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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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サクラメント 死の楽園

The Sacrament001

The Sacrament
2013年
アメリカ

タイ・ウェスト監督・脚本・製作総指揮
エリック・ロビンス撮影


AJ・ボーウェン、、、サム・ターナー(VICE社特派員)
ジョー・スワンバーグ、、、ジェイク・ウィリアムズ(VICE社カメラマン)
ケンタッカー・オードリー、、、パトリック・カーター(妹キャロラインを連れ戻しに来た兄)
エイミー・サイメッツ、、、キャロライン・カーター(パトリックの妹、教団信者)
ジーン・ジョーンズ、、、ファーザー(チャールズAリード、教祖)
ケイト・リン・シャイル、、、サラ・ホワイト(アーティスト、教団信者)


この映画は1978年「人民寺院の集団自殺事件」*(ガイアナ)をモチーフとしたモキュメンタリー映画である。
*918人が殺害・自殺によって命を落とした惨劇である。
POVによる臨場感は半端ではなく、実際のカルト教団の記録映画を見る生々しさであった。
突撃潜入取材の出たとこ勝負の命知らずの記者がやはり潜入によって(強固に見えて辛うじて成り立っている)共同体内部に亀裂を入れてしまう。

洗脳とはよく言われるが、ここでは麻薬もかなり使用されていたようだ。
共同体は教祖に心酔している者と覚めているが脅されて言いなりになっている者とに分かれていたが、外部から人が入って来たことにより、我慢していたなんちゃって信者がザワツキ始めた。
どんなに上辺を取り繕い貼り付けたような笑顔で暮らしていても、歪のある共同体はちょっとした外部~他者の侵食で瓦解してゆく。

The Sacrament002

思想統制と謂っても生まれた時からそこに住んでいれば、北朝鮮のように他の情報がないことで落ち着くとは思うが、これまで下界で過ごしてきてここに移り住めば不可避的に相対的な見方をするはず。
枠~システムを維持する為の抑圧装置があれば、当然反発が生まれる。
それに対する厳しい罰則があれば猶更のこと。

しかしここを出たらまた過酷な環境で惨めに耐え忍ばなければならない。
この理想郷の内部を外に曝すとアメリカ軍隊~外部の悪の象徴が、大挙してきて皆殺しにされるとか、殊更に外部を恐怖の対象として結束を固めようとする。荒唐無稽な脅しが有効性を持つこと自体、ここの成員の精神状態がどういう状況にあるのか。
日々冷静な判断の出来ない状態に追い詰められている可能性は高い。
「エデン」と名付けられたこの共同体はかなりキツイ環境となっていることが分かる。
教祖に心酔しているかに想われる人も薬漬けである可能性は高い。
それから祭り、音楽・ダンスを上手く利用する。
だが、それらに絡めとられない人はそこからの脱出のタイミングを計って堪えている。

The Sacrament003

であるから、外部からやって来て、直ぐに出てゆく人に取りすがろうとする。
内部がバラバラになって、どうしても特派員とヘリに乗って帰るという人が出てきてしまい、教祖はもう歯止めが効かぬことを悟り、集団自殺を強要する。
誰もが逆らえないなか、異を唱える者も出て来る。
自警団みたいなメンバーはマシンガンを携えていた。
素直に天国に行くことを承諾した者以外は、毒薬を強制的に飲まされたり、それを拒み逃げて行くところで次々に銃殺されてゆく。
パトリックは妹に毒を注射されて絶命し、妹は石油をかぶって焼身自殺する。
共同体の敷地に銃声が鳴り響く。
修羅場だ。死体がゴロゴロと横たわる。

The Sacrament004

恐らく、実際の人民寺院の集団自殺はもっと凄惨であったことが推察できる。
人数もこの映画より多いが、殺戮がもっと陰惨であったようだ。
下院議員と代表団、ジャーナリストも射殺されている。


この映画では結局、生き残ったのは、サムとジェイクの二人であった。
共同体の信頼性はそこからの離脱も自由であることが保証されているところにあると思う。
誰もが無意識的にも何らかの共同体~体制に属している。
それを意識化し対象化して自ら選び直す必要はあるはず。


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