サリー 死霊と戯れる少女

WHEN THE LIGHTS WENT OUT
2012年
イギリス
パット・ホールデン監督・脚本
ターシャ・コナー、、、サリー(女子中学生)
ケイト・アシュフィールド、、、ジェニー(母)
スティーヴン・ウォディントン、、、レン(父)
ハンナ・クリフォード、、、ルーシー(サリーの親友)
アンドレア・ロウ、、、リタ(母の友人)
マーティン・コンプストン、、、プライス先生
死霊と戯れていたとは、到底思えないが、、、。
「ライトが消えたとき」、、、意味不明。
いつもなら、観ない映画だが、引っ越した家でポルターガイスト現象と遭遇というよくある(あくまでも映画でだが)内容の噺のようであるため、軽い気持ちで観てみた。
ここのところ、日常生活でドッと疲れることが続き、こってりしたものを観て書く余裕がないのだ。
先日の「Dr.STONE」は、ちょっと作品のパワーが凄すぎて時間と体力のある時に、回したい。
今は受け止めきれない。わたしが大変低空飛行中なので。
実話がベースといっているが、別に創作だろうと実話を元に作っていようと、この作品~時間が面白いかどうかだけの問題である。
観終わったところでハッキリ言って特にインパクトはなかった。
新鮮味もない。ポルターガイストものは結構見ているし。

娘のサリーは端から何かいると感じていたが、親は全く取り合わず、やっと手に入れた郊外の家で満足気であったが、、、
直ぐに誰の身にも怪現象が起こる。
しかしそのことをそのまま受け入れない。
事もあろうに、その家の異常にいち早く気づいた娘のせいにする。全て娘が悪いと、、、。
何か(非常事態等)起きた時に、その家族の本質が露呈するものだ。
典型的な毒親家族ではないか、、、。
サリーに好意的な担任?プライス先生の尽力により、図書館の書物にかつて修道士に森の中で殺されたサリーと同い年の少女の記録があることが分かり、家で起こる現象はその少女によるものと推測される。
だが、その他に明らかにサリーに殺意を抱く悪霊がいることもエクソシストにより判明し、それが厄介なものとなってくる。
(ポルターガイスト現象は少女霊がサリーに身の危険を知らせる為のものであったらしい)。
最終的に神父や親や友人もそこそこ解決には乗り出したものの、素人臭くおざなりな関り(ここは他の映画よりずっといい加減)で、問題は解消せず(あれで解消したら初めから何も起きてはいまい)、最後に霊同士(殺された少女の霊と悪質な修道士の霊と)の闘いとなり、悪霊が追い払われてその家族は助かるというもの。他人任せの成り行き任せである。
サリーはもうすんでのところで、悪霊に絞殺されるところであった。
少女霊が、まさにウルトラマンであった。他の大人はまるで役に立たない。
こんな酷い目に遭う前に、端から少女の霊にやっつけてもらえたらよかったのにね、とも言いたいが、出てきて本領を発揮するまでにはタイミングでもあったか、、、霊の都合は分からない。

この噺で気になったのは、この引っ越した家にあくまで拘る親である。特に母親。
娘の言うこと~娘の気持ちなど全くそっちのけで自分の家に対する幻想にしがみ付き、横暴に振舞う様はまさに毒親の資格充分。
虐待も娘に対してしており毒親認定でよし。
父親も同等である。さっさとこんな家引っ越せばよいところ、金になるとか言って物見遊山な客を相手に一回一ポンドで見学会を催したりして、これが実話と言うなら呆れてモノも言えない。
実質被害者は娘だけではないか。
両親も怖い目を何度も見ているのに現実に対峙せず、娘に八つ当たりばかりしている始末。
これでグレナイ娘は相当人間が出来ているというか何というか、、、。
まだ、年齢的に親の庇護下に暮らす立場である為、耐えるしかない。
娘は、幽霊に耐え、親に耐え、で大変なストレスを抱え込む。
近所からはお化け屋敷に住む少女と排除、毛嫌いされ、、、親友の親からも娘を呼ぶなと悪意の目で睨みつけられる。

考えてみれば、こういうホラーは余りないかも知れない。
この娘はホラー界の”おしん”である。おお健気で可哀そうに~って、何なんだ。
まあ、何とも言えないが、そういう外界~霊界からの一方的な理不尽な暴力により大変な目に遭った娘の記録と受け取ればよいのか、、、。
それ以外に受け取りようがない噺だ。
ヒロインのサリーはよくやっていた。
良い女優だ。
