3連作画を描く

漸く新築祝い用に描いた3連作の絵が仕上がる。
一つのキャンバスはF6ほどのもの。F4も用意してある(F0も試したが小さすぎて見送る)。
まず一つの画布に運動の方向と強さを任意に決めた線を走らせる。カスレもしっかり残す~活かす。
その後から、空間を規定する面を滲みぼかしつつ塗り込んで行く。補色より線の強弱を有効に使った。
この時、余白を忘れない。描きたいのは余白という奥行きだったりする。
事後的に確かにそうなった。連想しやすいのは空の白雲だが、あくまでも平板な白には相当な強度の分厚い空間が固定された。
それが3つ。それぞれ自立しているが、相互に微妙に関連し合う形で最終的にはほぼ同時に仕上がる。
かなり複雑な運動と面つまりは場所に他ならないタブローが出来た。
その際に、そこから派生した他のパタンを試したものがあり(残った絵の具が勿体ないこともあり)、今そのパタンの3連作画を描き進めている(アクリル絵の具は乾いたらそこまでで終わる絵の具の為)。
これは、へたをすると止めどなく出てきそう、、、体力が問題であるが。
途方もない並行世界が存在するように。
マルチバース~気が遠くなるようで、とても親近感もある。
われわれはやはり何らかの形で飛びたいのだ。
違う場に。ここにいながら、そこに。
それを妨げるものを悉く破壊し尽くし。
3連作というのが面白い。
これまで一枚単位の絵しか描いたことがないこともあり新鮮な感覚というだけでなく、創作の自由度が飛躍した。
何と言うかとても手頃な範囲~組み合わせで多様性の試作が出来る。
とても狭い範囲で、秘密裏にこそこそと、違う場所に接続する。
絵を描くことの目的である快感と快楽の境地。
但し、どうだろう。
これを持って行って見せられた人は果たして何を想うか、、、。
今更ながら、そんな当たり前のことを漠然と思う。
