそこだけ、取って付けたような印象をもった。

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何も考えずに戦車を愉しむにはとても良い映画である。





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ドローン・オブ・クライム

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Drone
2017
カナダ


ジェイソン・ボルク監督・脚本
ポール・A・バーケット脚本

ショーン・ビーン、、、ニール・ウィストン(CIAの下請け会社のドローン操縦士)
パトリック・サボンギ、、、イミル・シャー(パキスタン人、家族をドローン攻撃で失う)
マクスウェル・ヘインズ、、、シェーン・ウィストン(ニールの息子)
メアリー・マコーマック、、、エレン・ウィストン(ニールの妻、浮気をしている)
ジョエル・デヴィッド・ムーア、、、ニールの相棒


CIAってドローンによる危険人物の殺害を民間下請け業者に委託してるの?
一般市民のいる街中で行われることも多い大変危険で危うい仕事である。
ホントなの?これが一番の驚き。

終始、不穏なトーンが基底に漂う映画。

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鼻歌唄ってゲーム感覚でいい加減な気持ちでドローンミサイル攻撃やられたら堪ったもんじゃない。
実際こうなの?
であれば、巻添を喰らって爆死した一般人はどうするの?
テロの阻止の為なら多少の犠牲も厭わないという事だろうが、これがより根強いテロを生むことに繋がる。
一般市民の生存権~人権の見地から許されることではない。

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まあ、ロシアなどは、民間人がいようがいまいが、市街をお構いなく絨毯爆撃しちゃうから、凄い対テロ効果があるとは言われているが、、、
なんせテロリスト~テロ組織は民間人を盾にして活動するから全て根こそぎ壊滅作戦をとるのだ。
確実に皆殺しにすれば、テロ組織は潰れる。
ある意味においてアメリカのやり方は中途半端なのかも知れない。
だらだら民間人を犠牲にしつつ、テロ組織も生きながらえさせている。
しかし建前の民主主義からまず絨毯爆撃は出来まい。

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イミル・シャーはCIAのドローン攻撃の関係者の情報をハッキングして、その日に愛する妻と娘を爆死させた操縦者を特定した。
(しかしCIAもハッキングした当人を素早く特定している。それほど簡単なのか、というより特定できるようなかたちでハッキングしたのか)。
イミルは、その人物ニール・ウィストンに暫く張り付いている間に、彼の妻の不貞も目撃する。
息子シェーンは難しい思春期の多感なお爺ちゃん子であった。
イミルの娘も生きていれば、彼と同い年の16歳である。

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そう、イミルにとりこれ程の理不尽はないのだ。

彼がウィストン家に祖父の遺品のボートを買いに来たのは、妻と娘の命日であった。
爆弾のスーツケースを持って来たと謂うが、中身は妻と娘の写真が入っているだけである。
イミルは爆弾を爆破させると脅し、ニールに家族の前で本当は何をして来たのか、自分の家族を奪ったことをも告白させる。
もはや復讐をしようがどうしようが、妻も娘も還らない。
彼は命日に敢えてニールに殺されに来たのだ。
それにより彼は罪悪感から内部告発せざるを得なくなる。

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キャストはとても自然に思えた。
特にイミルの心情には共感できた。その他のキャストの困惑と苦悩に対しても。
よく出来た映画だと思う
CIAと杜撰な下請け会社との関係はともかく、、、。



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ウェイ・ダウン

The Vault002

The Vault
2021
スペイン、フランス

ジャウマ・バラゲロ監督
ローワン・アターレ、ミシェル・ガスタンビデ、アンドレス・M・コッペル、ボルハ・グレス・サンタオラジャ脚本

フレディ・ハイモア、、、トム・ジョンソン (天才ケンブリッジ大生)
アストリッド・ベルジュ=フリスベ、、、ロレイン (ウォルターの配下)
サム・ライリー、、、ジェームズ (M16潜入スパイ、ウォルターチームの一員と見せかけ)
リアム・カニンガム、、、ウォルター・モアランド (チームのボス)
ルイス・トサール、、、サイモン (ウォルターの配下)
アクセル・シュタイン、、、クラウス (ウォルターの配下)
ホセ・コロナド、、、グスタボ (銀行の警備主任)
ファムケ・ヤンセン、、、マーガレット (M16の女性エージェント)
エミリオ・グチエレス・カバ、、、銀行頭取



