プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
基本的に、日々思うことを綴ってゆきます。悪しからず。
必ずパソコン画面(PCビュー)でご覧ください。


*当サイトはリンクフリーです。

PICKUP
レッド・ファミリー
キューブ CUBE
ドント・ハングアップ
キャット・ピープル
パラサイト 半地下の家族 -2
パラサイト 半地下の家族 -1
ヘンリー・ムーア~彫刻に見る普遍性
911爆破の証拠―専門家は語る 前
9/11:爆破の証拠 - 専門家は語る 後
アポロ 11
シャチ~優しい殺し屋~
ハイヒール
お嬢さん
とうもろこしの島
セールスマン
トラピスト1に寄せて
「労働疎外より人間疎外」によせて
カッシーニ グランドフィナーレ
カッシーニ グランドフィナーレⅡ
シチズンフォー  スノーデンの暴露
スノーデン
レヴェナント: 蘇えりし者
透明な身体性
森羅万象を描く デューラーから柄澤齊へ
ヴィデオドローム2 ~イスラム国 ~アノニマス
見えない重力を描く Ⅱ
美の翳りに寄せて
写真についてーⅡ
午前零時の奇蹟(シュル・レアリスム覚醒の時間)
パーフェクト・デイ ~ルーリード ~ローリー・アンダーソン ~スーザン・ボイル
未来派の画家~ウンベルト・ボッチョーニ
Balthus ~ バルテュス展行ってまいりました。
「ゴールドベルグ変奏曲」 バッハ  ~グールド ~P・オトゥール ~ニーチェ
大昔のスケッチ(詩画集のための試作)
すでに世界は終わっていたのか ~ ヒエロニムス・ボスその1
スヌーズレン002
情報リテラシー  ~華氏911 ~不都合な真実
南伸坊「歴史上の本人」
プラトーン
アリータ
カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

ジンジャーの朝 ~さよなら、わたしが愛した世界

GINGER ROSA003

GINGER & ROSA
2012
イギリス・デンマーク・カナダ・クロアチア合作

サリー・ポッター監督・脚本

エル・ファニング、、、ジンジャー(16歳の多感な少女)
アリス・イングラート、、、ローザ(ジンジャーの親友、父がいない)
クリスティーナ・ヘンドリックス、、、ナタリー(ジンジャーの母)
アネット・ベニング、、、ベラ(女性活動家)
アレッサンドロ・ニボラ、、、ローランド(ジンジャーの父)


エル・ファニング繋がりで(笑、、、。
アリス・イングラートは『ピアノレッスン』、『 ブライト・スター いちばん美しい恋の詩』のジェーン・カンピオン監督の娘。

それにしても「ジンジャーの朝」って何のつもりだ?まさか「レナードの朝」にあやかろうとか、、、?
向こうの映画には、シンプルに誰と誰という題が多い。そのままではだめなのか?二人の物語である。


まず、いきなり「1945広島」の原爆の光景が映し出される。
その年に生まれた、「ジンジャーとローザ」の物語である。
母親同士が産院で隣り合ったベッドであった。
それから二人は姉妹のように育つ。

思春期に差し掛かった時期に、キューバ危機である。
再び「核」の脅威が現実味を帯びた。
ジンジャーは「核兵器」の使用による全的崩壊に恐怖する。
そこに不安定で、外界に対しひりつく思春期特有の感性が更にそれを増幅した。
「こうして世界は終わる」と謂う終末観に日夜、浸り込む。
彼女は詩人で活動家でもあったが年相応の幼さと脆弱さのうちで酔いしれていた。

最初はふたりで核開発に反対する集会やデモに参加する。
ふらふらして高校をさぼり影で喫煙したりヒッチハイクなどしながらではあるが、、、。
二人とも何かに夢中になりたい年頃であり、自分の居場所~存在意義を見出したいと考える。

GINGER ROSA002

親友だと信じていたローザとの間が徐々に溝が生じてくる。
方向性がズレてきた。
ジンジャーはボーヴォワールを読み(フェミニズムに関心を深めて行ったかどうかは分からないが)世界と言う枠は意識化してゆくが、ローザは異性にそしてローランドのアナキストぶった言動や雰囲気に呑まれ惹かれて行く。
ローザがやけに大人びてお洒落になっている。
反核運動にも参加しない。しかし、ローランドと意気投合して共にいることが増えた。
ジンジャーはとても居心地が悪くなり、彼女と以前と同様には関われなくなる。
そして決定的となったのは、彼女がよりによって自分の父ローランドの恋人関係になってしまい、どうやら身籠もってしまったらしいのだ。

ジンジャーの父は、娘にお父さんとは決して呼ばせず、”ローランド”と呼ばせていた。
「お父さん~パパ」とは、彼にとって堕落した姿(の象徴)のようだ。
とは言え、リベラル路線で体制に反抗して投獄経験もあることはともかく、娘の親友と恋仲になって妊娠させるとは、自由をはき違えてはいないか、、、。一番大事な基盤となる信頼と愛情を踏み躙って自由も何もあるまい。
ジンジャーはこれまでローランドを尊敬していたのだ。
そのショックは、途轍もない。
彼女にとって丁度、核が炸裂したのと同等の衝撃で、世界の終わりを意味した。
親友と父を失ったことになる。
基盤が失せた。

しかし、親友のローザも彼に自分と同じ傷を見出し共感し、慕っていたのだ。
そこまではよいが、問題はその先の飛躍である。
法~集団幻想のレベルと対関係における幻想は次元が異なる。
体制からの自立~反抗が必要で運動~活動に身を投じるべきときもあろう。
ベラのように。
ローランドの場合、自己幻想ばかりが肥大し、全ての欲望を抑圧に対する反抗と自由として位置付け正当化している。
ないまぜである。対関係にある人間に対する想像力を著しく欠いていた。ローザも似た者同士であった。

GINGER ROSA001

世界が終わるとは、自分の世界の終わりを意味する。
(通常、誰もが「世界は~」と口にするとき、それは「わたしの世界は~」を意味しているように。キリスト教徒が世界は、と言う時、決まってキリスト教徒としての世界である)。

失意から自殺未遂した母ナタリーの入院する病院で彼女の回復を父と待つジンジャーのこれまでを総括する詩が書かれる、、、。
(ナタリーは文字通り、世界を終わらせようとした。それをもっとも敏感に察知したのがジンジャーであった)。


『夢を見ていた

一生親友でいるって
人によって生は終わりを意味する
今となってはわたしに明日はない
これだけの恐怖と痛みの中でも、わたしは世界を愛する
命を守りたい

ローザは許してと言った
いつか、ママが回復できたら再会するでしょう
そして伝える、愛していたと
残念だけどわたしとは違う
あなたの夢は永遠の愛
わたしの夢は生きること
生きられたらそれでいい

だから許すよ』


その時、世界が壊れていなければ、許すことになるのだろう、、、。

続きを読む

検索フォーム
ブロとも申請フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

SF PickUp