ヴァージニア

Twixt
2011年
アメリカ
フランシス・フォード・コッポラ監督・脚本・製作
トム・ウェイツ、、、ナレーター
ヴァル・キルマー、、、ホール・ボルティモア(オカルト作家)
ブルース・ダーン、、、ボビー・ラグレインジ(保安官)
エル・ファニング、、、V( ホールの夢に現れた美少女)
ベン・チャップリン、、、エドガー・アラン・ポー
ジョアンヌ・ウォーリー、、、デニース(ホールの妻)
アンソニー・フスコ、、、アラン・フロイド(牧師)
オールデン・エアエンライク、、、フラミンゴ(湖の対岸の若者グループのリーダー)
ドン・ノヴェロ、、、メルヴィン( 時計台の管理人)
コッポラ監督の幻想的な傑作に「コッポラの胡蝶の夢」があるが、それに比べれば、とてもこじんまりとした小品であった。
観ている最中に3回ほど眠ってしまった。
この作品と夢繋がりで観た気になってはいる。
ちょっと怪しいが。
何だか現実は、特にどうということもない、冴えない流れである。
とっても地味。
だが、そこに夢が侵蝕してくる。
Vという謎の美少女がボルティモアに助けを求めてくる。
ゴシックな風情であるが、ちょっと狙いすぎの演出過多で美しさに乏しい。
(折角のエル・ファニングが死んでいる。実際死んでいるのだが)。

ほとんど夢の中の世界でホール・ボルティモアはエドガー・アラン・ポーに導かれ、二人で事件の真相を確認してゆく。
つまり次作のネタがしっかりモノに出来るのだ。
しかし何でも夢の中で解決では安易すぎないか?
エドガー・アラン・ポーが出てきてしまって、何でも聞けてしまうではないか。
Vというか、エル・ファニングまで出てくれば、夢に浸っている方が良いと思いきや、、、
大概、誰の夢でもそうだろうが、とてもダイナミックでスリリングな展開で、Vが吸血鬼の正体を現し噛みつかれるなど散々な目には逢う。
だが、ゴシックロマンとかいうほどの絵ではない。
場所がアメリカのどこだかの片田舎である。
ゴシックロマンであればヨーロッパの古いお城とかでないと雰囲気は出し難い。
それに代わる何かがあればよいが、どうも感じられない。
しかしエル・ファニングのあの様相は、それを狙っているとしか思えないのだが。

夢の世界の出来事は、起きたらスッと消えてしまう危ういものだ、、、。
余程の夢でなければ白昼のもとに描き起こせない。
この夢が相当にビビットな出来事であることは分かるが。
彼はそれをしっかり書き留めて、新作として仕上げてしまう。
編集者にも好評で、売り上げもまずまずという、何ともどうでもよい結末であった。
ベン・チャップリン演じるエドガー・アラン・ポーがまるで本人が出てきたように肖像画そっくりで凛々しかった。
それに比べ、であるがホール・ボルティモアは終始、締まらなかった(笑。
エル・ファニングの出演した映画の中では、もっとも地味で彼女の魅力が活かされてはいなかった。
噺の上でも、自分の自堕落さが元で最愛の娘を事故死に導いてしまった自責の念から現れる娘のイメージ~霊と杭を打たれて死んだVの姿が重層してこんがらがっている。
夢が活性することで、深層の意識も無軌道に浮上した感じであろうか、、、。
単に混乱して整理がつかないようにも思える。
湖の対岸の若者たちの存在は、実際にいたようだが、何を意味しているのか今の時点ではピンとこない。
イメージの中ではそのリーダーのフラミンゴがVを殺人神父から救い、吸血鬼に変えたようだが、、、。
夢か現か分からぬ世界を描くことは、面白いが、物語の構造まで何やらあやふやで捉えどころがないものを見た印象であった。

こうしたタイプの映画であれば、ギレルモ・デル・トロ監督が撮ったら凄いものになりそう。
暗い場面が多く、Blu-rayが鑑賞には適している。
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