ファインド・アウト

Gone
2012年
アメリカ
エイトール・ダリア監督
アリソン・バーネット脚本
アマンダ・セイフライド、、、ジル
ジェニファー・カーペンター、、、シャロン・エイムズ
ダニエル・サンジャタ、、、パワーズ
セバスチャン・スタン、、、ビリー
ウェス・ベントリー、、、ピーター・フード
キャサリン・メーニッヒ、、、エリカ・ロンズデール
エミリー・ウィッカーシャム、、、モリー
マイケル・パレ、、、レイ・ボーズマン警部補
妄想には妄想を。もうそれしかない。という感じ。
アマンダ・セイフライドがカッコよい。
わたしは、とっても楽しく観たが、幾つか物足りないところもあった。
犯人が拍子抜けするほど、弱かった。おまけにアホである。
格闘術を習っているとはいえジルに簡単にボコボコにされ、正直に妹のいる場所を教えるからやめてくれ~とか命乞いして、ホントに正直に伝えて、ガソリン掛けられランタン放られて呆気なく焼死である。ふがいなさすぎる。それでも極悪非道の女性誘拐殺人犯か。
それから、わたしは途中まで、ジルに執拗に手助けをしようなどと持ち掛けていた見るからに怪しい警官が犯人では、と思っていたのだが、そのパタンはよくあるし、違う犯人だったら面白いなと期待して見ていたら、不必要に期待させるその警官は途中からほとんどいなくなり、結局他に真犯人がいたのだが、ジルのバイト先のダイナーで一度出逢っただけの目つきの悪い男というくらいの特に馴染みのないほとんど伏線上にもない男であった。しかも思わせぶりなだけで、実際策も罠もなく、いたって脆い。
こんな犯人に不振り回されていたなんて、ジルもかなりくやしかっただろう。

もっとも犯人の100倍アホなのが警察であった。
勉強命の妹が試験日前夜に疾走した件で、ジルの真に迫った訴えを警察は頭から否定して、君の妄想だよ、きっと男と遊びに行ったんだ等と迷惑そうに遠ざけ、追い詰められた彼女が意を決してピストルを持ち一人で誘拐された妹の救出に出たら、彼女をピストル所持の危険人物として警察総動員で手配し逮捕に乗り出すと来た。
(ジルは以前、女性誘拐犯に拉致され殺される寸前脱出して警察にそれを訴えたが、妄想と捉えられ精神病院に入院させられた経経緯がある。彼女は今回も同一犯とみて妹を必死に探す)。
つまり彼女は、狡賢く手強い犯人に翻弄されててこずるというより、警察の馬鹿さ加減にえげつない程邪魔されながら真犯人を孤軍奮闘で見つけ出しやっつけるという新しいかたちのクライムサスペンスのヒロインとなった。

しかしわたしもこうした孤独は子供時代に徹底的に味わった。
警察を権威(親・教員も含め)と捉えれば、こうした記憶を深層に持った人は案外いるかも知れない。
わたしは中盤から自然にそういう形に沿い観ていた。
友人や精神科の担当医までも警察の手先になって動いてゆく。
これは映画の外に既視感と怒りを伴う流れであった。
その点で観ると、肝心の敵は自分の中に膨らめていた巨大で恐ろしいものではなく、思ったより遥かにちゃちで他愛のないものというのも当たっている。
ジルの狡知というか機転を利かせた上手い方便もその都度、有効な手掛かりを引き出す。
しかし、何か子供向けの寓話みたいに、次々に有力情報がヒットして目的に近付くというのもどうしたものか。
ご近所のとても気難しい親父さんも怖い顔をしつつ犯人に繋がる重要な情報をしっかりくれる。
ジルが聴きだし上手なのは分かるが、誰からもガセネタ一つも出ないというのは甚だ出来すぎな感は拭えない。
噺的にはテンポよく面白いのだが。

ともかく可憐なヒロインが、たった独り~これが恐ろしく独りなのだ~で、だれもの謂うことを疑いながら警察の裏をかき(これはさほどハードルは高くないが)走りまくるところは、応援してしまった(笑。
特に、犯人を騙して口を割らせ、助けると言ったじゃないか、に対して嘘~っと一言、ガソリンまいてランタン投げ込み、さっさと立ち去るところには胸のすく思いがした。
妹が本当に誘拐監禁され、やっとのことで家に生還し、そこへ犯人退治した姉のジーンも戻る。
包囲していた警察に事の次第を尋ねられ、「何もなかった。妄想だし」と突き放す。
やはり最後の決め台詞である(笑。

”gone”が”find out”であるが、どちらの側面からみても良かったと思う。
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