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GOMA28

Author:GOMA28
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猿の惑星 聖戦記

War for the Planet of the Apes001

War for the Planet of the Apes
2017年
アメリカ

ピエール・ブール原作
マット・リーヴス監督・脚本
マイケル・ジアッキノ音楽
マイケル・セレシン撮影

アンディ・サーキス 、、、シーザー
カリン・コノヴァル 、、、モーリス
アミア・ミラー 、、、ノバ
ウディ・ハレルソン 、、、大佐
スティーヴ・ザーン 、、、バッド・エイプ
テリー・ノタリー 、、、ロケット
ジュディ・グリア 、、、コーネリア
ガブリエル・チャバリア 、、、プリーチャー


シリーズ3部作の最終章である。
猿の惑星:創世記」、「猿の惑星:新世紀」そして本作。
シーザーはついに流暢な英語を喋るまでになっている。
モーリスも手話とともに喋れる。
今回は喋れない~言語・コミュニケーション能力に障害をきたした人類も出てくる。
全体に非常によく練られた脚本で、VFXも申し分ない完成度の高い力作だと思う。
アンディ・サーキスの威厳に充ちて苦悩に悶えるその演技は、崇高な域にまで達している。
(ここでもシーザーの苦悩と葛藤は途轍もないもので、コバの悪夢にも悩まされる)。

一番、感動したところは、モーリスがアミア・ミラー演じる孤児となった言葉の話せぬ少女に手話?でわたしは何者なのと聞かれ、「君はノヴァだ」と、シボレーノヴァのエンブレムを差し出して答えるところだ。
並みの人間では、こんな粋なこと出来ない。
シーザー、モーリスの知性の高さが如実に判る場面がたくさんあったがその中でもここは一際センスが光る。
確かに彼女は「新星」である。
アビスと人間とのハイブリットでもあり新種でもある。
これから先、アビスと共存を始める最初の新人類の象徴的存在だ。
(ちなみに、一番最初1968年の「猿の惑星」のやはり言葉を失った人類のヒロインもノヴァであった。この名はそのオマージュでもあろう)。
ノヴァの、可憐で直向きな存在が物語全体に希望を染み渡らせている。

War for the Planet of the Apes002

シーザーは、1を知って100を知るように、敵の情勢も断片的情報からその全体像を見事に構成してしまう。
冷酷非情な少佐もその知性には驚き呆れるばかりだ。
その為、彼らに対する脅威や恐れを深めてゆく。
徹底した殺戮の意思を新たにするのだが、彼の場合、猿インフルエンザに犯され体内でそれが進行した挙句、言語が話せなくなった人間も同様に「人ではない」と片端から殺して来た。それで人間たちにも恐れられる徹底した異物排除者である。
そのやり方に脅威を抱く人間との対立状況もシーザーは見抜いていた。

シリアスで重苦しいキャラクター~ストーリーの中で、ちょっととぼけた緩いキャラとしてバッド・エイプが物語に厚みを加えていた。
自らを「バッド・エイプ」と呼び、言葉の流暢なお道化た彼は毛が薄く、ダウンジャケットを着ている。
ALZ113によって知能を高めた者とはルートが違い、研究所ではなく動物園で人類に蔓延した猿インフルエンザに感染し知能を飛躍的に高めたという。
その姿と仕草・行動は文字通り類人猿だ。
ユーモアとペーソスに溢れ、臆病者でもある。ほとんど人ではないか。

人を凌ぐ知性と身体能力と体力も遥かに勝る彼らが地上に生き残るのは順当に思えてくる。

War for the Planet of the Apes003

人間に深い憎しみを抱くコバの反乱によってアビス対人類の激戦が巻き起こったのだが、今回はそのコバ一派のアビスたちの人間達への寝返りがシーザーに痛手を与え彼を苦戦に追い込む。
さらに妻と息子のブルーアイズ、重臣であるゴリラのルカも殺されシーザー自身も憎しみで激情に駆られ、冷静な判断を失う。
その為、敵に捕らえられ、ここでもまたシーザーは散々な目に逢う。

以前猿インフルエンザ患者の収用所であったその基地では、すでに捕まっていたアビスたちが巨大な壁を作る為に強制労働を課せられているのだった。
壁はアビスに対してではなく少佐に対する反対派の人間~軍隊を食い止める為のものである。
アメリカで近頃問題となっている壁を容易に想いうかべるものだ。
無論、壁を建設後にアビスは一頭残らず始末される手筈である。
脅しに屈しないシーザーは酷い拷問を受けるが、そんな中、ノヴァの手でシーザーの元に運ばれた人形(まさに呪いの人形だ)を素手で拾ってしまった少佐が猿インフルエンザに罹り、自分が惨殺した兵士たちと同じ運命を迎え自殺してしまう。
この流れは鮮やかであった。

AΩ隊~掛け声が「われわれは初め(アルファ)であり終わり(オメガ)でもある」~という狂信的な少佐率いる軍隊相手に苦戦するが、最後にシーザーを裏切ったレッドに絶体絶命のピンチを救われ、この隊を爆破により殲滅する。
しかしその直後この隊を潰す目的で雪崩れ込んで来たより大規模な軍隊にアビスたちが襲われそうになる。
そこを、雪崩が一斉に彼らに向け襲ってくる。この自然の脅威の畳みかけには圧倒される。
結局、身体能力の優れたアビスたちに人は勝ち目はない。。
人間たちが皆、雪崩に呑み込まれるなか、彼らは木の上に退避していた。

War for the Planet of the Apes004

最後に辿り着いた自然に恵まれた土地に喜ぶアビスとノヴァたちを眺めながら崩れ落ちるシーザーとそれを見守るモーリスの姿が切ない。
音楽が終始、哀愁を帯びた音色を奏でていた。
哀しくも希望の薄明りの射す、重厚な締めくくりである。


アミア・ミラー、まだ13歳というが次々に凄い女優が出てくるものだ、、、。
言葉が話せないで意思を何とか伝えようとする難易度の高い演技をしっかり熟していた。
見るからに野心的な感じで、ちょっと怖い。
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