
小野不由美の本は何冊か読んでおり、読み応えがあったため、これも観てみた。
ファンから届いた手紙を紹介するという形式で物語られるオムニバス。
噺はとても低周波なものばかり。周波数が合って遭遇したのね。そういう感じ。
ナレーションが竹内結子さんであった、、、。
2015年に放映されたものだ。確かに久保田紗友が若過ぎる。
オープニングに何やら冗談みたいな噺~心霊スポット巡りみたいなのがあったが無視して、、、
(余りの下らなさに呆れてものも言えない)。
影男
kさんは急な仕事が入り子供たちを母に預けた。
母親が子供たちを寝かしつけたが、いつしか自分も眠り込む。
大きな音でハッと目覚めると、、、。
それはサッシを破るほど強く叩く音なのだ。驚いてその場へ行くと、何やら黒い影が叩いている。
唖然とする彼女の背後にその真っ黒い男はいつの間にか立ち、いきなり首を絞めてきた。
凄い力で締めてくる。が、突然の電話の音で悪夢から現に戻った。
.電話口で気づくと大量の鼻血が出ているのだ。
その夜、母がKにそのことを話してコーヒーを飲んでいると、二人の前に母が昼に見た悪夢が現実に襲い掛かって来た。
怖くてふたりともその音のする場所には行けなかったという(つまり少し待ったら音も無くなったということか)。
尾けてくる
Sさんからの手紙。
雨の中、女子高生Sさんが家に帰る途中、公園で傘をささず突っ立っている男を見つける。
気味が悪く途中で会った近所の人に変な人が公園にいることを告げるが、それは、首吊りであった。
そこから走って家に帰るが、玄関先でその男を幻視する。
三年後、上京して大学生活をしているが、その男の幻を度々観てしまう。
作業服の人を観るとその男が重なるのだ。トラウマだね。
誰かに重なるのではなく、ただ動かずに立っているだけの人がいる、ことが気になると言う。
それは幽霊でしょ。
一緒に見ていた
事務員が自殺した学校でのこと。
ある男性教員が男女関係をもった女性であったらしい。
所謂痴情の縺れによる自殺か。
自殺現場は、他の先生や教頭も目撃しており死体を降ろし救急車にも連絡を入れたが、それとは別に校庭や教室にもその女がフラフラしている。生徒とぶつかったりと、物質的属性を保って現象しているみたいに窺える。何なんだこれ、という感じ。
赤い女
Aさんが見たという不気味な赤い女の噺。その話を道すがらNさんにする。
今日は親が帰らないから家でパーティーをやろうという友達の誘いで行くとAのバースデイパーティーのドッキリも仕組まれていた。
充分盛り上がった後で、怖い話をしようと言うことになり、Nさんが聞いた通りに赤い女のことを騙ると彼女が怒ってホントにカツンカツンと歩いて来るという噺をする。皆適度に怖がるが、そのマンションにそれがホントに現れる。
皆怖くなって泊まらずにめいめいに家に帰ることになった。
NにAの謂うには、女に憑かれても噺をすることでそれを離し、相手に押しつけることが出来るのだと言う。
呪いのビデオみたい。もう私たちは話したから大丈夫、と高をくくって歩いていると、車の陰から現れた赤い女にAが襲われる。
それを佇んで観るN。他の仲間も皆襲われていた。それでどうなったのか(笑。
空きチャンネル
Y君のラジオに怪電波が入る。所謂空チャンネルにきまって不気味な声が入って来るようになった。
女の声でドロドロした呪い~愚痴の噺をするのだが、それが面白くなり聞くのが病みつきになる。.
