インターセクション

INTERSECTIONS
2013年
フランス
デヴィッド・マルコーニ監督・脚本
リュック・ベッソン製作
ジェイミー・アレクサンダー、、、テイラー・ドーラン(スコットの妻、アメリカ人)
フランク・グリロ、、、スコット・ドーラン(ヘッジファンドマネージャー、アメリカ人)
ロシュディ・ゼム、、、サレー(自称モロッコ人の修理工)
マリ=ジョゼ・クローズ、、、オードリー(赤ん坊連れの女)
ムーサ・マースクリ、、、イサム・ベナム(護送中の凶悪犯)
チャーリー・ビューリー、、、トラビス(テイラーの愛人)
「交差点」~確かに交差する。交差~事件として。
リュック・ベッソンの映画みたいに宣伝されていたので観たが、監督は違った。
砂漠でこんな交通事故ってあるんだ。凄い確率に思える。
(だが、全てが砂漠の交通事故みたいな出来事で地味に展開する)。
そしてこんな人間模様ってあるんだ、、、という感じの珍しいパタンの(アクション)サスペンスドラマ。
確かにリュック・ベッソン的なカーアクションとクラッシュの凄い映画ではあった。
(しかしその後は、唐突な展開はあるにせよ淡々と進む)。

そして何より際立つ悪女。こんなひどい女っているんだ、、、。顔を見ると如何にも薄情そうなので納得。
シチュエーション自体が特殊なので、いちいちこんなのあり?という感じで観てゆくが、サスペンス映画としては面白いか。
新婚夫婦のモロッコのゴージャス新婚旅行となるはずだったが、妻の画策で砂漠の真ん中で愛人に夫を殺害させようとしたのだが、夫がそれを事前に察知し、その愛人を金で買収し妻の計画は潰れたのだが、、、何だか調子に乗ってやってしまったカーチェイスで故障して止まっていたモロッコ人のバスと車に激突してしまい、何人もの死傷者を出し、そこに残されたものたちのサバイバルと個々の人間事情が露わになってゆく。そして実に厄介な流れとなり、、、。

こうした映画だと最後は悪女が勝利してエンディングとなりそうなものだが、ここでは男が勝つ。
勝っても負けてもどうでも良いが、、、
登場人物は(赤ん坊以外)皆、ゴロツキなのだ。
誰にも共感は覚えない。
別に登場人物に共感しながら映画を見る必要はない。
人間性に共感が持てないというだけでなく、何でそういう行動をとるのか、とかいつそういう申し合わせをしたのか等の行動の謎も多い。不思議な意思疎通もあり新鮮味があった。彼らの意思や目的も今一つ分からないというか曖昧だったりする。
ダイヤの原石は誰でも欲しいというのはよく分かるが(笑。
あらま、と思いつつただ見ているのも楽しいもので。
距離を持ってモロッコの風景を眺めてゆくのも面白いものだ。
エキゾチックである。
キャストも皆、エキゾチックであり、飽きることはない。
TOYOTA車が結構多いことに気づく。

最後に拾われたカメラのSDメモリーカードからまた飛んでもない事実が判明して警察やらが動き出したりするのか、とも思ったがそんな内容でもなかった。映っていたものは、かなり虚しい物悲しくもあるものであった。
飽きずに疲れずに観る事の出来る映画である。
