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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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しゃぼん玉

syabonndama004.jpg

2016年
東伸児 監督・脚本
乃南アサ「しゃぼん玉」原作

秦基博「アイ」主題歌

林遣都、、、伊豆見翔人
市原悦子、、、スマ
藤井美菜、、、美知
綿引勝彦、、、シゲ爺
相島一之、、、スマの息子


市原悦子の最後の出演映画。
バッテリー」でデビューした林遣都主演。
二人の繊細な演技が堪能できた。
そこに綿引勝彦の懐の深い演技が加わる。
過剰なことばのない、演技と自然の光景で魅せる映画であった。

宮崎県の北西部の椎葉村が舞台。
山の中腹域の緩斜面に集落の広がる息を呑む光景だ。
その村のスマという老婆を行きがかり上助けたことで彼女の家で世話になることになる伊豆見翔人。
彼は都会でひったくりや傷害を重ねてシャボン玉のように辛うじて生きてきた。
親の機能しない家に育ち極めて歪な自我を抱え彷徨ってきたオオカミ少年である。
椎葉村には、バックをひったくる際にナイフで女性を刺してしまい逃亡の果てに辿り着いたのだ。

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それまでのささくれた修羅の生活から一転して、スマや近所の老人たちに孫(スマの孫だと思われている)のように可愛がられ寝食に不自由ない生活~スローライフが始まる。
およそ緊張感のない生活に日夜ほとんどゴロゴロとして暮らす。
いつも集まってくるおばあさんたちの素朴な郷土料理が体に優しく美味しそうである。
「うめえ、うめえ」と彼は腹いっぱいよく食べる。どれだけそれを身体が欲してきたか、がよく分かる。
翔人が庭の腰掛に寝ころび「いい天気だ」と遠くの空と山を臨み、大きなおにぎりを頬張る姿は羨ましい。

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それでも暫くのうちは、隙を見て金を盗んでトンずらするつもりでいたが、次第にこの村の人々と自然の環境に癒されて馴染んで行く。
スマの変わらぬ翔人への信頼と労りが彼に安心できる居場所を与えたことと、シゲ爺による父親代わりの山仕事~労働を通した薫陶が図られ、彼は逃げずに物事に立ち向かう力を徐々に身に着けてゆく。
「坊はいい子だ」これまで一度も親からかけてもらえなかった言葉を毎日聴きながら、いつも持たされる大きなおにぎりがしっかりと彼という身体の糧になってゆくのが分かる。
やはり良きことばと食こそが、生活~家の基本なのだ。
今、如何にこのシンプルな形体が危ういものとなっているか。
(身につまされる)。

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そして衝撃的な事件が二つ続く。
美知という都心から故郷の村に心の傷を抱えて戻って来た娘と翔人は平家祭りの準備に携わる。
彼は何時しか美しい彼女に恋心を抱くようになる。
だが彼女が受けた心の傷が、通り魔に切り付けられバックを強奪された体験によるものと知らされ、彼は自分の犯した罪にはっきりと向き合い、嘔吐する。
まさにそれは嘔吐するしかない圧倒的な強度をもつ現実であった。
そして、夜中に食べ物を探りに冷蔵庫を物色していたらスマの隠していた札束を見つけてしまう。
スマに気づかれ詰め寄られ、申し開きをする翔人。
その時丁度、昔家を出て行った息子が金の無心に帰ってきてスマに暴力を働く。
スマを庇い、放蕩息子それはまさに自分の父親のような男と揉み合いとなり、首を絞められたときにかつての自分の顔がその男に重なる。
翔人は叫ぶ「お前なんか死んじまえ!」自分の姿を初めて対象化した瞬間であった。
異変に気付き入って来たシゲ爺の姿を見て、すごすごと息子は帰ってゆく。
スマが翔人に無償の愛を注ぐ理由もここに浮き彫りとなる。
彼女は息子をこのような形で愛せなかったのだ。(翔人の父親~母親もきっとそうした過程で育った結果なのだ)。もう決して取り戻せない。彼女にとってそれは断腸の思いであったことだろう。
せめてもの償いの気持ちが翔人に注がれていたことは間違いない。


翔人は独りで立ち向かうことが出来る気がした。帰る場所さえあれば、、、。
「どうか長生きしてくれ。ここにまた戻ってきたいんだ」と言い彼は自分の犯した罪をスマに告白する。
彼女は驚くが、務めを果たしてきなさい。坊はいい子だ。わたしはずっと待っていると返す。
父同様のシゲ爺に頼み、彼の軽トラで警察に向かう。最後に手渡された大きなおにぎりを一つ食べ終わって翔人は自首する。


3年後、出所した彼はスマの家に向かう。
家の窓には明かりが煌々と灯っていた、、、。


椎葉村の自然と林遣都と市原悦子さらに綿引勝彦の演技がとても美しい映画であった。




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