ロシュフォールの恋人たち

Les Demoiselles de Rochefort
1967年
フランス
ジャック・ドゥミ監督・脚本
ミシェル・ルグラン音楽
カトリーヌ・ドヌーヴ、、、デルフィーヌ (バレエの教師、双子の妹)
フランソワーズ・ドルレアック、、、ソランジュ (作曲家、ピアニスト、双子の姉)
ジーン・ケリー、、、アンディ・ミラー(作曲家、シモンの親友)
ジョージ・チャキリス、、、エチエンヌ (流れ者)
グローバー・デール、、、ビル(流れ者)
ジャック・ペラン、、、マクサンス (画家、水兵)
ダニエル・ダリュー、、、イヴォンヌ (双子の母、カフェ経営者)
ミシェル・ピコリ、、、シモン・ダム(楽器店主、イヴォンヌのかつての恋人)

最高のミュージカルであった。
その愉しさにワクワクして感動する。
ミシェル・ルグランの音楽に全てが乗って流れてゆくようであったが、、、
曲~歌と踊りそして色彩構成の融合が素晴らしい。
カトリーヌ・ドヌーヴとフランソワーズ・ドルレアックは、本当に華のある姉妹であるが、フランソワーズ・ドルレアックにより魅力を覚えた。役柄というより踊りの動き、身のこなしが素敵であった。
「袋小路」の彼女は、ひたすら美しかったが、こちらはチャーミングであった。
そして外国人のアンディ・ミラー役のジーン・ケリーである。「雨に唄えば」、「巴里のアメリカ人」は印象深い。
そう謂えば、「雨に唄えば」の感想を書いていないことに気付いた、、、。もう見たのが昔だからもう一遍見る必要があるが。

映画通でない為、あまりミュージカル映画も観てはいないが、どうもこの時期やもっと昔のミュージカルものが面白い。
最近のミュージカルはどうも、印象に残らなかったり、ぎらついて騒々しくてついてゆけなかったりする。
「ラ・ラ・ランド」とか「ムーラン・ルージュ」など、、、
そして何と謂っても、音楽の良さであろう。
この映画はミシェル・ルグランの音楽で不滅の作品になっていることは間違いない。
そこに粒よりのキャストとセンスの良い美術が絡み素晴らしい結果を生んだものだ。
調和の美学でもある。

なかなか愉しい感動というものは味わえない。
特に後半のイヴォンヌ とシモン、ソランジュとアンディ、デルフィーヌとマクサンスのすれ違いには、ドキドキのラブコメというよりコントを見るような可笑しさと懐かしさ(その古典的味わい)を感じた。
特にデルフィーヌとマクサンスのすれ違いには、もう笑うしかない。
だが、それも最後に希望を持たせて、こちらを安心させて終わる。
全て予想通りに流れてゆく予定調和が気持ち良い。
音楽的な運びである。
後に残るのは、面白かったという想いだけであった。

この映画は今後も定期的に観るつもりである。
健康に良い。
こういうものも観なくては、精神的に偏りが出る。
つまらないSF観るより遥かに良い。
(、、、それでも何か見応えのあるSFが観たい、、、(悲)。


オリジナル・サウンド・トラック