ダークナイト ライジング

THE DARK KNIGHT RISES
2012年
アメリカ
クリストファー・ノーラン監督・脚本・製作
クリスチャン・ベイル 、、、ブルース・ウェイン/ダークナイト=バットマン
マイケル・ケイン 、、、アルフレッド(ブルースの執事)
ゲイリー・オールドマン 、、、ジェームズ・ゴードン市警本部長
アン・ハサウェイ 、、、セリーナ・カイル(キャットウーマン)
トム・ハーディ 、、、ベイン
マリオン・コティヤール 、、、ミランダ・テイト
ジョセフ・ゴードン=レヴィット 、、、ジョン・ブレイク
モーガン・フリーマン 、、、ルーシャス・フォックス
マシュー・モディーン 、、、フォーリー市警副本部長
アロン・モニ・アブトゥブール 、、、パヴェル博士
ブルースの邸宅の凄い事。ピアノキーで書棚が開き、その向こうは滝の裏側にある湖みたいな空間。
そこからバットで出入りできるというのがまた素晴らしい。
あんな家に住みたい。
あんなメカに乗りたい。

アン・ハサウェイの乗りこなすバットポッドもかなりのものであった。
直覚にカーブするところがゾクッとさせる。
アン・ハサウェイ~キャットウーマンが圧倒的にカッコよかった。
空からバットマンの”バット”、陸からキャットウーマンの”バットポッド”による追跡はこの映画でも出色の出来である。
アクション面ではかなりの面白さが味わえた。
(欲を言えばもっと見たかったが)。

ベインを見ると「北斗の拳」を連想してしまう。
そのマスクと出で立ちからも。
しかしどう見てもラオウの腕力の強い手下のひとりくらいにしか見えないのだが。
確かに彼のお陰でアクション、ファイトは多くなり、重みが加わり派手にもなっている。
だが長く出ずっぱりとなると、このマスクスタイルでの演技はかなり難しさを感じて来る。
役者も苦労したのではないか。特に顔~表情の演技。
その強さは信念によるものだと分析されていたが、最後にミランダに対する愛であったことが分かる。
ラーズ・アル・グールの遺児であったミランダ・テイトを愛した男。愛はもっとも信念を強固なものにする。
(ラーズとは、世界を完璧なバランスに維持する事を目的とする国際的な犯罪の首謀者とされるが、ジョーカーは世界はコントロール出来ないと断じている)。
「愛の戦士」であったのだ。増々北斗の拳みたいである(セーラームーンでは行き過ぎであるか)。
何かを守る為の自己犠牲という点において、バットマンのゴッサム・シティに対するベインのミランダである。
ジェームズ・ゴードン市警本部長の八面六臂の活躍ぶりは前作を上回る。実に良い味を出している。
アルフレッドの人情味あふれる役柄は更に熱く濃くなっていた。
ルーシャス・フォックスは相変わらず飄々としていて肝心なところを抑えている。
そしてジョン・ブレイクは魅力の若手である。何といっても主要脇役が高齢のいぶし銀トリオであることから、この人はよく目立った。

一番意外であったのは、マリオン・コティヤール演じるミランダであった。
こちらもブルース・ウェインと一緒に騙され不意を突かれた。
ビックリした。では彼女は子供のころから飛び抜けた身体能力を備えていたのか。
システム設計に優れたクリーン・エネルギー推進を強力に推し進めていた起業家に思えていたのだが、それだけではなかった。
ルーツが凄かった。「希望を持たせて一気に壊滅させる」魂胆を胸に秘めたテロ首謀者であった。
何とも彼女が今回の黒幕であったという事か。
マリオン・コティヤールファンにとっては大変複雑な心境となろう、、、?
片やアン・ハサウェイは厭世的な大泥棒からバットマンへの協力者となってゆく。
これは思想を転向したというよりブルース・ウェインの頑固さ直向きさに打たれたというところか。
原爆の起爆プログラムもミランダによって書き換えられ、爆発は避けられないようにしてしまっていた。
だが、バットマン~ブルース・ウェインも”バット”のオートパイロット機能を有効に書き換えて対抗した。
どちらもプログラム書き換え作戦であったが、原爆をゴッサムからなるべく離れた海上で爆破して自身は姿を消すには、この死んだふり作戦は有効であった。
お陰で葬式をあげてもらい銅像も出来た。
一度は泥を被ったバットマンであったが、ジェームズ・ゴードン市警本部長の手記から名誉回復も図られる。
(最初はベインによって市民の混乱・扇動を意図し読まれたものではあるが)。
エンディングは夢のようで爽やかなものであった。
まさにアルフレッドが夢に描いていた願い通りのものではないか。
ネックレスは彼女~セリーナに渡したのか、、、それは自宅からは紛失している。
わたしも正直、このハッピーエンドには嬉しくなった(単純。
ジョン・ブレイクは本名はロビンであったというのも、、、これで相棒となるのか。
メモがブルースから渡されていた、、、。
まだ続きそうである。
わたしとしては、今回の方が面白かった。