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GOMA28

Author:GOMA28
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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦

sengoku001.png

2002年

原恵一 監督・脚本
臼井義人 原作

結局、野原家全員の夢に出てきた姫のメッセージとは、何であったのか、、、。

夢を見た後、裏の畑ではないが、庭に飼い犬のシロが深い穴を掘っている。
その中からお宝と言うにはあまりに汚い文字で書かれたしんのすけの手紙が現れる。

『とーちゃんかーちゃん おらてんしょうにねんにいる
おひめさまはちょーびじんだぞ
かすがのおしろはとういから おくるまできたほうがいいぞ
はやくきてね。 じゃそゆことで』

しんのすけは、突然失踪する。
両親は、何の疑問もなく(ないわけでもないが)、車に役に立ちそうなモノを片っ端詰め込み、シロの掘った大きな穴の傍で天正二年にタイムスリップ待ちに入る。間違っても「天承」ではない。夢で見た姫の出で立ちからまさか平安時代ではないと思ったのだろう。
向こうの世界ではそこ~春日部の野原宅は美しい木々の生い茂る湖畔であり、麗しい姫がいつもそこにやってきて憂い物思いに耽る場所であった。
とーちゃんたちもしんのすけに姫や井尻又兵衛由俊とも出逢い、一同お城に招待される。
両親は激しい戦いに巻き込まれることを知っているため、直ぐにそこを離れようとするが、タイムスリップ出来ない。
しんのすけはタイムトリップした矢先にほぼ事故に近い形で春日の豪傑、井尻を敵伏兵の狙い撃ちから救っており、取り敢えず恩人の扱いを受けていた。

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前半、おしりのパワーを誇示するしんのすけだが、戦国時代にタイムスリップしてからは、やはり凛々しくなる(もしかしたらこちらが本性なのか?)
合戦の様子から、時代考証のしっかりなされた作品であることが分かる。
特に竹を束にして作った鉄砲避けの盾、槍合わせ、城下周辺の収穫前の麦苗を狩り取るところまで描写している。
ディテールも精確さを追求して描く姿勢が見られた。
(そのディテールは実写の時代劇を遥かに超えていた)。

戦国の合戦を舞台にするが、話の軸は、とても繊細でナイーブなものである。
当時の道ならぬ秘められた恋愛や武士道、家族愛、、、がよくできたストーリーに収まっていた。
それにしても、春日城の人々の物分かりの良さには驚く。しんのすけの話を聞いて皆が未来から来た少年であることを理解して納得しているのだ。これ程、開かれた知性は、今現在わたしが巷を見渡してもそうは見受けられないのだが。

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しんのすけとあれだけ砕けた親友になってしまえる姫と井尻は特に素晴らしい人格でもある。
こうした時代の方が感性や知性も解き放たれていたのかも。
春日の殿は、まるで哲学者のようであったし、同時に少しでも長く可愛い娘を自分のもとに置いておきたい父でもあった。
娘の政略結婚を破棄する決断が、とーちゃんとの会話で決まるところも面白い(相手がそれを機に攻めてくることも踏まえての戦略もあったのだろう)。
案の定、相手は婚約破棄を理由に多勢を頼みにした攻勢をかけ、一思いに呑み込む勢いであった。

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合戦で、とーちゃんの運転する車が大活躍するというのも奇想天外で面白い。
(帰って来てみたらもうぼろぼろである)。
登場人物の心情がそれぞれに描き分けられているところも細やかで手抜きがない。また破綻もない。
とても丁寧な作りだ。
図書館で予め史実を知っている、とーちゃんとみさえの表情は何とも言えない。
(そこには、ちゃんと野原信之介とその一族らの奮闘により、、、の表記もあった)。
特にしんのすけと仲の良い井尻の運命も知っていることで、二人とも複雑である。
闘いにおいては、かーちゃんも肝心なところは、バッチリ押さえる。野原家全面共闘であった。

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だが、しんのすけに意図せず救われてしまった井尻は、早晩命を落とさなければならない。
誰が彼を撃ったにせよ、このままの流れでは、相思相愛の姫と井尻が結ばれてしまったりすれば、未来は書き換えられてしまう。
この帳尻を合わせなければならないという超越的な立ち位置にいる誰かが撃ったのだろうが、流石にショックである。
(こうした設定の奇想天外な物語であるから、在り得ることだ)。

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しんのすけの嘆き、姫の悲しみ、に充分共感する展開と流れであった。
これも、よく出来た作品である。

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今日の姫は確かに綺麗であった。
わたしもこの作者の絵に慣れてきたところもあるだろうが。

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