エルム街の悪夢2010

A Nightmare on Elm Street
2010
アメリカ
サミュエル・ベイヤー 監督
ウェス・クレイヴン オリジナル脚本
ウェズリー・ストリック、エリック・ハイセラー 脚本
ジャッキー・アール・ヘイリー、、、フレディ・クルーガー(悪霊)
ルーニー・マーラ、、、ナンシー・ホルブルック(高校生)
カイル・ガルナー、、、クエンティン・スミス(ナンシーの彼氏、高校生)
トーマス・デッカー、、、ジェシー・ブラウン(フレディの犠牲者)
ケイティ・キャシディ、、、クリステン・フォーレン(フレディの犠牲者)
ケラン・ラッツ、、、ディーン・ラッセル(フレディの犠牲者)
「エルム街の悪夢」一度観ておこうと思い、Wowowを撮っておいたのを観た。
これって凄まじく沢山シリーズ化されているようで驚き。
一つ観れば十分だと思うが。
噺が兎も角、単純で強引な脅かし系ホラーなのだ。

エルム街の高校生で、同じ幼稚園出身者が同じ悪夢に悩まされ、その果てに惨殺されてゆく。
その悪夢の中の殺し屋がフレディという右手に嵌めた鉄の鉤爪で相手を切り裂いて殺す火傷を負った男。
眠って夢を見ると決まって出て来る。怖くて不安で眠れたものではない。
これが最も苦痛であろう。皆睡眠不足で朦朧としていて凄い顔になっている。無理もない。
眠いのに眠れないなんて、余りに辛い。
夢の中はフレディのホームグランドであるため、完全に向うが有利。
何にしても夢の中で襲われたのでは、どうにもならない。
眠っている時は当人は全くの無防備であり、自律性も自立性もなし。
完全に受け身。
しかし夢の中、(無)意識の中にどうやって入り込みその肉体を殺傷できるのか。
殺す時には恐らく奴もこの世界に(他者として)一瞬でも現象していると受け取るべきだ。
(まさに夢か現かの世界だが)。

あちらでは、フレディには勝てないが、途中で覚醒してこちらのペースで引きずり込めば勝機はある。
詰まり相棒が傍にいて、眠っている相手が悲鳴をあげたら叩き起こして反撃するという作戦。
眠りから覚めたらフレディも消えてしまう場合もあろうが、夢~(無)意識空間から実体化して現実に引き摺りこめる可能性も高い。
実際にナンシーは、フレディに襲われたときにセーター(例の趣味の悪いやつ)の一部を引きちぎって持っている。
と謂うより観ていると結構平気でこちらの世界に侵犯して来るではないか(俺は現実にここにいるとか言ってるし)。
タイミングよくこちらの罠に嵌めるような形で連れ込めば、やっつけられそう。
かなりの賭けだが。他にこれと言った案もない?
フレディは生前、彼等の通う幼稚園の用務員であった。
5歳の娘や息子の様子がおかしい。身体に傷がある。子供に聴くと洞窟に連れて行かれた、などという状況とことばから察し、親は確たる証拠もなかったがフレディが我が子に危害を与えていると判断し、彼を皆で襲い納屋に逃げ込んだ所で火を点けて焼き殺す。
親たちで口裏を合わせ、フレディは街から逃げたということにした。
そして時が過ぎ、こういう展開となったみたい。思春期になるまで待ったという事なのか?
確たる証拠もなく冤罪で焼き殺したかも、過剰反応だとナンシーとクエンティンは、親にたてつく。
そして実際に今は廃園となっているフレディの幼稚園用務員室を探りに行くと、実際に園児から観れば洞窟に見える場所を探し出す。そこには、フレディが悪質なペドフェリアであったことがはっきりする証拠が沢山あった。
(ならば、自業自得とも謂えるところだが、どういう理由~動機で襲ってくるのか。この悪霊に罪悪感など微塵もないことだけは確かのよう)。

この後は、特にこれと言った特筆すべきバトルという程でもない闘いをして、フレディを倒し焼き殺すのだが、警察と消防の入った段階で、フレディの遺体はない。
すでに大昔に焼き殺されていれば、遺体のある方が変。
そして今度は、ナンシーの家の鏡から現れ彼女の母を襲った(これは全く新しい手法である)。
鏡を行き来する扉に使われては、ますます難敵になるはず。
まあ、続編が出来るのならナンシーたちは大変であろう。
わたしにとっては他人事である(こういうハッキリ割り切れる映画とこちらにも地続きの作品も映画にはある)。

「ソーシャル・ネットワーク」は本作と同年であるが、後に「サイド・エフェクト」、「マグダラのマリア」、「キャロル」等で確固たる存在感を示すルーニー・マーラの初期の頃の主演作である。
ここでも片鱗は窺えるが。
WOWOWにて