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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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衹園囃子

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1953年

溝口健二 監督
依田義賢 脚本

木暮実千代、、、美代春(芸妓)
若尾文子、、、栄子(舞妓・美代栄)
進藤英太郎、、、沢本(栄子の父)
河津清三郎、、、楠田(車両会社の専務)
菅井一郎、、、佐伯(楠田の部下)
小柴幹治、、、神崎(役所の課長)
田中春男、、、小川(美代春の馴染み客)
浪花千栄子、、、お君(お茶屋の女将)


わたしのもっとも苦手な類の噺だ。
いくら出来が良くても~日本の伝統的美意識、、、路地や着物や調度、所作の美しさが極めて精緻に描かれていようが~こういう映画は観たくない。
本人には、全く落ち度がないにも関わらず、周囲の人間から人格・人権を無視、否定された仕打ちを受け続けてゆく姿は見るに耐えないのだ。
見ていて激しい憤りを覚え、何度も観るのを途中で止めてしまった。
実は同じく溝口映画の大傑作とされる「西鶴一代女」もヒロインへの余りに理不尽な仕打ちに観ていられなくなり途中で放棄した。
救いが全く無いのだ。
そのまま、、、。わたしが最後まで吸い込まれるようにして観たのは「雨月物語」だけである。今のところ。
「絵」の作り~構図やロングショットがどれ程、見事であっても噺が受け付けないのでは、見切れない。

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これは、とてもキツイ時間を強いられる。
木暮実千代(美代春)と若尾文子(栄子)以外の誰に対しても虫唾が走る。
自分の愚にもつかない欲だけで人を踏みにじる連中ばかり。
(自分が憎らしいと思う輩とだぶるところで余計に頭にくる)。
これで観ろと言われても、拷問みたいだ。
別に誰に勧められた訳ではないが、小津映画をかなり続けて観て来たし、あの「雨月物語」の溝口映画も、と思ったのが不味かった。
彼女らが、いくら酷い目にあったとしても、この先に僅かでも希望が残されたものならばまだしも、これは無間地獄である。
何でこんな目に合う必然性があるのか、、、。

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或る意味、これが「祇園」のリアルであり、ひとつの文化(因習)とも受け取れもするが、感情的に納得できない。
「西鶴一代女」のお春も悲惨の極みだが、これも同様である。
美代春にこの先、自らの生きる喜びがあろうか。
栄子を守るためとは言っても、自己犠牲の精神だけでよく生きることなど可能か?
無理である。
普通、途中でダメになる。
折れる。

「祇園」の枠~パラダイムを出て、徹底的に戦うしかない。
とは言え、少なくとも栄子は技芸学校で先生から日本国憲法の理念について学んでいる。
つまり戦後民主主義の洗礼は受けているのだ。
(だから余計に古い仕来りに納得がいかず苦しいという面は大きい)。
そこで自分を親身になって庇ってくれる美代春ともぶつかり合う。

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だが本質的に体制がどう変わろうと、何も人は変わらないよ、ということであろう。
特に欲については、なおさら個人主義的に我欲を追求してゆくものだ。市場原理主義の下。
今現在のこのスーパーフラットな地平においても実質、金や名誉の為に身売りしている人間は沢山いるはず。
こうしたドラマを見るたびに、生きることは、解放されることである、と心底思う。


ふたりはぶつかり合った後により絆を深めたようだ。
これは偏に栄子に対する美代春の強い愛情によるものである。
このふたりの鞏固な関係が、もしかすると救いを齎してゆくのか、、、確かに力強く並んで歩いて行く、、、
そう思わなければやり切れない。

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映像や美術の見事さは、確かに感じるものであり、「お茶屋」のシステムには何とも言えぬ感慨をもつが。
内容が生理的に観るに耐えないのだ。
これが現実だと言われればそれまでだが、あえてそれ~グロテスクな光景を見る気になれない。




AmazonPrimeにて、、、



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