still dark

2019
髙橋雄祐 監督・脚本
髙橋雄祐、、、ユウキ(視覚障害、見習い)
小谷けい、、、ケンタ(料理人)
永田健、、、イタリアンレストラン料理長
短いものを探して観ただけなのだが、、、

フレッシュナポリタン、そんなに旨いのか?
年越し蕎麦と天麩羅たくさん食べた後だが、とても食べたくなった。
だいたい、一度食べて旨いからまた来ようと思うことはあるが、雇ってもらおうというのは、無い。
だが、視覚障害のユウキはレストランの料理長に何が何でもここで働きたいと直談判。
凄い情熱が認められ、1か月間の見習い研修を勝ち取る。
後は、その期間にどれだけ技術を習得できるかだ。

明るく気さくで特別扱いはしないが、細やかな気遣いの出来る同い年の先輩にあたるケンタに支えられ、楽しく時を過ごす。
店内で禁じられている煙草を吸ったり、冗談やケンタの音楽の趣味で盛り上がったり、終電近くまでケンタがユウキの練習に真剣に付き合ったり、、、。
そして厳しく言葉は少ないが、しっかり見守っている料理長。
このふたりに謂えることは、他者への愛情が基調にあること。
(あの、3人で写真を撮る場面。わたしも写真はここ10年、娘しか撮っていないが、同じ気持ちを感じる)。
であるから、いくらふざけようが厳しいことを言おうが、ユウキを暖かく包む力となっている。
ユウキを奮い立たせる力となっている。
きっと、いや間違いなくその料理~フレッシュナポリタンにもその力が宿っているのだ(料理にそれは一番現れるもの)。
だから美味しく、人気もあり、ユウキも先輩のケンタもそれを食べてこの店で働きたくなったのだ。
それは間違いない。

いつから、共同体は他者を貶める空間に成り下がったのだろう。元々がそうであったのか。
何故、こんな不快極まりない空気を熟成させたのだろう。
更に加速しているようにも受け取れるところがある。
この映画の空間は澄んでいて、とても気持ち良く優しい。
それが酷く貴重なものに想える。
(映画でしか実現できない虚構世界なのか)。

ここでは”still dark”であっても、確実に前に進める。
どうであろうが、希望しかない。
(質の良いSFを観た気分だ)。
スッキリとまとまり、短編映画である良さを感じる。
今 クロエ・グレース・モレッツ主演の「ペリフェラル ~接続された未来~」を観始めているが、いつ見終わるか分からない。
1話が1時間10分くらいの8話ものだ。
とてもこってりした、分かり難い錯綜した内容で、登場人物がやたらと多く、誰が誰だか名前も顔も覚えきれない噺(苦。
そう遠くないうちに感想まで漕ぎつければと思う。
AmazonPrimeにて