「金庫室」
「way down」、、、?
凄い金庫があったものだ。。
ローッテックの方が凄い場合もある。
70年前に作られた金庫である為、現代テクノロジーからは想像の及ばぬ仕掛けが施されている。
その仕組みと構造を若き天才が読み解き、実際にお宝ゲットするお噺。最後にひと捻りあるが。

The Vault005

よく出来た映画だ。
ウォルター・モアランドはチームを組んで、フランシス・ドレークの財宝を隠した場所を記したコインを沈没船から30年かけて引き上げたのにそれがスペイン船であり、スペイン領海ということでスペイン政府に没収されてしまう。
世界一の安全性を誇るスペインの銀行の金庫室に保管されてしまうのだ。
その銀行の金庫を探り潜入する為、ウォルターは天才大学生を雇う。
彼にデータを基に分析を頼む(データ収集自体大変な作業であったが、分析は天才でなければ無理だった)。

The Vault006

実際に調べたらホントにこういう銀行があって、「シベレスの噴水」(マドリード)の地下 35 m にあり、金庫に何らかの重みが加えられると、測りの原理でスウィッチが入り、噴水の水が金庫室一杯になるまで流れ込むのだそうな。水攻めである。
つまり地下の測りの本体に重みを加えればもう水が一杯になったということで水も止まる。
センサーの無い時代、重みで作動するのだ。
トムは溺れそうになりながらその答えを出す。そして一時だけ測りの作動を遅らせる為、液体窒素を噴霧してもらった仲間に重みを出来る限り乗せるように頼む。使ったボンベを全部乗せたが水は止まらず、最後に彼の父親の形見のラジオを乗せると止まる。
(彼はサッカーファンで作業中もスペイン対オランダの決勝戦を聴いていた)。
ここは感動的なシーンである。

The Vault001

とてもハラハラした。充分スリリングであった。
サッカーの2010南アフリカワールドカップでスペインが優勝するその試合に乗じてお宝ゲットする噺であるためサポーターの数も半端ではない。これ実際の観客の熱狂のビデオだろうか、とも思えるもの。凄まじい熱気と興奮が伝わって来る。
普段は銀行に向けられているカメラがこの時間帯だけはスタジアムに向けられている。この1時間ちょっとの間に実行するのだ。

辛くも銀行から抜け出したロレインとトムは熱狂する民衆の中に飛び込み、スーツを脱ぐと真っ赤なサポーターのシャツ姿になる。
追手も追いきれないし、まさか後姿を見たからと言って群衆の錯綜するなかで拳銃をぶっ放す訳にもいかない。もみくちゃにされながら2人は逃げ切る。
これ同点で延長戦に雪崩れ込んだことで時間が足りた訳で、スパインの試合次第で決まった危ういミッションだった。
その意味でもホント、試合とのシンクロ率が高くスリリングだったわ。サッカーファンでもないのにテンション高まるのよ。

The Vault004

とは言え、ケンブリッジの将来を嘱望される若き天才が何で盗みに首を突っ込んだのか、その動機が今一つ掴みにくかったが、まあスリルを味わいたかったのか、、、。いやあ、石油会社の大手からは破格の高給と待遇で幾つもの誘いがあったにも関わらず、こんなチームに入るなんて、いつ将来を棒に振るかも分からないのに、、、石油漏れの海洋汚染を具体的にどのように解決したのかもちょっと示されても良かったのでは。
それまでの噺(父との就職を巡っての相談)では、人助けの事業にとても関心が深いことが分かるが、、、。
ウォルターも天才というだけでリクルートと謂うのも今一つ分らない。まあ彼の勘なのね。結局。
(確かサルベージ会社をリーダーは運営しているはず。深海を探るのは分かるが金庫破りにもやけに精通しているような)。

