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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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キャット・ピープル

Cat People002

Cat People
1942年
アメリカ

ジャック・ターナー監督
ドゥウィット・ボディーン脚本

シモーヌ・シモン、、、イレーナ(ヒロイン)
ケント・スミス、、、オリヴァー(技師、夫)
ジェーン・ランドルフ、、、アリス(夫の同僚)
トム・コンウェイ、、、ジャッド(精神科医)

ナスターシャ・キンスキー主演のリメイク版(1982)はずいぶん昔に観て、もう何も覚えていない(笑。
もう一度観てみたい。
今回は、そのオリジナル版である。


強い明暗のコントラストを生かした不安な気配作りが全編を充たす。
壁や床に落ちる影がときに大きな意味を浮かべる。
プールの場面では手すりの影が主役になり、、、。
それに怯えたアリスがたまらずプールに飛び込むのだ。
不穏な水面の揺らぎ。
壁にもその揺らぎが。

アリスは叫び声をあげ助けを求める。
そこに何食わぬ顔でやって来るイレーナにアリスは怯えた。
イレーナは直ぐに立ち去る。
だが何もなかったかのようにこの場をやり過ごすことは、出来ない。
アリスのバスローブがズタズタにされていたのだ。

こんな具合で、そのもの、その場面を、あからさま~即物的には描かずに不安を充満させてゆく手法をとる。
戦時中であり、様々な不安に満ちた時世であろう。
しかし基調となるのは、イレーナの宿命に対する深い葛藤と不安と恐怖である。
確かに大人になることを拒む姿勢、潔癖症、男性恐怖などの繊細で内向的な若い女性特有の心性にも重なる面はあるが。
やはり猫人間の末裔として決して人間とは交われない、深い接触で相手を殺してしまう宿命を背負った苦悩と絶望なのだ。
結局それが実現されるところに追い込まれたイレーナは自らの命と引き換えに彼らを救う。
この悲惨な事態を引き起こしたのは、イレーナの魂の訴えに誰も耳を貸さなかったことによる。

Cat People001

彼女は何度も「わたしは嘘をついていない。真実しか話していない」と繰り返していたのだが、周りの者は自分の正論を一方的に押し付け彼女の話を彼女の生まれた村の迷信だの一言で片づけてしまう。この奢り、傲慢、不遜な態度。これが国同士であれば当然戦争にも発展しよう。
イレーナは敢えて、アリスの紹介による精神科医にも掛かるが、彼も端から彼女の話を妄想として一蹴し何らかの幼少期のトラウマによるものとみて、受け止めようとはしない。
彼女に半ば強引に迫り結婚を果たした夫のオリヴァーも彼女の苦しみと本心を受け止める姿勢は皆無であり、職場の同僚アリスにこころを向けてゆく。ジャッドを加えての密談で、療養所に入所させると離婚が出来ないからこのままの形で離婚を成立させアリスとの結婚を企てる。

誰もが彼女を得体の知れぬものとして厄介者扱いし始める。
自分の思惑~思考の枠~に嵌らないことで排除しようとするのだ。
そんな矢先、イレーナに強引に迫るジャッドに対しついに変身をして彼を殺してしまう。
彼女もジャッドのステッキの仕込みナイフで深手を負い、動物園まで辿り着き、豹を檻から放って、息絶える。
彼女を追ってきたオリヴァーとアリスは彼女の豹の死体として横たわっている惨状を見て、「やっぱり言っていた通りだったのね」とすごすごとそこを立ち去ってゆく。


こうした輩~光景にはわたしも充分、既視感をもっている。
記憶の新しいものもあり、怒りが改めて込み上げる。

本当に他者に向き合える人間は、少ない。
(わたしの親も、全く子供に向き合えない人間であった)。








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