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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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ルック・オブ・サイレンス

The Look of Silence

The Look of Silence
デンマーク・フィンランド・インドネシア・ノルウェー・イギリス
2014年

ジョシュア・オッペンハイマー監督・製作

アディ・ルクン(眼鏡技師)
彼の両親と子供
その他は全て本物の殺人者たち。


まさに兄を虐殺された眼鏡技師アディ・ルクンの『沈黙の眼差し』であった。

これ一回限りのドキュメンタリー(に違いない)。
この映画を放映後、もう同種の映画をこの国で撮ることなど出来るはずがない。
撮影スタッフ、監督はよく無事であったものだ。
現地人でかつての殺人チームと同じ地区で今も暮らしている眼鏡技師アディ・ルクン一家も安全なのか?
何よりそれが心配だ。
エンドロールでスタッフクレジットが、”Anonymous”であったのは、当然頷ける。

恐らく万全な危機管理を施した上で仕事をして、バレる前に素早く帰国したのであろう。
撮ったもん勝ちである。
だが、アディ・ルクンは(とその一家も)、土地の人であり、素性を知らせず眼鏡の調整あるいはお勧めで接触したにしても、直ぐに何処のどいつか分かってしまうだろう。この後、移住しているはずだ。監督がその辺のケアも怠ってはいないはず。

それにしても充分日本のそこいらにもいそうな普通の糞馬鹿男たちがかつて殺した共産党員をさぞ自慢気にこうして殺したああして殺したとその残虐極まりない殺害の仕方を笑顔で懇切丁寧に実演までして説明しているのには、ホントに呆気にとられた。
軍部のプロパガンダで共産党員は神を恐れない無法者で残虐な奴らだなどと吹き込まれているにせよ、 何の疑問もなく10万人(100万ともいわれている人)を残虐な殺し方で葬って来たのだ。
そもそもインドネシアに、共産党員がそんなにいるものか。殺されたほとんどの人は、組合員や農夫であったという。
突然収監されて、トラックで順番に「ヘビ河」まで運ばれ、そこで切り刻まれ水に放り込まれていったそうだ。
しかも命乞いする囚人の喉を掻っ切って血を呑んだという。
何でも犠牲者の血を呑めば、気が狂わないのだそうだ?!

The Look of Silence002

その連中が今現在も英雄(地元の名士)として経済的にも恵まれた生活を送り、相変わらず権力の座にいるという。
小学校では声高に教師が「民主主義」を獲得した経緯などを子供たちに教えている。
かつて共産党員であった者がいる家系の子供は、将来インドネシアの公職には就けないことも教えていた。
スカルノ大統領の統治時代にインドネシアをアメリカ側につけるために軍部が将軍を6人惨殺してその犯人を共産党に仕立て、民衆蜂起という形で(軍部は直接手を汚さず)共産党員の大量虐殺を行わせたのだ。教師は当時の軍部のプロパガンダのままを子供たちに教え込んでいる。
これが現状なのだ。
なるほど、アメリカに加担して働いた(という意識の)連中だ。アメリカ人監督が俺たち英雄の記録映画を撮ってくれるんだと想えば、気安く撮影に協力するはずだ。アディだけは立場上危ういが、兄を虐殺され、娘の学校ではその殺された兄たちを鬼畜のような存在として教え込んでいる。歪められた歴史に一石を投じたい、そう奮い立ちインタビュアーを買って出たのであろう。

チャチな記号操作でいとも容易くこんな風に人が心底操られることは、このわたしがよく知っている。
人間というものがどういうものかを再確認しないと本当に危険であることは明白である。
福祉国家が確立してくればそれはかつてのイタリアのファシスト党と同じ構造を持つことに警鐘を鳴らしている佐藤優氏などもいる。
これは地続きの問題として捉えてよい。

アディの兄の惨い殺し方を嬉々として説明する能天気な殺害者二人組のビデオを自宅で見つめる彼の『沈黙の眼差し』は、深く印象に残った。
彼らは何とその一連の惨殺行為を自ら描いた絵を添えて本まで出版していた。
勿論、英雄譚としてである。
この映画で出て来た多くの殺人者たち(政治家や有力者たち)で、少しでも反省の意を見せていたのは、ひとりいたような、、、そんなところであった。みんなその行為の(イデオロギー的な)正当化をしたり、自分は上からの命令に従ったまでというよくあるものから、殺害した者の血を呑んだから平気だ!という意味不明なものまで、自らの行為の総括をする者など一人もいない状況であったのには驚くばかり。
特に多いのは、今うまくやっているのに、何で傷口を開くようなことを今更やる必要があるんだ、という殺害者の子供たちの言い草である。

The Look of Silence003


奇蹟的な微調整の上に成り立つ「人間原理」によって生存する知的生命であるわれわれとはよく謂うが、非常に低レベルな人間原理で辛うじて存在しているに過ぎないとも謂えようか。







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