ピラニア

Piranha
2011年
アメリカ
1978年の『ピラニア』(アメリカ)のリメイク
アレクサンドル・アジャ監督
ピーター・ゴールドフィンガー、ジョシュ・ストールバーグ脚本
エリザベス・シュー、、、ジュリー・フォレスター保安官
アダム・スコット、、、ノヴァク・ラドジンスキー
ジェリー・オコンネル、、、デリック・ジョーンズ(映画監督)
ヴィング・レイムス、、、ファロン保安官代理
ジェシカ・ゾア、、、ケリー・ドリスコル(ジェイクの彼女)
スティーブン・R・マックイーン、、、ジェイク・フォレスター(フォレスター保安官の長男)
ダニー、、、ケリー・ブルック(映画女優)
クリスタル、、、ライリー・スティール(映画女優)
セイジ・ライアン、、、ゼイン・フォレスター(フォレスター保安官の次男)
ブルックリン・プルー、、、ローラ・フォレスター(フォレスター保安官の長女)
クリストファー・ロイド、、、カール・グッドマン(海洋生物の学者)
いきなりエドガー・アラン・ポーの「メエルシュトレエムに呑まれて 」みたいな場面から始まる。
第一の犠牲者が出る。
良い感じでそのまま進むかと思うと、ちょっと大味な大集団お色気パーティの喧騒が暫く続く。
アメリカの若者パーティーの典型。というか余りの紋切り型。
これを背景に水面下での獰猛な殺戮機械の群れの動きが重なる。
このパタン既視感はタップリである。だが、チープさは全くない。
セット、キャストがゴージャスで演出も凝っており、愉しめる予感がする。
ジュリー・フォレスター保安官が、湖の封鎖を切り出すが、この街は今が書入れ時であるという理由からそれを止められる。
鉄板のパタンである。この時、閉鎖していれば、、、という御約束のパタン。

どうやら、地震によって湖の底に大きな割れ目が出来て、その下に広がっていた地底湖と繋がってしまったことが分かる。
その湖に生息していた200万年前に絶滅したと思われていた獰猛なピラニアが大群で押し寄せて来たのだ。
調査に出た隊員2人が一瞬のうちに彼らに食らい尽くされる。
保安官たちは湖のパーティー会場に駆けつけ、直ぐに岸に上がることを警告するが、もう充分盛り上がっていて聞き入れるような段階ではなかった。
そして最初の悲鳴から、次々に食らい尽くされながら逃げ惑う若者たち。
ハイテンションの大味なお色気パーティーが地獄図へと変貌する。
湖は真っ赤な血の色に染まる。
ステージセットが人数の重みに耐えられずに壊れ、それによって命を落とす者や発狂した男の乗る水上バイクで殺される者も出る。
この残虐で残忍な阿鼻叫喚の地獄図の出来てゆく過程がこれでもかというほどに描かれる。

スプラッターな凄さは、超ど級であった(笑。間違いなくこの映画の目玉だ。
基本的に鉄板の運びであったが、やはりスリリングでありショッキングである。
気づかない被害者目掛け水底から狙いを澄まして次々とガブっとくるのだ。
そして顔の皮が剥け、指が飛び、足が捥げ、腹に穴が開き、身体が千切れ、首も捥げ、口から内部を喰らい尽くしたピラニアが元気よく飛び出てくる。それを見て嘘だろ~と叫ぶ男。直ぐにその後自分もやられる。
ドキドキ、ハラハラから一気にカタストロフへ一直線(爆。
眠気があったり、だるい感じの時には持って来いの映画だ。目が覚める。お試しあれ!

銃で対抗していた警官たちもその夥しい数のピラニアには埒が明かない。
弾が無くなりボートのスクリューで蹴散らしながら、人々を岸に誘導していたファロンもピラニアの大群にやらてしまう。
殉職者が何人も出る。
大変悲惨な大事件であるが、とてもコミカルなシーンが全体に散りばめられていて、これはお色気シーンとともに、監督のサービス精神なのか、どうか?

一方、ジュリー・フォレスター保安官に重ね重ね家に籠って安全に過ごしていなさい、と命ぜられていた子供3人は揃いもそろって、ピラニアがうじゃうじゃいるスポットにボートでお出かけしていた。
長男は鼻の下を伸ばしてパーティーに行って、怪しい映画を撮る監督につかまり美女(女優)と一緒に遊びに行ってしまった、というのはある意味、無理もないが、幼い二人の妹弟に関してはやはりこのタイプの映画にはよくいるウザいほど足を引っ張る悪戯小僧である。どうしてもこういうのを出してイライラさせたいのだ。

どうも頼りない優柔不断なジェイク・フォレスターが責任感と行動力と企画力(作戦)に目覚め、ギリギリのところでピラニア軍団を殲滅させ、命からがら恋人と共に助かる。
最後は虫の息の監督を水に投げ込み、連中におやつをやったから2分は時間を稼げるなどと冷酷な参謀みたいな男になっていたのが可笑しい。
そして定番の最後に不安を残すシーンとして、これまで出て来たのは皆幼い子供だとカール・グッドマン博士から電話がくる。
これまで大活躍してきたノヴァクが親の顔を観てみたいねと言った瞬間、横から飛んできた大きなピラニアに彼の体は持って行かれてしまう。
横からモンスターが飛び出したかと思うと空間から綺麗に消えてしまうのも、必ずと言ってよいほど見られる光景である。

では、見飽きて詰まらないかと言われたら、そんなことは全くない。
この映画のように作り込まれていれば、王道映画として充分に愉しめる。
海洋モンスター系映画ではもっとも沢山の惨たらしい犠牲者を出したのではないか。
かなりの予算もかけていることが(キャストの豪華さからも)分かる、ある種の重厚さもあった。
面白かった。
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