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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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遠藤彰子

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遠藤彰子は日本の油絵画家の中ではもっとも好きな画家のひとりである。
はじめて教科書で観てからずっと彼女の絵のファンである。
あのキリコの輪回しをする少女を彷彿させる不安で気にかかる絵であった、、、。

先日のNHK「日曜美術館」で久しぶりに作品にまた邂逅したので、感想だけでも記しておきたい。
テーマとしては、「大きな絵」である。

自宅が見れて良かった。緑に包まれている。実はうちも緑に侵食されていたのだが、今日日中を使いその70%を剪定してしまった、、、。そうしてみると、遠藤氏宅がやたらと羨ましく思えたものだ。
アトリエも見れたし、階段に並ぶ小物が確かにアンティークショップを思わせた。
そして500号の絵が何枚も格納された倉庫も見ることが出来た。
脚立と謂い、この絵の釣り上げシステムと謂い、巨大画を描く画家のアトリエはテクノロジーも見合ったものが必要である。



家の前のアスファルトに蝋石で何処までもいつまでも絵を描く少女。
それが後の遠藤彰子となる。
誰もこんな風な幼少時の逸話(武勇伝)はもっているはず。


50年間毎日絵を描く。
30年前から大作にも着手する。
イメージの連鎖の作る世界。
相模原市に移り住み、それからは毎年、500号を超える大作を制作している。
これは一枚のキャンバスでは収まらない。

動物と人間の楽園をそこに見たという。
{楽園シリーズ}
このシリーズ画は、はじめて見た。
1970年代以降の作品である。
毎日のように森に通って制作した作品というが、林はあっても森は無いと思うが、、。
太った豚が子連れで歩いていたというが、その時点から彼女は幻想の世界に浸っていたかも知れない。
(いくら何でも豚が放し飼いはない。イノシシでもあるまいに。わたしは何故か相模原にはとても詳しいのだ(笑)。
まずはこの作品、ファンタジーとして見ることの出来るものだ。
アンリ・ルソーを賑やかにしたような、、、。ボスの絵にも繋がるものはある。

郷愁~イマジネーション喚起力の魅力。
人~植物~動物が等価。
大画面の初期は大きさの自在さはあっても、まだ平面的で装飾的な空間であった。
全ての物体が人間的ヒエラルキーから解かれ、自在に配置され、子供時代の囚われない物象世界を想わせる作品が見られる。
とても愉しい。作者の気持ちが伝わるような、、、。

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遠藤氏が現実に深く結びつく絵を描くようになったのは、息子の病気がきっかけであったという。
それは納得できる。深刻な生死観が根底にくるであろう。
「街シリーズ」から明らかに変わって来る。
この辺からわたしも知る絵が現れる。

俯瞰する視座からの迷路のような巨大都市。
人々は思い思いの仕草をしている。
あの輪回しの少女も何処か橋の欄干に持たれているかも知れなかった。

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空に吸い込まれるような構図の巨大建造物。
そして遠近法の消失点が複数ある絵である。
空も複数ある。
空が見つめるのか、人々が見つめるのか。
主体がはっきりしない不安で荘厳な眼差し。
「重力の反転」、、、確かにそうした眩暈を覚えずにはいられない。

今、500号×2のサイズの絵を制作している。
制作風景が見れたのは得した気分になった。
まずは、モノトーンで陰影の配分を見ながらの下地作りから始まる。
習字用の比較的細い筆でずっと書き進める。
番組ではあんなデカい画布にそんな細筆では途方もないという事を謂っていたが、絵の要素が全て小さいのだからあれで描くしかなかろう。

次第に奥行きが極端に深化し、渦巻くようなダイナミックな動勢が生じる。そして、上下左右が定かではなくなる重力からの自由(自在性)もその奥行きと動きの構造に加わる。やがて複数の時空の接合したような歪んだ空間が現出する。
大画面未来派のエッシャーとでも呼びたい絵。

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「大きい絵」を描く意味。
全ての制約から解かれた自由な絵の創作をそこで可能にした。
「重力のコントロールによって」(遠藤彰子)
~自由に動ける~イメージの連鎖・増殖~「自然に色々な場所から何かが出てきちゃう」~生々流転。
まさに、そういうことか、、、改めて確認した。

やはり自由とは重力から解かれることなのだ。
夢や思考には重力がない。


これは大変重要なことだ。


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