ブラザーズ・クエイ短編集Ⅱ

Brothers Quay
1986
アメリカ
スティーブン・クエイ、ティモシー・クエイ 監督・製作
昨日、感想を書いてから本作を観て、更に新しい考えが浮かんだという事もない。
基本的に付け加える感想はこれと言ってないのだ。
なので、今日はあっさり行くつもり(笑。

以前観た時、ネジが同時に10本くらいそぜぞれ個性的に回ってポロポロ抜けてゆくのはどうやって撮るんだろうと思って観たことがある。
それから顔の疣を棒(腕?)で弄るのが何とも言えなかった。恐らく当時はそこが一番印象に残ったところだ。今回もきた~と思って観たが(爆。
「ストリート・オブ・クロコダイル」
神経に訴えるような描写は多い。
タンポポの羽とか氷の状態の逆回転映像とか。
音楽は基本は東欧現代音楽風が多いが、ヴォーカル入りのモノがあり、それはもうロックだ。
極めてセンスの良い静謐で無機的な。

ここでも頭の上半分の無い人形がせっせと仕事を進めている。
どういう作業なのか皆目見当がつかないが、変化に富んだ奇想天外な作業と言えるか。
頭が空っぽなら、何でも接続できる。そこが強みでもあるか。
(実際、映像でも綿を入れたり色々していた)。
「ろくなものが手に入らない。成就もなければ帰結もない」。というナレーションが入って終わる。
「失われた解剖模型のリハーサル」
触手みたいなものと素早く微動する眼球と額の疣を弄り続ける人形(笑。
製図道具やバーコードが生き物のようにリズムよく踊るように動き回る。
カメラ~撮影も終始動き回っていた。
昆虫の視界を垣間見るような視界、、、。

動きの速度が自在に変えられている。
しかしBGMはずっと抑えられた重低音の響く音楽。
「スティル・ナハト」
磁石の使い方が印象的。
こういう遊びをわたしもしていたことを思い出す。
そう、彼等の作品は少年期~幼年期の地層を刺激するのだ。
珍しく少女の人形が出て来る。
原初的なエロティシズムとでも謂えようか。
そしてヴォーカル付きのロックがとても魅惑的。
この音なら少なくともインディーズチャートのトップを狙えるレベルだろう。

性的な描写も出て来るが、気の利いたロックチューンに乗り何やら凝りまくったMVにも思えて来る。
昨日の作品集の方が多彩な要素と造形と動きが観られたが、やや大人しく感じた。
つまり昨日の映像の方が郷愁や何とも言えない焦慮の念に駆られたものだ。
わたしがうん十年(笑前に観たのがこれと謂うには、ちょっと物足りない気がしたが、今日の見方~コンディションの問題もあろうか。
昨日のモノの方がやはり面白く感じた。
ただ、ヴォーカル入りのロックは素晴らしい。

明日も3は観ておきたい。貴重な作品には違いない。観られるチャンスに観ておくこと。
それにしても、自分の中には漠然とした雰囲気しか残っていなかったことを確認した。
やはり記憶というものは、強烈な印象を伴う要素以外については実に曖昧なものになってしまう。
まあ、それでよいのかも知れぬが、、、。
AmazonPrimeにて