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GOMA28

Author:GOMA28
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悲惨物語

Eugenia.jpg

Eugenia
1973年
フランス、リヒテンシュタイン

ジェス・フランコ監督・脚本

ソリダッド・ミランダ、、、ユージェニー(娘)
ポール・ミューラー、、、アルベール(養父)
ジェスフランコ、、、作家


マルキ・ド・サド・の「悲惨物語」からインスパイアされた映画だそうだ。
何度もBGMで流れるチープなシャンソンみたいな主題音楽が何とも、、、胡散臭い。

ちょっと引き籠り風(軟禁状態か?)の内向的美少女が養父から間違った教育を受け、ふたりでもろともに破滅に向かう御話。
(何故、この少女が養父とだけしか人間関係を持っていないのかは説明はない。その状況が描かれるのみである)。
昨日の「危険な戯れ」が、父から解放され大金をせしめて恋人と晴れ晴れと逃避行に出る話だが、こちらは養父に人生を搾取され続け、恋人を得てようやく自分を見出し、外に出ようとしたところで、逆上した養父に殺されるという悲運~悲惨の美女物語である。
そして印象的なのは、この女性は必ず座るときに体育館座りをして首をちょっと傾けるのである。
日本では珍しいものではないが、リヒテンシュタインでもそうなのか、、、。監督の趣味・趣向なのか。

Eugenia001.jpg

試写室でサディスティックな映像を具に眺め、その後病院に駆けつけ(先ほどの映像にも出ていた)血だらけの瀕死の女性にインタビューを行う作家がこの映画の監督でもある。この今にも死にそうな女性がユージェニーであり、作家はその父アルベールとは一体何者かということを知りたいのだ。
このオタク評論家めいた(日本人にいそうな)風貌の作家役兼監督は、全編に渡りしっかり出演している(なかなかの役者だ)。

父のことについて洗いざらい話して欲しいという作家に対して、全て包み隠さず話すから、最後に殺して欲しいという条件でベッドに横たわる息絶え絶えの美女は騙り始める。
物語は、その噺が映像~回想として流れてゆくという形式をとる。
(よくあるパタンである)。

養父の作品を密かに読んでしまったことから彼と関係をもってしまうユージェニーは、ふたりの秘密の共犯関係(ある意味、完全な主従関係)を結び、完全犯罪を続けてゆく。
(この特異な関係性がどのようなメカニズムで形成されたのかという過程は描かれない為、既成事実として受け入れたうえでふたりの行為の展開をサスペンス風に観てゆくことになる)。
このふたりの企みに気づいた、以前からアルベールの作品に興味を持ち研究対象にしている作家が、彼らを常に尾行・監視し始める。

Eugenia002.jpg

映像でふたりによって行われてゆく行為をいちいち書いてもしょうもないので、運命を決めるに及んだ養父の教えを記しておきたい。
(字幕から拾っておいたものだが、正確かどうかは保証できない)。

「お前は真の生きる意味を知った」
何?唐突に、とは思わなかったか。
「それは特別な体験がもたらす究極の悦びだ」
「お前は他者の痛みを支配し、他者の苦しみを糧に生きる」
この辺で、何それ?と思い、引いていたならこの娘は若くして死ぬことはなかったと思うが、、、。
「人生の醍醐味は自らの歓喜だと知るがよい」
「崇高かつ陶然たる感覚を得るのだ」
回りくどく勿体ぶっているが、メッセージいやマニフェストには権威付けは大事である。
「傷や血にまみれた他者の顔を見るとき、お前は最上の悦びを感じる」
ここでうっそーと思わないのだから、もうすでに染まってしまっていたのだ。
「知られざる秘密はお前に強さと快楽をもたらす」
何処からこの確信が来るのだ?

Eugenia003.jpg

これで、もうあなたとわたしは一心同体みたいなことを確認して、ふたりして荒唐無稽な秘密の遊びを始めてゆく。
ただ、折角捕らえた獲物なのに、余りにあっさりと殺し過ぎている気もした。
もう少し儀式めいたことをして変わった殺し方をして愉しむのかと思っていたが、直ぐに殺すので見ていて何か勿体ない気がした。
残虐なエロティシズムというものは、ほとんど感じられなかった。
これを幾度となく繰り返してゆくところに、例の作家(兼監督)が彼らの前に立ち現れ、あなたたちのやっていることはお見通しですぞ、と述べ、警察に密告するようなことはしませんが、このようなことを続けていると必ずあなたがたにその行いの報いが帰ってきます、と自分がこのような噺を書いて演じさせているのに何を惚けたことをみたいな警告を残し去って行く(笑。雰囲気的にはこの作家が一番怪しい。だが、次第に知的に見えてくるところが演技力か、こちらの慣れか、よく分からない。

そして、獲物として狙ったトランペット吹きの男に本当の恋心を抱いてしまったユージェニー。
チェ・ゲバラの噺などして、ふたりで逢瀬を重ね、精神的に惹かれ合う。
自分の足で独り立ちしたいと考える。
ここで全ての歯車が狂ってしまう。
アルベールは嫉妬に狂う。
トランペット吹きを殺し、事前の予告の通りに、ユージェニーの体をハサミで切り裂き、自分はナイフで切腹する。
(自分の尊厳を保つ唯一の自殺は切腹によるしかない、と言っていた)。
この監督、その風貌からも日本にかなり詳しそうである。

Eugenia004.jpg

ベッドで作家に全てを語り終え、ユージェニーは事切れる。
飛んでもない養父に囲われていたことで、若くして死んでしまい、何とも切ないところだが、、、。
実は、この監督についてちょいと調べたところ、この監督に見出されめきめき頭角を現した美人女優ソリダッド・ミランダ自身も道半ば大変若くして自動車事故で亡くなったそうだ。この作品が遺作となるらしい。これは余りに惜しいものではないか。
ジェス・フランコ監督の落胆は激しく暫く何も手につかなかったそうだ。

だが、それだけでは終わらない。
その後のこの監督の製作現場に常に幽霊のように彼女が立ち現れるようになり、指示~お告げ?を与え監督はそれに従い、現場は大混乱を来すことになったそうである。
そして監督にとってこの女優の後釜がようやく出現した際には、その女優に彼女が憑依したかのような演技をさせたという。
現場スタッフも皆そういう証言をしていると、、、。

これって、こういう映画より100倍面白い噺なのでは、、、。
「ソリダッド・ミランダ物語」として渾身の大作を作ってみたらどうか?
ドキュメンタリータッチのオカルト映画である。
監督の最高傑作となりそうではないか。







リヒテンシュタインの街を歩いてみたくなる、、、。

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