ハッピー・デス・デイ 2U

Happy Death Day 2U
2019年
アメリカ
クリストファー・B・ランドン監督・脚本
スコット・ロブデル原作
ジェシカ・ローテ 、、、 テレサ・ゲルブマン(女子大生)
イズラエル・ブルサード 、、、 カーター・デイヴィス(テレサの相方)
フィー・ヴ 、、、 ライアン・ファン(カーターのルームメイト、量子反応炉を実験中の物理学の学生)
ルビー・モディーン 、、、 ロリ・シュペングラー(テレサのルームメイト)
レイチェル・マシューズ 、、、 ダニエル・ボーズマン(女子寮を仕切るチャリティの人)
スラージ・シャルマ、、、サマー・ゴッシュ(ライアンの研究チーム)
サラ・ヤーキン 、、、 ドレ・モーガン(ライアンの研究チーム)
チャールズ・エイトキン 、、、 グレゴリー・バトラー(教授、医師)
これは凄い傑作だ。1~2で一つの作品として観ることが出来る。
(どうやら3部作らしい。3章が楽しみ)。

「ハッピー・デス・デイ」の完全な続編。
そこでチョイ役で出ていたカーターのルームメイトのライアンのフル出演。
彼が話の軸になる。チャラい男かと思いきや機械操作の姿など凛々しい。
まずはライアンがループを体験しパニックとなる、、、それについてじっくり説明して聞かせる体験者のテレサであったが、、、
結局またもやテレサが、(殺人)タイムループに放り込まれてしまう。
もう11回も殺されようやく安寧の日々に戻ったかと思った矢先である。
もううんざりであり大変な剣幕である。
その原因を作ったのが、そのライアンであった。
単なるおバカコメディ(褒めている)と思っていたら、ライアン曰くループを止めようとしていたら平行時空に飛ばされたんだ、といきなりSFチックになっていた。多元宇宙論ベースの展開となる(もうユニヴァースではなくマルチヴァースが基準となっている)。
同じ日の朝に戻ったのではなく、別次元の朝に戻ったとライアンは解く。
それは兎も角、ライアンの実験中の量子反応炉がタイムループの原因だと知り、テレサはまた憤慨する。
あなたの責任なんだから何とかなさいよ。
(前作でも度々学内で停電が起きていたのは、このマシンの稼働テストによるものであった。その為、学部長が悪いタイミングでこのマシンを強制回収にやって来る)。

しかしこの次元では、ママは亡くなってはおらず、ルームメイトのロリは殺意は持っていない優しい娘。
カーターは(男癖は悪いが)チャリティ活動に燃えるダニエルと付き合っていた。
グレゴリー・バトラーの先端バイオの講義はとっておらずは医師として接しただけ、、、しかし終盤、彼がベビーマスクの正体で自己中の殺人鬼の本性を表わす。
でもテレサはママのいるこの次元に残りたいために、ループを閉じることを研究チームに持ち掛ける。
とは言えループを閉じるアルゴリズムをチームが探り出すまで、彼女は何度も自殺する羽目に。
振出しに戻る為にはベビーマスクに殺されるより効率がよく、気持ちのうえでもましということで、、、。
(しかし連続殺人鬼がこの次元にもおり、彼を利用して殺人を犯すベビーマスクは葬らないとならない)。
失敗したアルゴリズムの式は全て記憶が持ち越せる彼女が暗記し、リセット後に研究チームに正確に説明した。
そして、次のトライが始まる。彼女のお陰で研究の積み重ねが可能となった。なかなか凄い。

しかしリボーンする度にテレサの体調は悪化する。
リセット回数も限界にきたことを感じる段階に来ていた。
(やはり入院した時に、死んでもおかしくない状況と言われる)。
この次元に残るか元に戻るか決断することになる。
やはり彼女はママの生きている世界を選ぶ。
だがちょっと頼りなげなカーターに諭される。
それは本当の君の人生なのか。他人の人生を生きるようなものにならないのかと。
失うことや苦しみや痛みを回避しようとするだけではないか。
元の次元における生の総体として今の君があるんだ。冷静によく考えろ。
それに君には、さよならを謂える特権があるんだ、、、と。確かにそうだ。
(この男はそんなことを謂うタイプだったのだ、、、この次元では?)

確かにママのいるこの次元の家族の過去は、自分の大切にして来た記憶とまるで違うのだ。
自分の家族であるが、異なる過去を生きて今に至る。
大事な想い出が自分の知るものではない。他者のものなのだ。
これに人は耐えられるか。
彼女は結局未来に賭けて飛ぶことにする。
それを諭したのは、彼女の抱える葛藤~現在の事情を知らないママであった。
彼女は、皆に感謝とお別れを言って元に戻ることにする。
失うものがあっても、本当に必要なものはきっと手に入る。
と、母に言われて元の世界に旅立つ。
この辺には込み上げるものがある。(彼女にとってとても大事な母と別れて飛ぶのだ)。
そして元の世界で、恋人のカーターにいつものお仲間たちとのんびり過ごしているところで、最後に凄い展開が待っていた。
ものものしい国防関連の政府機関がやって来て、ライアンに君の開発した装置の使い方を教えてくれと来た。
全員まとめて、政府機関に保管されている例のマシンのところに連れていかれる。
君の素晴らしいマシンを使ってみたいと。
ライアンは満足気だが、ループしまくる被験者を誰にするかということになる。
テレサはうってつけの人がいるわ、とダニエルの顔をありありと思い浮かべ笑みを漏らすのだった。
ダニエルの叫び声とともにエンディング。
3作目の製作は決まっており、2021年に公開される見込み。
是非とも観たい。
何でも1作目は「ブレードランナー2049」を押さえて初登場一位の興行収入をあげたという。
それ程のものとも思えぬが、エンターテイメントとしては確かに頷ける。

1作目を観てからこれをご覧あれ。