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GOMA28

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透明人間

The Invisible Man001

The Invisible Man
1933年
アメリカ

ジェイムズ・ホエール監督
H・G・ウェルズ原作
R・C・シェリフ、フィリップ・ワイリー脚本

クロード・レインズ、、、ジャック・グリフィン博士(透明人間)
グロリア・スチュアート、、、フローラ・クランリー(グリフィン博士の婚約者)
ウィリアム・ハリガン、、、アーサー・ケンプ博士(グリフィン博士の同僚)
ヘンリー・トラヴァース、、、クランリー博士(フローラの父)


この映画を見てつくづく思うのは、透明だと、かなりのことが出来、気持ちも大きくなるのだろう、、、。
いやこの透明人間の場合は、大きくなるとかいう次元ではないが。
視覚に頼る文化のもと、人間にとっては見えないということのアドヴァンテージはかなりのものと言える。
(これは単に自分の体が見えないということだけでなく、こちらがしっかり観察していることも誰も知らないという有利さである。これによってまさにケンプ博士は殺害されたのである)。
そして元々もっている欲望がタガが外れて噴出し、やりたい放題してみたというところか。
やたらと態度もでかく、野望も世界を征服だと、、、薬の副作用もあるか。ともかく人格崩壊した危険人物であることは確かである。

「ギュゲースの指輪」を思い出す。いや、もうあまり覚えていない(笑。
プラトンの『国家』にある、透明人間になっても人は善をなすか、、、で大議論が繰り広げられていた。
不正を犯しても発覚しなければ、政治家などやりたい放題で、ウハウハではないか。
透明に自由になれるようなガジェットがあれば、人は内なる欲望の奴隷となり破滅するのが見えている。
そんな力を使わないと決めた者は、自身を完璧にコントロールし幸せな人生を送るみたいな話であったような、、、。

The Invisible Man004

確かに社会的な規制があれば、どんな欲望を抱いていようが、合理的でルールに沿った行動をとることを強いられよう。
だが、好きなように身を隠しやりたいことが野放図に出来れば、この透明人間に近い者になってしまう者は多かろう。
政治家がこれほどの特権ではないにせよ、地位を利用して欲望に身を任せ、身の破滅を呼んでいることでも頷ける。
(ただし彼らは、暫く自粛した後、禊は済んだとか宣言してゾンビみたいに復活している。やはり只者ではない)。

この映画の透明人間は、元に戻る薬も作らずにいきなり透明になってしまって、バタバタしている。
粗忽者だ。
プラトンのギュゲースの指輪の方が遥かに洗練されている。玉受けを内側に回すと透明になり、外側に回せば元に戻るのだ。
こっちの方が機能的に断然優れている(デジタルガジェットだ)し、安全である。
薬は副作用が心配であるし、このようにスイッチ一つでたちどころに変われるものでもない。
凄い発明と本人は言っているが、見た感じ運用がとても大変そうであった。
包帯巻いて服を着たり脱いだり、メンドクサイ。
ただし、包帯を解いた部分が透明の立体を思わせるVFXなど不自然にならない効果は、この時代としては見事であった。

The Invisible Man002

それにしても食べたものがしっかり消化しないことには、それが見えて分かってしまうだろう。
行動を起こすときには、腹ペコ状態で、裸だから暑かったり寒かったりでかなり身体的に過酷な状況である。
映画では雪の積もる冬だ。風邪をひいてしまい咳やくしゃみをする訳にもいかず。
内臓の状態は透明度にどれくらい反映されるのかも気になってしまう。

これって、手放しで透明だ~自由だ~でもないような不自由さを覚える。
おまけに元に戻る薬の開発が出来ておらず、とても不安。ヒステリックでイライラしているではないか。
ギュゲースの指輪を使った方が、ノビノビと思う存分悪事は働けよう。
なんせ、化学的に体を変質させるのではなく、こっちは魔法なのだ。
とは言え、この透明人間もサイエンス・フィクションつまり虚構の噺なのだが、科学的な架空の物語というところで、足枷がある。一方魔法であれば、もう何でもあり。こういうものだと言う押さえだけでよい。
しかしプラトンの謂うように内なる欲望の奴隷となってしまえば、身の破滅は確かに免れまい。
この透明人間も殺人ゲームはかなり楽しめたが、限度~限界は当然訪れる。多勢には独りでは勝てない。徐々に追い込まれてゆく。それもあり小心者のケンプ博士を恫喝して手下として働かせようとしたが、人間脅しだけで従わせることは無理に決まっている。飴をちらつかせることを怠ったことで、結局身を亡ぼす時期を早めたか。
粗忽と言う以前にかなりの愚か者である。基本的な人間心理が分かっていない。その上この欲望~野望である。
それから、彼は透明になって素手でどんどん人殺しをしていたが、見えないことの有利さというより明らかに腕力もアップしているのか。これは薬の副作用なのか、、、。

The Invisible Man003

映像として観てゆく分には面白い。
ただ、塗料がどうとか色々と手を打っていたのに全く何の役にも立たず、納屋に寝ていたところに火を付け燻し出して撃ち殺すという結末も、なんだかなあ~であった。
これも意外な展開の面白さなのか、、、。
古さは気にならない、独特の怪奇な雰囲気の薫る映画である。










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