エンドレス・エクソシズム

The Possession of Hannah Grace
2018
アメリカ
ディーデリク・ヴァン・ローイェン監督
ブライアン・シーヴ脚本
シェイ・ミッチェル 、、、ミーガン・リード(元警官、霊安室の警備員)
スタナ・カティック 、、、リサ・ロバーツ(ミーガンの親友、看護師)
グレイ・デイモン 、、、アンドリュー・カーツ(警察官、ミーガンの元カレ)
カービィ・ジョンソン 、、、ハンナ・グレイス(悪魔に憑依された少女)
ニック・スーン 、、、ランディ(病院の警備員)
ジェイコブ・ミン=トレント 、、、アーニー
マックス・マクナマラ 、、、デイヴ(遺体搬送業者)
ルイス・ハーサム 、、、ホッブズ神父
実の父が、悪魔に憑依された娘を窒息死させるしかなかったというところは身につまされる思いであったが、、、
何と言うか、出だしで全てが見通せる内容になってしまっている。
こうしたホラーもあるのか。
見通しが持てない方が怖くはないか。

霊安室で遺体の確認をする仕事に就いたミーガンは、警官時代に相棒を犯人に射殺されており、そのトラウマからアルコールと薬に依存してきた。
就職時にはもう3カ月それらを絶ってきたが、この遺体に関する異常を感じ、周囲に相談するたびに、依存症から来るものと疑われてしまう。
この辺は、主人公が孤立し、周囲が事態の異常になかなか気づかずに進行してゆくホラーならではのものか。
疑心暗鬼は不穏な雰囲気を作るには大切な要素だ。
主人公自身、自らを疑ったりもする。
だが、院内の防犯カメラを確かめるうちに、尋常ではない事態が起きていることを確信する。
それにしても死んだ女が這いずり回っていることが確かめられたからと言って、自分が正しかったと喜ぶ気にはなれまい。
その不条理にどう対処するかだ。
だが、不条理は日常に幾らでもある。特殊な出来事を仮構せずとも。

それにしても、このようなエクソシズムものがよく作られる欧米だが、多少なりともこんなことが起きることがあるのか。
ヒステリー以外に具体的に起きたという例は、ほとんど耳にしない。
何か象徴的なこととして描いているのか。暗喩的に。
確かに彼女は悪魔のような女だ、よりも彼女は悪魔だ、と言い切って何をか語った方がイメージ喚起力も高い。
怖さもいくらでも膨らめられる。やりたい放題のホラーにもなる。
しかし何でわざわざ悪魔を介してホラーを作る必然性があるのか。
普通の人が一番ホラーなのだが。
何と言うかこういった作りのモノは悉くチャチに感じてしまうのだ。
もう、冒頭からそうだった。既視感も半端でないし。
少女が怖い顔してウオ~と吠えて、、、神父が飛ばされて。

人を殺すたびに自らの体の損傷個所が治ってゆくところは面白い。
日本の貞子みたいなコキコキした動きなども欧米物としては新鮮味はあったか。
検視官ではないが、遺体の損傷が無くなってゆくのは明白であり、不気味でしかない。
悲惨な惨殺体で送られてきたハンナ・グレイスが完全体に近づいてゆく。
悪魔の力もフルに発揮されてしまうのか、、、
という危機感と不安は盛り上げていた。

見せ方、演出でどこまでいけるかというレベルでこの先、頑張ってゆくのか、、、
怖いもの見たさの需要はあるにせよ。
もうこの手のものは、いいでしょ(エンドレスでやられてもねえ)。
怖いものは身近に幾らでもあるのだから。
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