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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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めがみさま

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2017年

宮岡太郎 監督
大月もも 脚本
主題歌SHE'S「Ghost」
松本淳一 音楽

松井玲奈、、、佐倉 理華
新川優愛、、、ラブ
廣瀬智紀、、、川崎 拓海(ラブのマネージャー)
梅舟惟永、、、三坂 あゆみ(雑誌記者)
西沢仁太、、、鹿島(ラブのセミナー会員)
西丸優子、、、相田(ラブのセミナー会員)
片山萌美、、、高鷲 尚美(理華の同僚)
鈴木ちなみ、、、ショップ店員
筒井真理子、、、、佐倉 市絵(理華の母)
尾美としのり、、、尾沢欽一(三坂の上司)


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酷い毒母に育てられる(うちとおっつかっつだ(爆)。
娘の自立性(はおろか自律性を)も認めない母。
(この母の特徴がまず表されるシーンが隣から聞こえてきた赤ん坊の泣き声に酷く腹をたてるところ。本源的な欲求や瑞々しい生命力という他者性を認めない)。
仕事に就いてからもその支配下から娘は抜け出ることが出来ない。
完全にがんじがらめとなっており、無力で卑屈な曖昧な笑みを浮かべる弱者に貶められて生きる。
母子家庭のようだ。佐倉 理華という娘。

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そんな身体性を抱えもって生きているため、母にされたであろうような仕打ちを周りの人間からも絶えず反復される。
片山萌美女史が悪役やっているのは、ちょっと嫌だが(爆、こういう上から目線に常に痛めつけられることが常態化していた。
虐められても誰も助けてはくれないが、それ以前にちゃんと自己を主張し、周囲に対し被害を訴え救援を頼む姿勢が彼女には欠如している。
しかしこれは仕方ないことで、母のお陰で主張するだけの自己が形成されることがなかったのだ。そして健やかな人との関係性を育む機会が与えられずに来てしまったため、自分に起きたことを正当に周囲に伝える、生きるための基本スキル~コミュニケーションスキルがなかった。
やられたらそのまま。そのまま反論もせずクビとなる。
家に帰って母にしょんぼりその件を話すと、単に責められ、この出来損ないが、みたいな罵倒されるだけ。

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ストレスは勿論、大分以前から溜まりまくっており、もう極限状態に達したか。
夜中にムックリ起きてパソコンに向かうと、モニターに自分の別人格が現れた(投影された)。
これだけ自分を抑圧して、ほぼ亡き者として生きていれば、乖離したもうひとりの活きの良い人格が無意識下から忽然と飛び出て来てもおかしくはない。本人はこれまで内省的な人間ではなかった為、単に外に現れた人と受け取って対話することとなる。

彼女と公園で話をして感銘を受け~自分が本当はそうありたいという話をラブという幻想~インターフェイスを通して知り、彼女のセミナーに行く(実際はどういう形で整えられたのかは分からぬが、理華=ラブ主催のセミナーである)。
そこでラブの口から理華の本心を聴く形となり、大いに感激する。
自分自身に目覚めてゆく。

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橋の欄干から飛び降り自殺しようとしていた青年を思いとどまらせ、彼をセミナーに呼ぶ。
ラブの言葉に強い感銘を受けた青年は彼女のマネージャーとなり運転も受け持つ。
ラブと理華はルームシェアして暮らし相方として活動を進めてゆく。
マネージャーとなった青年に理華は密かに思いを寄せるが、彼はラブに恋をしている。
理華はラブに嫉妬心を抱く。ラブはある意味、理華の理想形でもあり見た目は大変美しい(新川優愛だし)。
しかし活き活きしてきた自分にも自尊心が芽生えてくる。
これまでまず抱かなかったであろう感情が湧き、かなりの回復を感じさせるところ。

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川崎を間にラブに対して、少し距離感を感じ始める理華であったが、それ以上にラブの言葉と実際の行為の隔たりに戸惑い始める。
最初、出逢った頃のことばには、説得力しか覚えなかったのであるが、、、。
「赤ちゃんみたいに泣き叫ばなければ、誰にも気づかない」。「ことばを呑み込んだ分、振り回されてきたのよ」。
「何を捨てても自分だけは捨てられない。裏切ってはいけないのは自分なの。自分のこころに耳を傾けなさい」。
「変わらなくていい。開放するの」。
理華はめでたく家出する。

そして、、、声を上げろ。状況を変えろ。我慢しない。
という掛け声から、ラブ自身も、セミナーの濃いラブ信奉者たちも、まるで子供の仕返しみたいな幼稚で粗暴な行動に出る。
いつも必ず、ラブと理華は一緒にいるが、誰もがラブしか見ておらず、理華に視線が向かないのは、ラブが投影された理華を観ているからだ。人々の中では理華そのものは見えていない。あくまでも理華であるラブに接している。

誰も理華がラブの代役でインタビュー、取材、セミナーで語っても、それに気づかない。
表向きは同一人物であり、内的にかなりの乖離が顕わとなり、双方がそれに気づいてきていた。
であっても、語る内容は同じところから湧き出ている。
その点では、破綻はない。
つまり代役は見事に熟している。

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しかし彼女に習い、セミナーの人々のやることと言えば、相手の人格を無視した暴力的な仕返しであり、一つ間違えれば人身事故や法にも触れる行為に及ぶに至る。
自身も苦しみ葛藤しながら取材に取り組む雑誌記者の三坂がたまたまラブを取材することになった。自分の立ち位置から彼女らを観て、明らかな幼さ自我~自己が成立しないところで単に粗暴な自己主張だけ繰り返しており、彼女は独りよがりで社会的に容認できないものとして告発しようとする。
(この幼い本源的欲求とも取れるものは、子供時代に抑圧され疎外された欲求であろう。ただ、この生々しい欲求がそのまま受け入れられることは赤ん坊でなければ不可能であり、社会化された要求へと昇華されなければならない)。

三坂の真っ当な見解もラブにマインドコントロールされた集団の前では無力であった。
揉み合いになって倒れた三坂を縛り上げて車に乗せ殺害して自分たちを守ろうとするラブについに理華は耐えきれず反旗を翻す。
理華は三坂の主張に共感する部分が大きくなってきたのだ(以前のインタビューの時に比べて)。
しかし三坂はテープを解き車から飛び出したところでトラックに轢かれ死んでしまう。
三坂にも自殺願望があり理華と同様に精神安定剤を常用していた為、取材中であったとは言え彼女の自殺、または妄想がもとの事故と言う形で処理される。

理華は実家に帰り母とはっきりと対峙する。決着をつけるところまでは行かぬが、初めて思い切り自分の本心をぶつける。
毒母が何を謂われたところで改心することはないが、これまで通り娘を思うように操れなくなることだけは認識したはず。

漸く理華は、乖離した自己と決別して、苦難をしっかり受け止められる自立した自己として生きてゆく決心をする。
ラブを取り込んで~子供時代の欲求を承認したうえで、自立した大人として他者と対等に生きる姿となったのだ。
セミナーで、もうラブはいません、と宣言する彼女。
理華は、一つの自我に統合された。

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梅舟惟永という存在感ある女優が光った。
勿論、松井玲奈と新川優愛の熱演は言うことないが。
それから梅舟惟永の上司、編集長?の尾美としのりがとても劇を引き締めていた。
更に友情出演の筒井真理子の毒母振りの凄さはホントに強烈であった。
他人事とは思えない臨場感と共感を得た(爆。
梅舟惟永という女優の他の作品も見てみたいものだ。

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