The Vault003

ともかく天才的頭脳で、これまで難攻不落の世界一安全な金庫からお宝を奪うことが出来たのだ。
ハッキングの専門家も凄い腕していた。並大抵のものではない。通常ならこの人が主人公だろうが、今回はハイテク相手ではない為、その現場で如何に飛び抜けた発想で問題解決が図れるかなのだ。
水泳~潜水の専門家はずっとチームに潜り込んでいたが(潜るの得意だし)MI6のスパイだったとはね。
わたしにはそんな発想なかったから、今更それはないでしょと思ったが。これは俺が貰うと言って横取りして潜水で逃げる。
そして得意になってイギリス大使館にそれを運ぶが、何と最後にどんでん返し。
たまげたのはリーダーがどのタイミングでコインをすり替えたのか、である。わたしには分からなかったが。
確かに偽コインを作らせていたシーンは見ている。
してやったりと思っていたマーガレットが地団駄踏んで悔しがる。


しかし勝ち誇っているウォルターチームが、その3枚のコインに示された印を分析するとまたもやロンドンの「銀行」なのだ。
ここの仕掛けも半端ではあるまい。
あんなに苦労して探し出した「地図」に示された在りかが又もや銀行はないでしょ。
何処かの山の中くらいにしてほしかった(もっと分かり難くなるか(爆)。
またやるのね。ロンドンオリンピックに合わせて。
もうしんどくてこちらは付き合う気しないわ。
続編あると思うけど、、、。
これは充分に面白かったが。


AmazonPrimeにて




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Ran
1985
日本・フランス

黒澤明 監督・脚本
小國英雄、井手雅人 脚本
武満徹 音楽
野村万作 狂言指導
ワダ・エミ 衣装

仲代達矢、、、一文字秀虎
寺尾聰、、、一文字太郎孝虎
根津甚八、、、一文字次郎正虎
隆大介、、、一文字三郎直虎
原田美枝子、、、楓の方
宮崎美子、、、末の方
野村武司、、、鶴丸
井川比佐志、、、鉄修理
ピーター、、、狂阿弥
油井昌由樹、、、平山丹後
加藤和夫、、、生駒勘解由
松井範雄、、、小倉主馬助
伊藤敏八、、、長沼主水
鈴木平八郎、、、藤巻の老将
児玉謙次、、、白根左門
渡辺隆、、、藤巻の老将
東郷晴子、、、楓の老女
南條玲子、、、秀虎の側室
神田時枝、、、末の老女
古知佐知子、、、秀虎の側室
音羽久米子、、、秀虎の側室の老女
加藤武、、、畠山小彌太
田崎潤、、、綾部政治
植木等、、、藤巻信弘


何と言うスケール。26億円制作費にかかっただけの事はある。
引きの光景が凄まじい密度の無常観に充たされていて、軟なホラーなど吹っ飛んでしまう。
流石は戦国時代。色彩~色使いもこの世離れしていて凄い。
宮崎美子はずっとロングで映されていたから顔など最後まで見えなかった(笑。それが良かった。
そして何より仲代達矢の狂気の目である。更に一挙手一投足が能や狂言にも繋がるような流れを感じる。
勿論、ピーターの狂言の舞は刺激的。ワダ・エミの衣装デザインにも目を奪われた。
音楽は、武満徹。確かに違った。単に大作映画というだけではない。

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「一本の矢は簡単に折れるが、矢を束ねたら折れない」と説き三人の息子にこの先を任せ自分は彼らの客人として引退して過ごすことを宣言する。丁度、城も3つあり仲良く協力して領地を治めてくれれば良しと思っていたのだが、、、
3男、三郎直虎は真っ正直に3本の矢の束を折って話の腰を折る。これが秀虎の癇に触る。
そしてダメ押しに真っ当なことをズケズケ進言するのだ。
結果、秀虎の怒りに触れ勘当~追放される羽目に。

一番目と二番目の兄はアホで性悪だったが、よりによって自分が滅ぼした者の姫を息子の嫁などに据えるから、そりゃ彼女がどんな陰謀を巡らせるか分かったものではない。秀虎の権力を無効化した上、生駒勘解由と小倉主馬助の2人の側近を抱き込んだのも楓の方である。この二人の息子など軽く手玉に取られているではないか。
基本、復讐しか頭にあるまい。この楓の方は信念が固まっており鬼より怖い(顔も怖い)。2人の息子を破滅に導き、一文字家も念願通り崩壊させるのだ(鉄修理に最期ばっさり切られるが本望であったはず)。
もっとも末の方のように仏の道に入ったひとは、信仰に身を委ね現生から解脱しこころ安らかに過ごそうとするが(弟の鶴丸は目を潰されているが)、結局彼女も楓の方の策謀により殺されてしまう。次郎正虎の正室に据えられていたが為に。逃げ場などどの領域にも無いのだ。これは狂阿弥の謂う通り。

