さんかく窓の外側は夜

The Night Beyond the Tricornered Window
2021
森ガキ侑大 監督
ヤマシタトモコ 原作
相沢友子 脚本
山口由馬 音楽
岡田将生、、、冷川理人(霊を祓える男、元教団教祖)
志尊淳、、、三角康介(霊が視える男、冷川の助手)
平手友梨奈、、、非浦英莉可(父親の指示で「呪い師」をする女子高生)
滝藤賢、、、半澤日路輝(刑事。霊を全く信じない)
桜井ユキ、、、半澤冴子(半澤の妻)
マキタスポーツ、、、非浦松男(英莉可の父)
新納慎也、、、逆木一臣(英莉可の付き人)
和久井映見、、、三角則子(康介の母)
「霊が視える男」と「霊を祓える男」がタッグを組めば心霊ビジネスは上手くはかどるのでは。
そこに呪いをかける少女が絡む。
この三角関係があれば、ウハウハ儲かりそうではないか。

しかし三角康介はそういうのは好きではない。
非浦英莉可もそう仕向けられて苦痛に中でやっているようだ。
(この娘の立ち位置が今一つ分からずじまいであった。母が殺人犯に殺されてから能力が開花したようだが)。
冷川理人は自分が今置かれている状況を作った原因を無意識下に抑圧している。
(その為、自分がやっていることの意味が分かっていない)。
半澤日路輝は、幼い理人を全員が死んでしまった教団から救い出した刑事であるが、霊とか呪いを全く信じないと本人は言う。
とは言え、警察の未解決事件を冷川に相談に来て関係してゆく。非常に微妙な立ち位置にいる。
(霊を知り呪いに関わる人間からすれば、信じていない為、呪いに掛からないところが強みと謂うが、、、)。

人物造形がしっくりこない。特に非浦英莉可が謎過ぎる。
どうもそれぞれの人間が自分のことがよく分かっておらず、最後に冷川理人が自分の母を含め教団の者皆が呪いによって死んだことを鮮明に思い出すことにより、誰もが柵から解かれるみたいな流れに思えたが、何故だかよく分からない。
怨念を貯めた貯金箱が何故あの出来事に収斂されるのか。
その装置作りをやらされたと謂うが、何故これをやる羽目となったのか、人を呪い殺す経緯も分からないし、平手女史もやり難そうであった。とっても。
ハッキリ言って何が何だか、噺が追えないのだ。構造がまるでない。
だいたい霊など全く信じないと言う刑事が彼らの元に相談に来るのはやはりその力の存在を認めているからであろうし、、、。
滅茶苦茶な雰囲気オカルト系にしか思えない噺であった。
平手友梨奈女史、恐らく出た事後悔してるだろうな、と思う。

北川景子が物凄いチョイ役で出ていたのも気になった。
何故彼女が平手女史に呪い殺されるのか何も知らせなくてよいの?
説明を省いて出来事のみで物語を語る映画は沢山あるが、これはそれを全くしない。
そうした構造がないのだ。
ではどうやって物語を構築するのよ。
ちょっと変過ぎない?
U-Nextにて