黄昏時

「君の名は。」にも出て来た「誰そ彼」の時である。
誰ですかあなたは、、、君の名は、、、か。
~黄昏時、、、
黄昏時の小町通を歩いているうちに空から赤みが消え失せて行く。
まだ行く当てがあったわれわれは、急いで江ノ電に乗ったが、空はすぐに藍色に落ちてしまう。
江之島を禍時のなか、ただひたすら歩いた。
何処へ向かうでもなく、誰もが道に沿って歩き続ける。
時折、止まって橋の欄干から漆黒の外を覗き込んでも、やはりあてもなく進むしかない路を進んで逝くしかない
そんな時に呑まれる。
娘に声を掛けられ、帰路についた。
電車に乗るまでずっと手を繋いで歩いた。
昨日のことだ。
おかげで、、、
今日も一日中、微睡状態でいた。
覚醒しないまま、また夜を迎えた。
昨夜の余波で虚脱感というか充満した感覚~眩暈が続き、時間が流れなかった。
ずっと黄昏時にいたようだ。

~黄昏時、、、
朝でも昼でも夜でもない宙吊りの場所である。
あらゆる枠が溶け規範めいたものは何もない。
無論、善も悪もない。
ただ昏い海辺で電車を待っている感覚。
ポール・デルヴォーに出てくるマネキンのような裸婦と骸骨が蒼い闇に沢山潜んでいて、耳を傾けると何やら話し込んでいる。
だがそれは上空にいる無数の鳥たちの鳴き声であった。
俄かに界隈が騒めき立つ。
それもいつしか潮騒に引き取られてゆく、、、。
3連休の終わり。
何やら淋しい。