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しかしこの一文字秀虎、凄まじい虐殺を続けて今の権勢を誇っているようだが、三本の矢よりもその生き様が子供たちの育成~学習に役立ったのは確かだろう。三男の三郎直虎だけは、心優しい男に育っていたが(彼の取り巻きが良かったか)。
また彼を見込んだ綾部政治、藤巻信弘の両戦国武将(大名?)はこの乱世に頼りとなる貴重な存在であったはず。
因みに三郎直虎は率直で誠実な人柄を買われ、藤巻家の婿に迎えられる(義父が植木等だ、きっと面白いに違いない)。
秀虎は長男、次男に見事に裏切られ、側近の2人の奸計にも嵌り、一時発狂したために命は拾ったが、自身の生涯における行いの罪悪感にも苛まれ文字通りの地獄を知る、、、。この男、意外に人を見る目のないことに驚く。

よくこれまでその側近も含め、2人の息子及びその配下がしっかりと大殿として支えて来たモノだと思う。
それまでは力を合わせ、というより秀虎の命令のまま従ってきたのだ。確かにそのカリスマ性は充分に窺える(仲代達矢だもん)。
こんな総崩れ現象はあるものだろうか。一気に相転換する臨界点に及んだのだ。
青天の霹靂というのも呑気なくらいの(急展開ではあるが何故か納得した)。

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何よりトリックスターのピーターの存在が面白い。しっかりモノを観ていて、危うくってトリッキーで命がけの芸人である。
平気で「この爺!」などと抜かす道化~外道スレスレに、時々癇癪を起すも彼がいないと活力も湧かないのは明らか。
ただ実際、なかなかいない、こういう貴重な存在は。だから普通はズンズン落ち込んで行ってしまい破綻となる例ばかり。
(わたしも狂阿弥が欲しい)。
この狂阿弥と平山丹後という忠臣は頼りとなるが、2人ともよく殺されることなく、ズケズケとものを言って生き残って来たものだ。
三男もそうであったが勘当された(笑。やはりそうした者しか信頼は出来ないものなのだ。
そして口先三寸で上手いことを謂ってその場を凌いでいる者はみな腹に一物をもっていて信用できない。
忠臣の最後の最後まで頼りになる平山丹後と謂う存在は特に有難い(秀虎は余り気づいていない)。

鉄修理という次郎正虎の側近もかなりの器の武将である。
しかし次郎正虎を担ぐのは些か軽すぎたか。まさにメギツネの楓の方の操り人形ではないか。
三郎直虎に付いた方が正解であったろうに。
戦国時代なら何でもありである。鞍替えなど日常茶飯事であったはず。
次郎正虎では展望ない。彼くらいの知者なら分かっていたはずだが。
あの稲荷の狐の件で唯一楓の方をやり込めた男である。

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そして何と言っても三郎直虎と次郎正虎との父秀虎を間に置いての駆け引き~合戦が大いに見もの。
この三郎直虎側の部隊長の采配・戦術と綾部、藤巻勢のバックアップである。
この圧倒的な軍勢と馬は、CGではない。燃える城、ホントに燃えている(リハーサルでも燃やしているのかしら、メイキングとか見たら腰抜かすかも)。よくもこれだけの物資を揃えたものだ。撮影まで何処に置いておいたのかも気になる。

この鉄砲を効果的に使った奇襲戦法に悉く潰され次郎正虎軍は大変なダメージを喰らう。しかもそのタイミングで綾部、藤巻勢が城に既に攻め込んでいるという。
もう絶対絶命。敗北は目に見えた。
楓の方は夫、太郎孝虎が鉄修理に撃たれ死に、今度は次郎正虎の正室に鞍替えして巻き返したが、元々夫は一文字家を滅ぼす為の道具に過ぎない。
勝とうが負けようが兄弟で潰し合わせるのが目的である。

勿論、秀虎が三の城で長男、次男の軍勢に囲まれ配下の兵を全て失う壮絶な戦いは悲惨さでは飛び抜けたものであった。
戦闘シーンや侍女の自害の惨たらしさは言うまでもないが、やはり仲代達矢の顔芸に尽きる。

