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GOMA28

Author:GOMA28
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ゴーストランドの惨劇

INCIDENT IN A GHOSTLAND001

INCIDENT IN A GHOSTLAND
2019年
フランス,カナダ

パスカル・ロジェ監督・脚本


クリスタル・リード、、、ベス(妹)
アナスタシア・フィリップス、、、ヴェラ(姉)
エミリア・ジョーンズ、、、10代のベス
テイラー・ヒックソン、、、10代のヴェラ
ミレーヌ・ファルメール、、、ポリーン(母親)


題名は作家志望の妹が自身の怪奇体験談を執筆した本の題である。
自分がその災難に遭っている最中に夢想の中に退避して書いたものと謂えるか。
(ラブクラフトに称賛されていたりして、つくづくめでたい)。

この監督の映画は以前、「MOTHER マザー」というのを観ている。
何とも言えない映画であった。

INCIDENT IN A GHOSTLAND002

これは、お化け屋敷映画である。
筋立てがどうのというものではなく、ただドーンと怖いのが絶妙のタイミングでやってきて驚かす。
これの連続で見せる。
気合の入ったものだ。
大したもの。

只管、怖がらせる。
それに耐えられない精神が幻を見せ、その対比でまた怖がらせるのだ。
確かに怖い。
特にホラーに弱いわたしには効いた(笑。

INCIDENT IN A GHOSTLAND003

寂れた街にある叔母の家を相続し引っ越した母と双子の娘の3人家族。
街道で出逢ったキャンディ売りのトラックの異様な姿の男2人が突然、家に乱入して襲いかかる。
魔女の姿の冷酷な男と獰猛な巨漢だ。
どう見てもコミュニケーション可能な生き物には見えない。
逃げ惑うが、母は惨殺され娘二人は顔が歪むほどに殴られる。
余り怖いものだから、ラブクラフトを崇拝する妹の方は、完全に白昼夢の中に逃避してしまい、自分が新進気鋭のホラー作家として成功を収めた世界に閉じ籠ってしまう。ラブクラフトの肖像を前にずっと語り掛けている始末。
姉の方は、その間も殴られボコボコにされて悲鳴をあげている。
(妹の煌びやかな妄想と悲惨極まりない闇の現実がクロスカッティングされ展開する)。

INCIDENT IN A GHOSTLAND004

その二人の男たちの素性はおろか、彼らがことばを交わす場面もほぼ見られない。
一体何者なのか、、、。
ただ、二人が実在し母を殺し娘たちを監禁して暴力を振るっていることだけは確かな事実なのだ。
何か人の仕業というより超自然的な災害か獣の被害に遭ったみたいな、、、。
途中、3人が立ち寄った店で見た新聞記事に載っていた一家惨殺犯人がそれであろう。
飛んでもない輩に掴ってしまったものだ。

敢えてこの二人組から人間性の欠片も排除することで、恐怖と緊張を増す演出効果をあげているのだろう。
(しかしこうした関係性はわれわれの身の回りに広がっているのは確かである。道ですれ違うモノの目が名状し難い存在に邂逅してしまったという半ば凍結したような目付きであったりすることが少なくない。互いが互いにとって不安と恐怖と憎悪を掻き立てる関係性はいよいよ高まっている)。

INCIDENT IN A GHOSTLAND005

それにしてもこの妹の白昼夢~妄想癖は、かなり強力であった。
途中、ホントに作家として成功した妹が姉と母を残した家に戻ると、過去のトラウマでボロボロになって未だに苦しみ踠く姉と気丈に振舞う母が自分を迎え、成功を称えてくれる場面などそのまま受け取ってしまったものだ。
それ以前に、母が二人を攻撃して撃退しているようなシーンもあった。
現実をシャットアウトし合理化する、なかなか都合の良い能力である。

そこにいてそこにいない(しかし現実に肉体的に存在する為、ボコボコにはされるが)。
完全に逃避~疑似空間にこころは閉じ籠ることが出来る。これも精神崩壊から心身を守る防衛機能ではあるが。
小説家向きの資質と謂えるかも知れぬが、現実に相対する意志力がないとなると薄っぺらいファンタジーくらいが関の山では。
作家とは本来、現実を克明に描き切ってその結果として超現実的空間を析出するものだ。
カフカが良い例。
この妄想癖が創作に繋がるかどうか、、、微妙。

INCIDENT IN A GHOSTLAND006

夢(妄想)と現の交錯がとても効果的にクロスしていた。
恐怖と不安もだが、とても虚しさの増す演出であった。
それからこの叔母から引き継いだ家だが、夥しい数の不気味で古い人形ばかりころがっていて、わたしなら直ぐに逃げ出すような空間であった。アンティーク趣味なのだろうが、なにより埃っぽい。
潰して新築だ。




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