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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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不滅の女

LImmortelle003.jpg


L'Immortelle
1963年
フランス、イタリア、トルコ

アラン・ロブ=グリエ監督・脚本

フランソワーズ・ブリヨン、、、謎の女
ジャック・ドニオル=ヴァルクローズ、、、教師


アラン・ロブ=グリエ監督の処女作映画。
丁度、「去年マリエンバートで」と同じころ(作り始めたのはこちらが先)の作品であるからか、雰囲気が似ている。
わたしは、これまで見た彼の映画では(「危険な戯れ」も含め)、これが一番、気に入った(笑。
所々でマリエンバートと、とても似た雰囲気になる。
(あのポール・デルヴォーみたいな静止した群衆の光景とか、、、)。
「去年マリエンバートで」の方が好きだが、彼の監督作品では、今のところこれがベスト。
魅惑的なショットが多い。


イスタンブールに休暇でやってきたフランス人教師の男。
トルコでは、なかなかフランス語も英語も通じない。
トルコ語やギリシャ語が飛び交う。
(そして彼らは何やら企んでいる不審な表情)。
音楽もまさに地元の音楽で、かなりの尺で流れ、それだけでも堪能できるくらい充実していた。
更に光と影のコントラストの強さ、これが何やら自然に幻覚を誘うような、意識と無意識の境界を曖昧にする場所に思えてくる。

ことばが主人公にとって外国語であるが、それ以上に意味が伝わらない。
相手がわざとはぐらかす場合もあり、幻想か現実かも分からなくなった結果でもあるか。
そんな時に白いスポーツカー(コンパーチブル)を乗り回す謎の女性に港で出逢う。

LImmortelle001.jpg

教師の男は、この女性と逢瀬を重ねる。
だが、いつも男と女の間には距離があり、親密にはならない。常に距離を保つ。奥床しいとか道徳的とかいう次元のものではなく。
これから先の、ロブ=グリエ作品と随分雰囲気は異なる。(必然的に監督お得意の性的描写もほとんどない)。
このジャック・ドニオル=ヴァルクローズ氏の風貌がカフカの小説の主人公めいて、克明に描かれているのに抽象的な感じの存在なのだ。人間的接触が見られない。あたかも人形のような人である。しかしその目で見れば、登場人物全員が人形と言っても良い。

彼女は「わたしは自由よ」という割には、人目を気にし場合によっては唐突に帰ってしまう。
犬に殊更大袈裟な反応を示す。
(時折)一緒にいるサングラスの男、、、。
わたしはチューリップ、、、何かの暗号みたいに言う。本当の名前も国籍も明かさない。
フランス語を流暢に喋っても、彼は彼女をフランス人とは受け取っていない。
彼女は旅行者と言っているが、思いの他トルコ語やギリシャ語に通じているらしい。
そしてイスタンブールの裏・表にとても詳しい。

LImmortelle002.jpg

この映画がもっとも反復が有効に活かされていたように思う。
その方法~形式が内容にピッタリ合っている。
反復されたときにまさにここはこれだ、と唸るところもあった。
反復と回想の決定的違いも良く分かった。

反復、静止、不在、凍結した構図、、、そして、、、浜辺、この作品がもっとも効果的に(蜃気楼のような)浜辺を描いている。
女性の髪形が急に異なり、一見では同じ女性とは思えなかった。このあたりでシーンの塊が連続的に(線状的に)流れる映画ではないことが知らされる。
不連続的なシーンで構成されているとすれば、最後まで見れば結論が分かるというものにはならない。
円環構造で、ただ細やかな出来事を追ってゆくとすれば、女は不死でしかなくなる。そこで不滅と言ってもよいか、、、。
一見オーソドックスな形式を取っていると思って観ていたのだが、時制の細かいコラージュ作業が見て取れる。

LImmortelle006.jpg

彼女に突然逢えなくなった男は必死に彼女を追い求める。
これまでにパーティなどで、彼女と自然に話していた人物に問いただしたり、一緒に買い物に行った店の主人に確認したり、彼女の近所の人間に聞いたりもするが、その多くが彼女が一体何者で今何処にいるとかいうより、彼女自体を知らないという。
その存在を知らないと、、、(土産物屋の主人は彼女を覚えているとは答えたが、何故か彼女に売ったビザンチン時代の貴重な置物をまだ誰にも売っていないと持っているのだ。)

彼女のことを初めてまともに話せる人を見つけるが、彼女はこの国の特異性を訴える。
「外国人相手の怪しい商売があり、誘拐や秘密の監獄や人身売買が横行している」
ここではあり得ないことが起きることを忠告する。

LImmortelle004.jpg

そしてそれから、、、
ロングショットでマリエンバートみたいに人が並び(ここはスーラの構図も連想させるか)人影が止まり、ネジが巻かれたかの如く動き出すシーンが幾つか続く。
そんな中で、止まった人々の内に彼は彼女を見出す。
(本当にそこに彼女はいたのか、彼の妄想か、彼女はいつでもどこにでも現れ、そしてどこにもいないそんな存在に思えてくる)。
彼は彼女に確認したいことが山ほどあるが、決まってそんな時「ここでは話せない」と言って何処かに場所を移す。
「あなたの部屋に行きましょう」と言っては、そこを通り過ぎてゆく。
そこに人がいたからだ。彼は何者だったのか?危険な監視者なのか、、、。
快楽が横滑りしつづける。

そして暗闇の路を彼女の車でただ走り続けるしかなくなる。
何処に行くのではなく、路に従い只管闇を走るしかなくなっている。
どうにもならない、出口もなく、走って行くと前方に犬が佇んでいた。
彼女の大きな叫び声と共に車の運転席は道路脇の木に激突して、助かったのは助手席の彼だけであった。

だが、彼女の死後にも彼はその幻影を見てゆく。
そしてこれまでのシーンが反復される。
異化されながら反復する。そして前後する。嵌め込まれる。
彼は面影?を追ってコラージュを彷徨う。
彼女は回帰するのか。という問いも最早意味を持たない。
彼は彼女の事故車を購入し、またあの闇を疾走するとまたしても同じ犬が前に立ちふさがり、恐らく同じ木に激突して今度は彼が死ぬ。

だが、実際誰が死んだのか、どうなのかはっきりしない。話も終わらない。





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