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とてもニヒリスティックで皮肉なシーンが終盤。かつて3本に束ねた矢を折った三郎直虎を勘当し、その後悔に苛まれていた父秀虎であったが、漸く三郎直虎と再会を果たし、こころの底からの詫びを入れ、和解を果たす。
本当に父の事を思っていたのは、三郎直虎だけであったことを思い知る。久々にこころの和む秀虎であった。
これから父と子の噺をゆっくりしようではないかと、二人してにこやかに馬に跨り帰路に就くが、その途上で次郎正虎の放った鉄砲隊に狙撃され三郎は呆気なく馬から転げ落ちる。

常に付き纏う死。その呆気なさ。あまりの無常さに我を失う秀虎。
この絶望の淵で彼も絶命する。
そこへわが軍の勝利を喜び勇んで報告に来る三郎の参謀。
一同唖然とする中、狂阿弥は慟哭する。

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この世に神も仏もあるものか!と絶叫する狂阿弥を諫めて謂う平山丹後の言葉が絶望的過ぎる。
神も仏も悲しんでおられるのだ。、、、殺し合わねば生きてゆけぬ人間の愚かさは、神や仏も救う術はない、、、これこそが人の世なのだ。
確かにその通りだ。まさに人の世などそんなものだ。
うんと引いた絵に夕日の城跡に独り、帰ることのない姉を待つ鶴丸のシルエット。
(ハラっと落とす、姉に渡された仏の絵巻のショットはちょいと蛇足か)。

この結果、一文字家の人間は全て滅んでしまった為、領地は綾部政治と藤巻信弘に分割統治されるのだろう。
城は皆燃えてしまったが。
その炎と共に、仲代達矢の亡者のような半ば放心した表情が目に焼き付いた。


大分以前、一度TVで観ていたはずだが、今回初めてのような新鮮さを味わった。わたしが忘れっぽくなったからかも(笑。
これを観るとへたな映画を観る気にはなれなくなるな。
しかし一度は観たい。
映画の醍醐味が分かった。




BSにて




ナチス・バスターズ

The Red Ghost001

The Red Ghost
2021
ロシア

アンドレイ・ボガティレフ 監督・脚本・製作
ブヤチェスラフ・シクハリフ 、パベル・アブラメンコフ 脚本
セルゲイ・ソロビエフ 音楽

アレクセイ・シェフチェンコフ 、、、Red ghost
ウラディミール・ゴスチューキン、、、Ded(隊から逸れたソ連兵士隊長)
ユーリー・ボリソフ、、、プロスタチョク(途中で拾われたソ連兵士)
ポリーナ・チェルニショヴァ、、、ヴェラ(隊から逸れたソ連女性看護師、妊婦)
ミハイル・グレヴォイ、、、レーニャ(役者)
ヴャチェスラフ・シカリーフ、、、ポリトリク(隊から逸れたソ連兵士)
ウォリフガング・キャニー、、、ブラウン大尉
ミハイル・メリン、、、グンター(ブラウン大尉の若い部下)
ポール・オルリアンスキー、、、クレイン(ブラウン大尉の部下)
コンスタンチン・シーモノフ、、、コスーチャ(隊から逸れたソ連兵士)
オレグ・ヴァシリコフ、、、コーリャ(負傷兵)


最悪の邦題。邦題って酷いのが多いが、これは最悪。
オチャラケ映画かと思ったら、とってもマジな西部劇ではないか。
ハッキリ言って大変面白かった。
邦題で敬遠する人が必ずいるはずだが、それに惑わされることないように。

The Red Ghost002

西部劇のノリで愉しめる。
しかしこれがロシア映画だとすると、ちょいとアメリカナイズされているような気もする。
もうロシアン・ウエスタンと呼びたいくらいだ。
“赤い亡霊”と怖れられるソ連のスナイパーが今にもナチスに殺されそうになっている民間人を救ったりする。
銃の腕前も凄いが神出鬼没なところ、一匹狼であるところから、何者か特定できず伝説化してしまう。
ホントにいるのかどうかも分からないが危機に瀕すると突然現れ助けてくれ(たりす)る。
一人だからたまたま運のよい人であろう。
ロシア人役者は二度も助けられている。しかも二度目に助けられたのは、新しい“赤い亡霊”であり、2人の“赤い亡霊”に助けられたのは、この役者とその妻くらいではないか。彼は必ず倒したドイツ兵の肩章を剥ぎ取り何も告げずに去って行く。

