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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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S君の仕事-Ⅰ

atelie.jpg

S君の家に遊びに行った。
娘二人と。
S君と言えば、大学卒業まで江ノ電の「鎌倉高校前」から白樺の高台に登ったところの実家に住んでいたが、そこにいる間ただの一度も海岸に降りたことはなく、小窓から感じ取れる砂浜の様子を絵に描き続けていたそうだ。
わたしは、S君を「鎌倉高校前のレーモン・ルーセル」と勝手に呼びたい!

兎も角S君の絵を見せてもらいに行ったのだが、娘二人はS君の大学生のお嬢さんに遊んでもらいに行ったようなものである。
お姉さん遊ぼ、と謂ってずっと遊んでもらっていた。
よほど嬉しかったようで、いつまでも遊んでもらっていた。
ここで改めてお姉さんにお礼を言わなければならない。
ほぼ丸一日、ありがとうございます。
(何をしていたか後で聴くと3Fの屋根裏部屋の一室にお姉さんを閉じ込め、外から思いっきり怖い話をして怖がらせていたそうな、、、本当に根気のいるお相手をしてもらったもので、申し訳ない(苦)。
その間、わたしはS君と奥さん相手に積もり積もった話がたっぷりゆっくりできた。

とは言え、絵も観た(爆。
それが目的であったし。彼の絵が時折何故だか妙に気になるし、、、。
長女がS君の絵の感想を述べ、それに感慨深そうに彼が応えるやりとりも面白かった。
(次女はその間、動き回りながらだれかれ構わず喋りまくっていた、、、ちょっと心配、、、多動か)。
わたしは、ただひたすらかつて見た絵の写真を黙々と撮っていく。


今日から5日間に渡り、S君の作品の一部であるが、ご紹介したい。
3F屋根裏部屋の彼のアトリエ兼ギャラリーには額に入ったガラス越しの作品が多く、距離的に謂っても角度・照明からも撮り難い物が多かったが、今回ここに33点ばかり並べる作品だけでも、その世界は感得してもらえるのではなかろうかと思う。

ここで、特に彼に関して一般的に、例えばナイーブ画家として解説を加えながら作品を掲示しようなどとは思わない。
若干の感想めいたことは添えると思うが、なるべく余計な口出しはせず、あくまでも「友人の画家の絵」を紹介するに留めたい。

もううっかりナイーブ画家などと口を滑らしたが、どう見てもそういう感覚(視線)で観られてしまう絵ではあろう。
そうした目で見始めてしまうと、幼少年期の思い出と無意識的なトラウマや強い拘りや喪失観の印象は拭い難い。
本人もそういう話をしているので、仕方ないところではあるが(笑。

公園、遊園地、電車(乗り物)、部屋、境界、音楽、、、それらの要素による絵は、思い出の再構成=模型世界の定着として描かれたものに他あるまい。
そこでは時間は凍結しており、さらに空間は構図上あっても物質的な次元としては無い。
尋常ではない平面性~凝縮性を息苦しく受け取る。その意味でナイーブアートのようなアバウトな脱力感や空気感は窺えない。
その執拗な細密さと装飾性からも(彼の絵は基本的に点描であり、速乾性のリキテックスによる)。
自然の環界を感じるところはなく、何やら演出(装飾)的に極めて人工的に灯る照明の(それは白熱灯から蛍光灯、LEDに変化していくにせよ)「絵」にはある種の強い無意識的で意図的な意志=抽象を感じさせる。
実際そうなのだ。
リビドーが形象として象形文字のように凝縮して定着した雰囲気を感じさせる。

そして溢れる郷愁が彼を確信的に動かしていること~描く行為に不可避的に仕向けて(追いやって)いることは想像し易い。
実際、彼はこの絵にあるようなジオラマを、粘土やベニヤ(ペンキで着色)やプラスチックのオーナメントや豆電球、モーターなどで細密に幾つも作ってもいる。(子どものおもちゃにもしていたそうだ)。それはとても集中と根気を要する作業でもあろう。
愉しくて夢中になってやっているのではあろうが、やらずにもいられないのだ。きっとそういうものなのだ。
愉しい苦行かも知れない、、、。
(兎も角、この行為は、現代美術の枠に対する批判~自己解体の知的作業でありかつ普遍性を目指した「藝術行為」の対極にあるものだ。そういった意味では極私的~私小説的な絵であり自己充足的な行為と謂える。しかしその個人的で本当にあったか分からぬような秘密~記憶を垣間見るような一種の気恥ずかしさや恍惚さの方にわたしたちは共振する所が大きい。きっとまた暫くして彼のお宅に絵を観に行くはず。娘たちはお姉さんと遊ぶためかも知れぬが(爆)。

S君の止むにやまれぬ「仕事」の最初期からわりと最近までの幾つか(何とかデジタル化出来た範囲のモノ)をこれから並べてみたい。

感想(感慨)を述べ出すと、全くありきたりの解説めいたものに陥ってしまうのが分かるのでお喋りはなるべく少なめにする。


まずは、初めて人に絵を見せ始めた頃のS君の原型とも謂える最初期作品群。

001sabu.jpg
「公園」
この頃は、後に観られるビビッドさがなく、かなりくぐもった画面は、ちょっと呪術性をも感じさせるところである、、、。
紳士はS君。

002sabu.jpg
「Marine Land」
恐らくこの頃、夢中になっていた彼女が水着の娘である。
奥さんには内緒だ。

003sabu.jpg
「Wanderful Dance Time」
彼はジャズ大好き人間である。
それを聴きながら描いたみたいだ。

004sabu.jpg
「夏の午後 partⅠ」
勿論、覗き見しているのがS君である。
本人も自分の中の鉱脈~郷愁に染められた記憶を覗き込んでいるという行為を対象化~自覚している様であろうか。
描くことを意識し始めたという、、、。しかし遠いね、彼女、、、。

005sabu.jpg
「夏の午後 partⅡ」
実は、この絵で初めて彼の絵を面白いと感じた。
この境界から向こうを眺め見る行為と境界の壁に反映する木漏れ日がとてもよい瞬間を凍結している。
しかし向こう側の模型のようなサイズ不明なSLが余りに不愛想である。黒いブルドッグみたいに。
一体少女は何を気にしているのか、、、。

006sabu.jpg
「長者町の思い出」
ジオラマ趣味がしっかり窺える。
例の少女と似たような少年がいる。
二人とも視線に含みを持たせている。
少年がその先何処に向かうのかを少女が気にしているのは明白だ、、、(余計な事か)。

007sabu.jpg
「「放課後」
いつもながら、遠近法が面白い。
独特の俯瞰視座であるが微妙なバランスを保っている。
その微妙さが主題化している。

008sabu.jpg
「良平とトロッコ」
初期作品では一番わたしの好きな舞台のような絵。
背景の日の光は書割である。
この地形は、他の絵へと接続してゆく特徴的な壁面も観られる。
そうこのトロッコで繋がって行くのだ。トロッコの線路がとてもよい感じ(笑。


明日へ続く。










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