プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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遊び

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1971年

増村保造 監督
今子正義、伊藤昌洋 脚本
野坂昭如  「心中弁天島」原作

関根恵子、、、少女
内田朝雄、、、少女の父
杉山とく子、、、少女の母
小峯美栄子、、、少女の姉
大門正明、、、少年
平泉征、、、兄貴の子分
稲妻竜二、、、兄貴の子分
早川雄三、、、高利貸
松坂慶子、、、フーテン娘
村田扶実子、、、寿荘の老婆


これには驚いた。凄い傑作。スピリット~魂を感じる。
増村保造監督作品ではこれが一番好きだ。
(全部観たわけではない為、今のところ、、、だが)。

最初のあたりBGMが変。大門正明の台詞回しが大袈裟で声が大きいこと、関根恵子が素朴で若すぎることも気になったが、、、
関根恵子演じる17歳の少女と大門正明演じる19歳の少年の生活環境の過酷さ壮絶さは、どちらもよく伝わる。
彼ら二人にとり、家族が何より重荷であった。
(ライン作業の現場こ過酷さとか、キャバレーの仕事に関しては大変さを匂わす程度)。
二人とも自分のこの宿命に心底うんざりしており、逃避出来るならしたい気持ちで一杯でもある。
ちょっとしたトリガーがあれば直ぐにでもそれに縋りついてしまうほどに、、、。

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少年(チンピラ)は、兄貴にもっと取り立てて貰いたいがために、たまたま出逢った電気工の少女を貢物にしようとする。
気を引いて優しくするといつも辛い境遇の彼女は直ぐに懐いて付いて来るのだった。
映画を一緒に観て、ゴーゴー喫茶とか、バーとか彼女の知らない場所に連れて行くと、彼女の自暴自棄な気持ちもいつしか薄れ、彼にこころを許し始めていた。そして兄貴に彼女を差し出すために指定の宿に連れて行くが、余りに彼女が素直で純粋で可愛らしく本気で好きになってしまい、彼女を連れて逃げることに。
これがどれ程、危険なことかは二人とも承知の上である。
(実質、全て~仕事も家族も何もかも~を捨てることになる。これまでの関係性を裏切ることになる)。

僅かな持ち金で、タクシーを飛ばし海の見える豪華ホテルに向かう。
もうこの辺から二人に先の無いことがひしひしと伝わってくる。
(こういった恋人同士の追い詰められる逃避行映画はかなりの数あるが)。
男は彼女に対しおれはチンピラだと告白するが、そんなことは最初から承知の上よと返す。
何もかも嫌になって付いてきたけど、あなたが好きになりずっと一緒にいたくなったの、、、と。
彼女にとっても男にとっても初めて尽くしの一夜となり、確かな愛を確認し合いこの上ない幸せに二人は浸る。
この刹那を永遠の楽園のように楽しもうとする気持ちは、あくる朝には自分たちには何も残っていない悲壮な覚悟からも来ている。

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早朝、たった二人で叢に出ると、これまでに感じたことのない幸せに満ち足りた気持ちを暫し確認し合う。
(ここのシーンが好きだ)。
二人には、あっけらかんと、何もない。このまま逃げたとしても追っ手がやがて来るだろう。
岸には壊れた小舟が浮かんでいる(半ば沈んでいる)。
まさかとは思ったが服を脱いで、その浸水している小舟に溜まった水をあたかも、宗教的儀式のように体にかけるのだった。そして二人は小舟に乗り込む。
前方には海が開けていた。
だが舟が到底体重に耐えられぬことが分かり、木に掴って泳ぐ形で舟を押して向こう岸を目指すことにする。
日常の文脈から彼らは異様な強度をもって離脱を図るのだ。
無謀で現実性のない選択に見えて、二人にはそれ以外の道がなかった。

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こうした映画は、エンディングが大切だが、この非現実的な~裸になって壊れた舟を押して泳ぎ遥か彼方の向こう岸を目指すという~不条理な行為を何の躊躇もなく同意して始めるというこの有様に全てが収斂されてゆく。

とても魅力的な小品であった。
関根恵子と大門正明の熱演は素晴らしかった。
感動した。








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