The Red Ghost004

もう運は使い果たしたかも。
この時代(第二次大戦中)命が助かるだけでも良かったに違いない。
(役者として大成しなくとも)。
ナチスもこの役者に関しては微妙な姿勢で接していた。
何しろヒトラーのそっくりさんなのだ。殺していいのかどうなのか、、、だが総統がこんなところフラフラしている訳はない(笑。
殺そうとした瞬間に皆殺しにされる。クール!

The Red Ghost007

ちょっと面白いところはその辺だけで、あとは大真面目な内容だ。
だがシリアスかどうかと言われれば、こんな凄腕スナイパーがどうやって単独行動が出来ているのか、特に衣食住など含めそのあたりが謎ではあるがロシアなら土地勘はあるだろうし、あり得るか。
エンターテイメント的にみて、いて良い(笑。

そうそう、隊長の知り合いの農場に行くが、既に人は一人も残っておらず、食卓に美味しそうなご馳走と酒が用意されていた。
直ぐに食いつこうとするところを止められる。
これはドイツ軍の仕込んだ毒入り料理で、引っ掛かって既に10人死んでいるという。
やはり腹をすかしていればこの奇妙な不自然さでも引っ掛かるものだな、と思うが。このシーンも面白いところと謂えるか。

The Red Ghost003

赤い亡霊スナイパーはともかくカッコよい。
何処からともなくやって来て子供とかを救って去って行くヒーローと変わらないのだ。
しかも無口で敵の匂いを察知すると颯爽と出向く。
疲労混迷していようと、使命感があるのだ。

それに引き換え、ナチスの隊はかなり厳しい。威張り散らしているブラウン大尉が部下が止めるのも聞かず、ロシア風サウナ~バーニャに入るんだと駄々を捏ねる。そのお陰で、潜んで機を窺っていた隊から逸れたソ連兵たちと鉢合わせとなってしまい、銃撃戦となる。
一度は、ソ連兵が蹴散らしその後、産気づいたヴェラが無事赤ちゃんを産む。
だがそれにかなりの時間を要し、留まっていたことで、裸同然で(ワンピースを着て)逃げたブラウン大尉が圧倒的な兵力を伴い、報復に戻ってくるのだ。
ここで前回を遥かに上回る銃撃戦が起こり、ソ連兵もほとんど死に絶えるが、赤い亡霊のお陰で赤ん坊と母のヴェラは生き残った。

The Red Ghost005

ナチスの我儘で傲慢で残酷なブラウン大尉を仕留めた後で、これまた狡猾なその部下クレインに後ろから撃たれ赤い亡霊も絶命する。だがすぐさま、その後を継ぐ赤い亡霊となったコスーチャが彼を撃ち殺し、雪の中に消えてゆく。
”赤い亡霊”とは、たとえ死んでも誰かがそれを引き継ぐ存在なのだ。”赤い亡霊”とはそうしたもの。

再びナチスに掴り、幼い子供も人質に取られ、ボコボコにされ赤い亡霊に関する情報を聴かれる役者のレーニャ。
またも演技をした後で銃殺されかかると、新たな赤い亡霊がそいつを撃ち殺す。
今度は周りの民衆も一斉によってたかってドイツ兵たちに飛び掛かり皆でやっつける。
また助かったと抱き合い感激する役者夫妻。
幼い子が役者に問う「あの人が赤い亡霊なの?」3人は畏敬の念を込めた瞳で彼の後姿を見守る、、、。
少年が「ジェーン、カムバック!」とか言ってみてもよいくらいだが、赤い亡霊はあんな風に愛想は良くない(笑。

The Red Ghost006

戦争映画にはよくある妙なプロパガンダ色はなく、エンターテイメントに徹している。
西部劇と同じ次元で愉しめるロシア映画には今後も期待したい。

(わたしが一番好きなのはタルコフスキー(風)だが、贅沢は言わない)。




AmazonPrimeにて




”Bon voyage.”

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