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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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耳をかく女

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2012年

堀内博志 監督・脚本

Satomimagae 音楽・主題歌

桜木梨奈、、、光田絵菜(震災時に恋人に置き去りにされ、PTSDに悩む女子大生)
中田暁良、、、川村吉伸(3歳で母が家出した青年)
広澤草、、、愛(耳かき店の絵菜の先輩従業員)
宇野祥平、、、小林耳かき店店長
笠原紳司、、、絵菜の元カレ
正木佐和、、、絵菜の大学の友人(耳かき店を絵菜に勧める)
安藤一人、、、吉伸の母の再婚相手
大迫茂生、、、吉伸の会社の上司


とても雰囲気の良い映画で、映像だけでなく音楽も新鮮で面白かった。
震災後の寄る辺なさと漠然と残る不安に閉塞感の入り混じった空気の中を、透明感溢れる涼やかな一条の光が射し込んだような映画で、ただひたすら気持ちが良かった。

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これは脚本も良いが、偏に主演女優によるところが大きい。
純度の高い硬質で稠密な結晶を感じさせる女優である。
初めての映画での初主演ということもあって、演技か素なのか分からない間もありこの女優の動きを見ているだけでもう一つのと言うかメタドラマも愉しめる感じであった。

この映画で、初めて「耳かき店」の内側を知った。
(以前、ニュースで「耳かき店」というものがあることは知っていたが)。
桜木梨奈の初めての役としてピッタリなミステリアスな役どころ。
確かにこういうところで耳をかいてもらえば気持ちはよいだろうが、耳をかいてもらいにわざわざこういう店に出向くというのも億劫である。面白いとは思うが、まず行かないな。

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震災後、突発性難聴に悩みながら就活をする女子大生(すでに卒後)と プロバイダの会社務めでカメラが趣味の青年との恋の物語か、、、。二人とも耳に拘りがある。片や耳にストレスの影響が表れ難聴に悩み、片や幼年期の母の耳たぶの思いに憑りつかれている(喪失感を持ち続ける)。どちらも外傷経験が最も柔らかで敏感な器官に作用しているらしい。

「はい」、「すみません」が口癖みたいで、これと言った志もないまま企業を回るルーチンを続け、部屋もかなり散らかっている彼女であるが、最後には元カレがやってきてもキッパリ断り、部屋もきちんと片付けている。
毎日を意識的に大切に過ごし始める。

「耳かき店」に務め、良い彼氏が出来て、目覚めるものがあったのだ。
自分をここで対象化したことが何より大きい。
新しい彼氏は会社では苦情受付ばかりに追われているが、写真家の夢はずっと諦めないでいる。
ここが彼女が瞠目し惹かれたところであろう。
自分はこれまでやりたいことなど無かったが、そのことすらも気づかずに来てしまったことに愕然とする。
彼女の感情が熱く込み上げ、自分を洗いざらい打ち明ける。

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恐ろしく何も考えずにここまで漂流して来たのだ。
皆就職するからということでマニュアルそのままの対策をとり企業の内定を取ったが、震災で立ち消えとなり、就活再会するも難聴も障害となり、何処にも相手にされず彷徨い続ける日々。

ここで、彼女の耳に魅せられた青年が丁度彼女が友人の勧めで入った「耳かき店」にやって来る。
耳を介したお付き合い~物語の始まりとなった。
この耳の繊細~敏感なイメージから来る微細な感覚がこの映画の雰囲気を決めていた。
とても美しいフォルムの彼女の裸体と言い、白肌の肌理と言い、陶酔を呼ぶものである。
ある種の耽美的な映画とも謂える。
ならば、もう少し彼女の美を映像に盛り込んでも良かったはず。


掘り出し物であった。












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