ベル&セバスチャン 新たな旅立ち

Belle et Sebastien, l'aventure continue
2016年
フランス
クリスチャン・デュゲイ監督
ジュリエット・セイルズ ファビアン・スアレ脚本
セシル・オーブリー『アルプスの村の犬と少年』原作
フェリックス・ボシュエ、、、セバスチャン(孤児)
チェッキー・カリョ、、、セザール(セバスチャンの祖父)
マルゴ・シャトリエ、、、アンジェリーナ(セバスチャンの姪、レジスタンスの闘士)
ティエリー・ヌーヴィック、、、ピエール(セバスチャンの実父、パイロット)
ティラーヌ・ブロンドー、、、ガブリエラ(樵の娘)
「ベル&セバスチャン」の続編。
終戦を迎えた様子。
陰鬱な影は引き、村は明るくなったようだ。
ようやく学校行けると思ったら、何とサボっとるではないか。
セバスチャンとセザールとベルがおめかしをして、レジスタンス記念賞を貰って帰還するアンジェリーナを迎える日、、、
しかし、彼女らを乗せた軍用機が後少しのところでエンジンが発火し森に墜落してしまう。
村の消防からは絶望的な情報しか届かない。
その火が元で森林火災が広がっており、容易に近づけない状況であった。
しかしセバスチャンらは、アンジェリーナが存命しており助けを求めていると信じる。
前編よりもスリリングなアクションが多い。
特にセバスチャンは今回はとても危険で激しい橇の坂下りがあり、落ちる寸でのところでベルに助けられたりする。
火に取り巻かれながら、高い木に登るところなど、ハイリスキーなアクションがとても多い。
急流下りもあったし。
勿論、火災からの脱出の際の崖歩きもそうだ。
かなりハラハラさせられる。セバスチャンの無鉄砲ぶりが甚だしいが、それが話を面白くさせているだけではない。
特別なVFXは使用していないと思うのだが、自然災害の半端ではない光景が広がる。
実際に森林火災を起こして撮るはずはないし、、、。
どのように撮ったのか?特に火災に取り巻かれ洞窟に逃げるが、火炎が容赦なく吹き込みまさに火炎放射器で吹き飛ばされるような脱出は凄いものであった(これは特撮だろうが)。冒険劇のサバイバルアクションを超えている。

今回は実際に飛行機に乗るため、上空からの俯瞰がたっぷり楽しめる。
とは言え、飛行機内でひと悶着在り、宙をもんどりうって不時着するので景色を楽しむ場面は少ないか。
飛行機のコントロールを失う危ない飛行も(スタントのアクロバット飛行と言われればそれまでだが)実にスリリング。
ベルと大きな熊の対決も大変危険なものであるし、、、熊も演技なら大したものである。
火災から逃れて次から次へと逃げてくる様々な動物たちも圧倒的な光景だがどこか夢心地にもなった。
ここは必死に逃げているはずだが演出が綺麗すぎるところ(ここはCGだろうが、ロケ実写とCGの区別がよく分からない部分が少なくない)。
飛行機の不時着した湖畔がこれまた凄い風景である。
ともかく、アンジェリーナの安否を確かめんとして、駆け付けるセバスチャンであるが、アクセスは上空からでないと不可能であった。
そこでパイロットでドイツ軍の飛行機を持っている父であるピエールにセザールは金を握らせ、頼み込む。
セザールは、ピエールを良く思っていないが、今回はあっさりセバスチャンに実の父であることを教える。
父の方は、セバスチャンのブレスレットを見るまでそのことに気づかない。
自分が邪険にしていた子供が亡き妻の残した子供であることは、かなり後で知る。

父は逢ったばかりは、金に汚い実に嫌な男であったが、共に過ごすうちに気心が知れてくる。
息子と気づいてからは、父と息子の話も出来た。
「守れない約束もある。」「誰も悪くはないんだ。」父の言葉は印象に残る。
きっと複雑な事情があったのだ。
ピエールは、しっかりセバスチャンたちを身を挺して守ってくれた。
ダイナマイトを持って火に取り巻かれたセバスチャンとガブリエラを助けに来たときは実に頼もしかったが、良く見つけられたと思う。
本当の姿が露わになってゆく。
(前作同様にご都合主義は感じるが)。
皆で協力して命からがらの火を噴く森からの脱出の後、セバスチャンはピエールをパパと呼ぶ。
確かに生死を彷徨う時間を共に過ごし、生還したあかつきには、純粋に打ち解けてしまうものだろう。
この風景の下である。

父のピエールとアンジェリーナが一目惚れの設定だが、ギヨームはどうなるのか。
他人事だが気になる(そういえばギヨームはその後、どうなったのか)。
ピエールとアンジェリーナが結婚でもしたらセバスチャンは急に両親を持つことになる。
おじいちゃんもタフで良い人だし、、、今回はセバスチャンを思ってのタフぶりを全編に渡り遺憾なく発揮した。
かなり良い家庭が出来るではないか。
セバスチャンにとって、幸せであろう。
前作に続き、同年代の可愛らしい少女に出逢うが、今回もそのまま別れてしまう。
もし続編があれば、今度はどうなるだろうか。
キャストは謂うことなし、であった。
セバスチャンの険しい目つきが精悍さを増した彼をよく表していた。
なかなかのものである。
相変わらずベルの演技は秀逸であった(時折わざとらしさも感じるところはあるが)。

わたしが子供や動物の出て来る映画に感じるいやらしさはこの映画にはない。

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