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続・深夜食堂

midnight diner007

2016年
松岡錠司 監督
安倍夜郎『深夜食堂』原作


小林薫、、、マスター
河井青葉、、、赤塚範子
佐藤浩市、、、石田
池松壮亮、、、高木清太
キムラ緑子、、、高木聖子
小島聖、、、木村さおり
渡辺美佐子、、、小川夕起子
井川比佐志、、、小川哲郎
多部未華子、、、みちる
余貴美子、、、千恵子
オダギリジョー、、、小暮

昨日の続編。
「おもいで」(鈴木常吉)という曲が生ギターと実に気負わない味のあるボーカルで唄われ沁みる。
夜の12時から朝の7時くらいまで営業する「めしや」という下町の食堂である。
豚汁定食だけメニューにあげているが、客が頼めばマスターは何でも「あいよ」と言って作ってくれる。
それがどれも美味しいらしい。
馴染み客でいつも席は一杯である(時折新しい客も混ざる)。
必ずその時に話題に上った誰かのこと~話題を客皆で語り合い心配し合う。
それも何とも言えない温度の触れ合いによる緩い共同体としてなのだ。
兎も角、よくTVでやるドラマのように小うるさくわざとらしくならないところが良い。
やはり中心に小林薫がいるからか。オダギリジョーの醸す飄々とした雰囲気も無くてはならない。

焼肉定食。焼きうどん。タコウインナー、とろろご飯、すきやき、、、等がこれまでマスターの出したメニューである。
(みちるの作った栗羊羹も美味しそうであった)。
それぞれの料理に対してひとつの物語が流れる~その章の題名にもなっているのは変わらない。
食べ物と話の内容が直接絡むものはないが、美味しい料理が優しく噺全体を包み込む。
マスターは肝心なことを告げる代わりに、「最後に食べたいもの何でも言って。作るから。」と言う。
そして「あいよ」と言って出し、客は一番食べたいものをそれは美味しく食べて名残惜しそうに帰って行く。
恐らくまた来たいときっと思うことだろう。
そんな「めしや」である。

midnight diner003

最初の佐藤浩市演じる石田と編集者赤塚範子の噺が面白かった。
仕事に行き詰まった範子が担当する作家のお通夜で出逢った男性と意気投合する。
「めしや」にも二人連れで来て彼女の好きな焼肉定食を食べてゆく。
男はとても良い間を置き「あなたは自分を疎かにしない人だと一目見て分かりました」と投げかけ。
彼女は、でもその為に行き詰って苦しんでいることを伝えると「生き方のフォームを崩さなければチャンスは必ずやって来るものですよ」なんて調子で、どんな会話にも即座に立て板に水のように答えてゆく。
地方の情報誌をWebと半々でやってますが、農家などは直接逢った方が相手に安心してもらえるんですよ、等と話していてその後も交際が続き、彼女も前向きになり仕事にまた精力的に取り組み始める。
このまま二人は上手くいくのだろうと思っていたら最後にどんでん返しの指名手配中の香典泥棒ときたものだ。
わたしは、完全に引っかかった。驚いて笑ってしまった。

回転の速さというより口だけが異様に滑らかに周る人間というものはいる。
ことばが何からも遊離していて、根のない状態で淀みなく流れ出るタイプ~ケースはわたしも見ている。
ただの純粋な「はなし」なのだ。
勿論、信用できない(笑。

midnight diner004

他にここでは「焼うどん」の好きな蕎麦屋の倅が15歳年上の彼女との結婚を母に何とか認めてもらおうとする噺。
二人で母親に正面から真摯に向かい合っていこうとするところ風鈴で締めくくる。最後までグダグダとやり過ぎないところが良い。

三つめは「豚汁定食」を頼むばあちゃんで、みちるとの濃密なやり取りで進んでゆく。
おばあちゃんは九州から東京に呼ばれ「来て来て詐欺」の被害に遭い、暫く留まらざる負えなくなる。
みちるは国に残して来た祖母の面影を見て、おばあちゃんの面倒を一手に引き受ける。
そこに小暮警官が絶妙に絡みシリアスに重くならずにコメディチックに展開する。
この噺はどうにも行く先は予定調和しかなく、これといって意外な点やおもがけない感動を呼ぶ類のものにはなり難い。
ただ小暮警官の動きが面白く、観易い。

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「深夜食堂」を続編まで観てみたが、小暮がいるかいないかで、大きく違う気がする。
無くてはならない存在である。
マスターが妙に出しゃばり過ぎないところも良い空気感を作っている。

続編より、最初の「深夜食堂」の方が噺としては面白い。
ヒロインみちるBeginsがこってり描かれていたのも大きい。

midnight diner006

アンコール!!」でアーサーが最後に歌うところにも似て「おもいで」(鈴木常吉)がとても後に残る。
良い邦画だと思う。






プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
基本的に、日々思うことを綴ってゆきます。悪しからず。
出来ればパソコン画面(PCビュー)でご覧ください。

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