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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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遊星からの物体X

The Thing015

The Thing
1982年
アメリカ

ジョン・カーペンター監督
ビル・ランカスター脚本
ジョン・W・キャンベル『影が行く』原作
エンニオ・モリコーネ音楽


カート・ラッセル、、、R・J・マクレディ(ヘリ操縦士)
A・ウィルフォード・ブリムリー、、、ブレア(主任生物学者)
ドナルド・モファット、、、ギャリー(観測隊隊長)
キース・デイヴィッド、、、チャイルズ(機械技師)
T・K・カーター、、、ノールス(調理師)
デヴィッド・クレノン、、、パーマー(第2ヘリ操縦士、機械技師)
リチャード・ダイサート、、、ドクター・コッパー(医師)
チャールズ・ハラハン、、、ヴァンス・ノリス(地球物理学者)
ピーター・マローニー、、、ジョージ・ベニングス(気象学者)
リチャード・メイサー、、、クラーク(犬飼育係)
トーマス・G・ウェイツ、、、ウィンドウズ(無線通信技師)


「何を聞かれても、そうだな、しか答えられない」、、、こんな状況はある。
究極の状況下では。究極の他者”The Thing”の衝撃の後では。
ことばが全く実効性を持たなくなる。そんな場所もある。

The Thing012

わたしにとって原体験みたいな映画で、ホントに大昔にTVで観た記憶がある。
冬の南極の鬱々としてヒリツク雰囲気だけよく覚えていた。
大分以前、「遊星からの物体X ファーストコンタクト The Thing」について記事にしていたことを思い出す。
この映画の前日譚であった。


改めて見て、その稠密さ、質量に驚く。
ザ・ミスト」に近い残酷な神々しさを覚える。

雪~氷の下から10万年以上昔に外宇宙から飛来したエイリアン~他者が、爆破の熱で永い冬眠から覚めた。
全く気付かなかった名状しがたい化け物が突然無意識下から躍り出る恐怖。
人は誰でも少なからず、こうした異物を知らずに抱え込んでもいる。
その目覚め~覚醒は、当人を全く異なる人格に上書きすることもあろう。
見かけは同じでも違うモノになっている。
(そもそも自己同一性とは何か)。
誰もが疑心暗鬼になり~自らに対しても~籠って対象を窺いだす。
全ての表象に対しヒリツキ怯える。

The Thing010

距離を持つことで、相手は生きた身体性を失い、モノ化し記号的な操作対象となってゆく。
自閉的な閉ざされた環境において、他者は排除・攻撃対象として現象する~投影される。
そうまさにいつ自分に死を齎す怪物の真の姿を現すか。
それだけの時間~空間が他者であり、恐怖に充満する場所である。
雪と氷の大平原。
日の光を反射し一面地平線まで白く煌めくこの表層だけで、充分に恐ろしい事ではないか。

The Thing016

そこを犬が走って逃げてくる。
途轍もない災厄の前兆に相応しいイントロダクション。
こんな風に始まる日常~物語は幾らでもありそう。
そしてまた他の犬が次の場所を作りに走ってゆく。
(時空に隙間は幾らでもあるのだ)。
ウイルスの感染拡大のように。
そう、彼らは血液一滴分あれば、対象の身体全体の組織を書き換えてしまうのだ。
常にそれに成って生き延びてゆく驚異の適応性と増殖性。

The Thing013

そして(われわれも他者も)生命を生かすも殺すも火である。
ここでは、始まりから終わりまで火が付きまとう。
怪物も火によって目覚め火によって焼かれる。
人も火が続く限りは生きながらえようが、火が絶えれば凍え死ぬだけ。
雪の凍土、吹雪~風、血液~水、火の4大元素が生々しく描き出されていた。
大変本源的な(物質的想像力を刺激する)映画であった。

The Thing014

この物語をずっと支配する恐怖は、人間にとって実はもっとも本質的で身近な感覚なのだと確認する。
身の危険に対し誰もが恐怖と緊張を強いられるが、他者に対して基本的に持つ感覚・感情こそそれであろう。
であるから排他的な攻撃性や自分に都合のよい投影により、処理・封印しようとする。
だが、それで安心など出来るものではない。
元々相手は、常に他の何者かなのだ。常に溢出してしまう何者かなのだ。
恐怖心はずっと燻り続けよう。
いつまでも、、、


このような本質的なホラーが描かれた稠密な映画である。
エンニオ・モリコーネの音楽とは思えぬ重苦しい音色であった。












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