好きなことをやる

理論物理学者で理学博士の佐治晴夫氏の最近の本を読んでいたら、その文脈で大変納得出来るところであった。
(「ぼくたちは今日も宇宙を旅している」PHP出版)
「好きなことをやる。特に、芸術。」
「自然体で、、力を抜いて、ポジティブに楽しく。
自分の気持ちに無理をさせない。」
という箇所が特にこころに残った(笑。
勿論、本全体が魅惑的で示唆的なセンテンスで一杯なのだが、今日はこれが一番ひっかかった。
この本は先生の必ず数式の一杯出てくる他の書とは異なり、優しい詩集のような雰囲気のエッセイである。
(絵本でさえ数式だらけである。それが魅力のひとつではあるが)。
何でも身近な自然現象から138億光年先の宇宙の事件まで全て数学で語ってしまう人だが、その間の言葉も面白くて、そのコンテクストで妙に光って引っかかり気になる言葉があったりする。
最近、わたし自身、運動不足から体調が気になっていることもあってか?
体重増加は問題である。(以前は細すぎてひとから心配されてきたのだが、、、その頃が懐かしい(爆)。
そして「好きなことをやる」ことが、元気で長生きの秘訣と結ばれる。
全く道理であるが、こういう方から謂われると深く納得してしまうものだ。
親から謂われても何も感じないだろうし、第一そんなことは言われた試しもない。
真逆なことはしょっちゅう言われてきたものだが。
やはり覚醒と自覚の問題である。
それ以外に、ない。
ぼくたちは今日も宇宙を旅している、のである。
中性子星の合体による重力波の初観測に成功 のニュースで天体好きは色めきだっている。
これまで4回はブラックホール合体の重力波検出であった。
しかし今回は重力波望遠鏡だけでなく、電磁波観測でもその現場をピンポイントで確認した。
(「マルチメッセンジャー天文学」と謂うそうだが)。
光で捉えたのは初めてである。
美であるとしか謂えない。
未来派の画家たちであったらそれをどう消化~昇華するだろうか。
そこなのだ。
われわれがこのような素晴らしい成果がありながら、日常ルーチンの中に埋没してただ線状的生活を送っているだけだとしたら、何と勿体ない事か、、、。
自分なりに引き付けた(自分の生活史に関連付けた)形に接続~生成してみるドキドキ感はもってゆきたいものだ。
恐らく絵はその方法のひとつだろう。
作曲の好きな人は、音楽づくりに、、、。
詩も勿論、、、リルケなんてまさにそれ。
日本でも沢山いるが、その極北は、稲垣足穂かも知れない。
あの「一千一秒物語」
あの書物は、宇宙のゆらぎや素粒子の振る舞いの文学における実験の香りがする。
それはきっと重金属の生成の時に発するものだ。
何と今回の発見で、鉄よりも重い金やプラチナ、レアアースなどの、重元素の誕生シーンもとらえられたという。
Advanced LIGO(アメリカ)とAdvanced Virgo(ヨーロッパ)の共同観測でこれが中性子星の合体であることを知り、世界中の電磁波観測チームに連絡をしたらしい。(スバルとか、、、)
それで可視光やガンマ線、X線や赤外線、、、による観測も可能となった。
(やたらと出来過ぎの劇的な画像が一杯目に付くが、、、確かに劇的なシーンには違いない)。
1億3000万光年の距離にある出来事である。
今夜の夢に出そうだ。