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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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嘘をつく男

LHomme qui ment001

L'Homme qui ment
1968年
フランス、イタリア、チェコスロヴァキア

アラン・ロブ=グリエ監督・脚本

ジャン=ルイ・トランティニャン、、、嘘をつく男(ボリス・ヴァリサ又はジャン・ロバンと名乗る)
ズザナ・コクリコバ、、、ローラ(ジャンの従妹、妻)
シルヴィ・ブレアル、、、マリア(ロバン家の召使)
シルビー・ターボヴァー、、、シルビア(ジャンの妹)
ヨゼフ・クローネ、、、フランツ(執事)


昨日観たアラン・ロブ=グリエ監督の「エデン、その後」のひとつ前の作品である。
モノクロで、しかも普通にストーリーがあり、戸惑う。
監督名を見直してしまった。
ボルヘスの短編「裏切り者と英雄のテーマ」を下敷きに描いたものだそうだ。
なるほど、自分の小説が原作ではないのだ。しかしボルヘスも曲者である。
このアラン・ロブ=グリエ氏、小説家がたまたま映画も撮ってみたというスタンスではなく、本格的に映画を製作していることが分かる。
自分の芸術表現の形式に映画がとても有効な手段・方法なのだろうことは推察できる。
なお、前の記事に書いた「去年マリエンバートで」は、アラン・ロブ=グリエ原作、アラン・レネ監督による映画であり、ちょっと誤解を招く書き方をしてしまったかも知れない。
このアラン・ロブ=グリエの監督作品は、以下の通り9作に及ぶ。
作家と同時に、完全に映画監督とも呼べるだろう。
(彼の文学論からして、表層をカメラ~視線によって記述するには映画という形式は最適なのかも知れない)。

『不滅の女』  L'immortelle (1963年)
『ヨーロッパ横断特急』 Trans-Europ-Express (1966年)
『嘘をつく男』 L'homme qui ment (1968年)
『エデン、その後』 L'Eden et après (1971年)
『快楽の漸進的横滑り』 Glissements progressifs du plaisir(1974年)
『危険な戯れ』 Le Jeu avec le feu (1975年)
『囚われの美女』 La Belle Captive (1983年)
『狂気を呼ぶ音』 Un bruit qui rend fou (1995年)
『グラディーヴァ マラケシュの裸婦 』 C'est Gradiva qui vous appelle (2007年)

この中で、『不滅の女』から『囚われの美女』(すでに観た)までは、どれも観る事が出来そうだ。
何故か行きがかり上、わたしにとって、「アラン・ロブ=グリエ週間」となってしまった(笑。

LHomme qui ment004

最初に僕の話をしよう、と我々観客に宣言したその男は、名前はジャン・ロパンと告げるが、物語に入ってゆくと、すぐにボリス・ヴァリサと名乗り、ウクライナ人とも呼ばれていた、とくる。
(ジャン・ロパンはレジスタンスのリーダーであり、ボリス・ヴァリサという墓碑銘が見られ故人である)。
この調子で進む。最初から茶番めいていた。

森の中で、沢山の兵士に狙撃されているようでいて、手榴弾も炸裂していたはずだが、それは彼のいる場所とは次元が異なっているように思えるのだ。
彼は他に気がかりがあるような面持ちで、特に緊張感もなく普通に街中をうろつくように背広にネクタイ姿で取り敢えず逃げているように窺える。

男は街に出るが、その状況は占領軍の監視下にあるような光景であった。
酒場でジャンという男が英雄扱いされていて、その男の帰還が望まれている事を聞きかじる。
男は噂のジャンの妻と妹がいる家に赴く。
自分はボリスと言い、ジャンとはレジスタンスの同志の関係でいつも行動を共にしていた。などと持ちかける。
男は戦争の経験について女たちにしきりに話すが、曖昧な話ですぐに突っ込まれて、先に進まず深まることもない。
ジャンとの活動の思い出話も幾度となく反復されるが、その度に内容は変容してゆく。
忠実な関係であったと言う話と裏切ったと言う話が交錯する。
つまり、これらは回想ではなく反復なのだ。

LHomme qui ment002

そして、この男は、何の目的で嘘をついてこの街に潜入しているのかも不明だ。
彼が泊まるその屋敷には、3人の女がいた。
ひとりは、ジャンの妹のローラ。もうひとりは、彼の従妹で妻のシルビア。そして召使のマリアである。
彼女らは、兄又は夫を待つ女で登場するが、彼女ら自身、実在しない兄や夫がいる振りをしていると述べたりする始末。
そして3人で何やら芝居をして愉しんで遊んでいる。断頭台の処刑の物まねをして燥いでいたり、、、。
ストップモーションもかかり、舞台芝居がかった動作をするところは、マリエンバートみたい。
そして効果音も面白い。和太鼓みたいな音が何度も入る。
教会の鐘の音や鳴り響く銃声。
そして女の髪が切り落とされる。相変わらず瓶が(脅迫的に)割れる。
ただここでは、血はほとんど流れない。

3人の女たちも至って怪しい。何のために何をしているのか分からないが、妙な芝居じみた遊びに興じている。
男も自分を役者で役作りをしているところだと言っていた場面もあるが、それも適当な嘘だ。
ついに終盤で自分は実はすでに死んでいるとまで言っている。
この男とそれぞれ女たちは突然、関係を持つ。
そこに必然的な流れが感じられないが、突然起きる。
だかその後、親密になったりの人間的変化は、見られない。

LHomme qui ment003

ここで我々は何をどう見て辿れば良いものか。

ジャン〜ボリスいや何者でもない男の、目的も脈絡も見つけられない行動を、ただ追うしかない。
ここに出てくる人間たちが一体何者なのか。
不意に見つめるその無機質な表情からして、ほとんど人形に見える。
そう、冒頭の銃弾の雨の中を、物思いに耽ると言うか上の空のような顔で彷徨い、突然撃たれて倒れたかと思うと、ケロっと起き上がってまた歩き出す姿からして、そうであった。

ヒトが表層そのもののオブジェと化していたかどうかは分からないが、スナップショットは幾つも見られた。
少なくとも制度的内面の物語からは、周到に抜け出ていたと思われる。



これはとても映像が鮮明。


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