いつからか会話が成り立つような気がする程、自分の内面と通じてくるのだ。
観る人が観ると彼はその声の主にとり憑かれていた。
ラジオ電波を通じてとり憑くタイプの悪霊。
彼は自分の部屋で自殺していた。向こうの女性のところに行ってしまったのね。
もっとよく噺が聴ける。
どこの子
Iさんからの手紙。
夜遅くまで残業で仕事をしている教師の前に、、、
白塗りの小学生の赤いスカートの少女が先生をおちょくるように出て来る。
怒って校内を追いかけるがその少女の顔を見て、ご免なさいと逃げ惑う。
明らかに顔が悪霊なのだ。
この悪霊、途中で車に乗って帰った教員が学校に忘れ物の電話をしたところにも出て来る。
最近?の悪霊は電波にのって何処にでも同時に現れるのか。
まあそれで何なの、というもので、ただ教師が二人怖がるばかりの話。何なんだ。
続きをしよう
Nさんからの手紙。
お墓で遊んでいると、一人の子が結構酷い怪我をする。
祟られたと言ってみんなやんやと受けまくる。どういうガキどもだ。
そのまま遊ぶが墓石が倒れてもう一人が酷い怪我をする。
だが、そのまま遊び続け、、、次々に怪我をしてリタイヤするが残った子で遊ぶ。まったく学習能力のない子供たち。
誰もが皆、血だらけになって帰って行く。皆かなりの傷を負い。
だが最後の一人までサヴァイヴァルお墓遊びに興じるのだった。
たった一人残ったK少年の前に、明らかに悪霊以外の何ものでもないモノが続きをしようとやって来る。
そこで何が起きたのか、、、。
後日、一緒に遊んだ子供たちと彼との間でその件については触れないことが暗黙の了解となっていた。
どろぼう
Tさんからの手紙。
子だくさんの奥さんの様子がおかしいと、、、。
おめでたなのと聞くと、ただ太っただけよと返すが、明らかに懐妊の体形としか見えない。
しかしその直ぐ後、お腹はぺちゃんこに。
近所の誰もが噂をする。
そんなとき、Tさんの前に観慣れない男の子が現れ、まあちゃんを泥棒が溝に流してしまった、と訴えかけるのだ。
その幼い子の噺が気になり、その奥さんに確認するが、お腹は卵巣の病気で薬飲んだら引っ込んだと言う。
まあちゃんは元気なのですか、と聞くと平然と元気よと答える。
Tさん、それから溝が怖くなったという。胎児の流れてゆくイメージが離れないのだ。こういうトラウマもあるのだ。
密閉
Kさんからの手紙。
彼女は元カレの置いて行った荷物でイラついていた。
それにクローゼットがいつの間にか開くことが不気味で気になっていた。
いつも自然に空いているのだ。うちの人形入れてあるガラス箱もよく扉が開いている。
何でだろうな。気にしたことないけど。普通そうだろう。
この噺みたいに貞子みたいなのがクローゼットから出てきたら気になるわな。気になるどころではないか。
直ぐに元カレに電話して荷物ともども彼が拾ってきたクローゼットの中にあるスーツケースも持ち帰ってもらうことにする。
するとこの彼、段ボールの中の荷物をスーツケースに入れて運べば楽じゃんと謂いスーツケースをこじ開けようとすると、中から例の貞子の親戚が出て来て彼をスーツケースに引っ張り込んでしまった。
元彼女はニンマリしてスーツケースをテープでぐるぐる巻きにしてゴミ置き場に出してしまう。
一度に両方片付いたのだ。そりゃ、にんまりするわな。
しかし他の噺が「赤い女」以外どれも気の持ちようというレベルの噺であるが、これについてはまるで貞子である。
厄介な元カレが引きこまれたスーツケースをゴミ出ししているのだ。
この噺だけはっきり物質的基盤のある次元の異なるホラーだが。
まあ、それにしても安易で何の捻りもない詰まらぬ話ばかり、何なんだろう。このレベルの低さ。幻滅した。
小野不由美のネームバリューに騙された。
今後気を付けたい。周波数が下がったときに観たことは確か。
怪奇蒐集者 黄泉がたり 村上ロックより抜粋ホラーを超えてはいるが、このレベルの噺を待つ。
今日観たモノより一億倍面白いし興味深い、知的興奮を呼ぶものだ。
WOWOWにて
結局、お子様用スタディパソコン買う (02/20) の”mouse E10”