愛欲のセラピー

Sybille
2019
フランス
ジュスティーヌ・トリエ 監督
ヴィルジニー・エフィラ、、、シビル(セラピスト、小説家)
アデル・エグザルコプロス、、、マルゴ〔マルゴット・ヴァシリス〕(女優)
ギャスパー・ウリエル、、、イゴール(俳優)
ニールス・シュネデール、、、エディト
ザンドラ・ヒュラー、、、ミカ(監督)
ロール・カラミー、、、エディス
ポール・アミ、、、エティエンヌ
アルチュール・アラリ、、、カッツ
「愛欲のセラピー」なんていう邦題にすればウケるとかこれを付けた奴は思ったのかね?
引くわ。アホが。ともかく下品で趣味悪。

つまりこのシビルという女性、自分が他人のセラピーをしつつ、自らもフラッシュバックで過去の恋愛体験などを咀嚼し自己セラピーも行っていたのね。
別れた彼氏ガブリエルとの恋でその時出来た娘もいる。
セラピスト続けていると小説書く時間が取れない。小説家としてやって行くことに決めたのだが。
セラピーは辞めようとしたのだが、どうしても切れないクライアントはそのまま継続して診ている状況。
そのなかのひとり、マルゴという売り出し中の映画女優の件は難航していた。
彼女は言い寄られた共演俳優と関係を持ってしまい、妊娠していた。
しかし彼女を妊娠させた俳優は監督ミカの彼氏なのだ。監督は彼との子供を欲していた。しかし監督よりも先に浮気相手との間に出来てしまったのだ。何でまたよりによって、と思うが、妊娠していたら撮影自体にも影響が出よう。
何でおフランスの人々は後先考えずに恋愛に浸るのだろうか、、、別におフランスに限らないが、、、。
ここで産んだりしたら女優生命も危ない。監督に殺されかねない。で、悩んでいた。
勝手にしろ、とわたしなら言い放つが(爆。
シビルもやってられないわ。という感じで、どうするか自分で決めなさいと突っぱねていたのだが、再三再四に渡り縋って来る。
現場でもどうにも演技に集中できなかったり、自殺未遂をして疾走してみたりで、撮影が予定通りに進まず混乱をきたしていた。
限界に来た監督に撮影現場まで来て、彼女を何とかしてほしいと懇願されては行かざるを得なくなってしまう。
未だこの時点で、手の焼ける新米女優マルゴが自分の彼氏の子供を身籠っていることは知らぬのだが。
相当デンジャラスな冒険ではないの、、、わたしなら絶対行かない。無理。
撮影場所は、孤島ストロンボリである。この場所わたしにも聞き覚えがある。確かイングリッド・バーグマンの有名映画のロケ地でもあったな、、、などと呑気に構えている訳にはいかなかった(ある意味当然)。

シビルはこの地でかなり上手くマルゴを演技に乗せ、監督を安心させついでに監督の悩みも聴き両者の信頼を得る。
そして監督がマルゴに業を煮やして、船上での恋愛シーンに呆れ海に飛び込み島に泳いで帰ってしまった後、シビルがマイクを付けそのシーンを残ったスタッフと共に撮ってしまう。この場面の出来に監督も満足。更に信頼を深めることに。
この監督も何とも言えぬが、、、。
この小説家兼セラピストも何と言うかマルゴと同様の体質なのか、おフランス人特有の恋愛感覚なのか、酔ったところで浜辺を歩いたらイゴールに誘惑され関係を持ってしまう。このイゴールこそ問題の種ではないの?
その件で悩み母娘関係でトラウマを持ってしょっちゅう拗らせに来る姉に電話で相談するのだが、例のマイクがまだ生きていて、撮影中の監督、スタッフに知れ渡ってしまうことに。
監督は呆れ、マルゴはもうぶち切れてホテルのシビルの持ち物を破壊して大暴れ。
彼女は直ぐに島から引き返す。
それから二年だったか、彼女の小説は発売される。
何とあの時のいざこざをもとに書いた小説らしい(大丈夫か)。
この頃にはマルゴとも和解しており彼女も買って読んだという。自分だと分る部分については嬉しいと述べていた。
もう当時の事は、対象化して整理したのだろう。
姉は読んだといっていたが、明らかに読んでいないことがはっきりしていた。ただの拗らせ女。

最後には「私の人生はフィクション。好きなように書き換えられる」とか開き直っているシビルであったが、、、。
幼い娘に「私、パパに似ている?」、「嫌いじゃない?」などと思いっきり切ない気持ちを味合わせて来たことを確認し、娘を抱き締めて終わり、、、。
何とも、、、そんな大した小説では無いなという事だけは分かる(笑。
主演女優はふたりともとても綺麗であった。
アデル・エグザルコプロスを久しぶりに観たが、もっと出番が欲しい。
U-Nextにて