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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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暗黒女子

ankoku001.jpg

2017年
耶雲哉治 監督
秋吉理香子 『暗黒女子』原作
岡田麿里 脚本


清水富美加、、、澄川 小百合(文学サークルの副会長、いつみの親友)
飯豊まりえ、、、白石 いつみ(文学サークルのカリスマ会長)
清野菜名、、、高岡 志夜(ライトノベル「君影草」で作家デビュー)
玉城ティナ、、、ディアナ・デチェヴァ(ブルガリアからの留学生)
小島梨里杏、、、小南 あかね(洋食、スウィーツ作りが得意)
平祐奈、、、二谷 美礼(奨学金による入学生)
、、、、ここまで全員、聖母女子高等学院「文学サークル」所属
千葉雄大、、、北条(先生、 いつみの恋人、サークル顧問)
升毅、、、 いつみの父親(聖母女子高等学院、その他病院経営者、資産家)


妙に面白かったが、観終わってから何を観たかよく思い出せない。
ただ観ている間は夢中で観ていた。
書きながら思い浮かべて行こう。
結局、食べてしまったのだ。カニバリズム、、、。ここの闇鍋は究極の鍋だ。
山で遭難した時など、こんなことがたまに起きるようだが、、、。(かつては、結構食べていたようである)。
小百合~清水富美加が良い味出していた。
白石 いつみと澄川 小百合は学園の誰もが憧れるカリスマ女子である。


名門女子高である聖母女子高等学院の「文学サークル」が舞台。

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聖母女子高等学院でも選ばれた者のみ入会できる「文学サークル」の定例会が厳かに始まる、、、。蝋燭灯して終始、澄川 小百合が場を仕切る。

確か、まず最初に正体不明の具材を煮込んだ闇鍋を食しながら、会長の死~自殺の真相を突いた小説をメンバー各自から読み上げるように、副会長から促される。(しかしどういう趣味だと最初は思ったが、、、魂胆がしっかりあった)。
会長の死をテーマにそれぞれ自分の視点から物語を書いて持ち寄っているのだ。
校内では、メンバーのなかの誰かが会長を死に至らしめたという噂も流れているという。


誰の小説もひたすらいつみを美化したもので、しかも誰もが自分以外のそれぞれ違うメンバーを犯人だとする。
その為、全ての小説の内容がかみ合わない。
ただ、最後にスズランを胸にし死んでいたという事実だけが同じであるが、それの示す意味がそれぞれ全く異なる。
ここがお洒落である。
まずトップバッターは、二谷 美礼。
彼女の小説の朗読から始まる。

屋上でエズラパウンドを読んでいたら、いつみに文学サークルのサロンに呼ばれる。
T.S.エリオットやイエーツも噺に出てきて文学好きの美礼は舞い上がりメンバーにしてもらったことを心底喜ぶ。

ゲラン(Guerlain)のミュゲそのスズラン(キミカケソウ)の香り。
高岡 志夜のフランス直輸入のその香水の香りがここではキイとなる。
アルバイトのことをいつみに咎められるが、その代わりに白石家の家庭教師に雇われる。
バイト代も高く、その返礼の意味でいつみのような慈悲のこころを持つため、老人介護ボランティアを始めた。
ある日、美礼はいつみが父親の逆鱗に触れ車で連れていかれるところを目撃する。
暫く後、彼女から父が志夜に誘惑されていることを明かされる。
志夜の香りがするハンカチを父が持っていたことを知ったのだ。
その実際の親し気な現場を美礼も目撃し、いつみに深く同情をする。
友情の記念としてとても大切にしているバレッタをわたしだと思ってねと言われて髪に付けて貰う。
精神的なやつれも感じられ日に日にいつみの体調が悪くなる。そして、、、屋上から飛び降り、、、。
ダイイングメッセージとしてスズランを持って死んでいた。


小南 あかねの小説では、、、。
太宰治の斜陽の感想文が高く評価され校内新聞に載ったところをいつみに読んでもらいサロンに呼ばれる。
そこにはとても素晴らしいキッチンがあり、いくらでもスウィーツの創作・研究が出来る環境があり、彼女は飛びつく。
いつみの朗らかで気さくなところにも惹かれるようになる。
家庭教師として出入りしている美礼が彼女の家のモノを盗んでいる事を打ち明けられる。
いつみは段々無口になり塞ぎ込む様になる。
みんなでモーツァルトを聴いて、いつみを元気づけようとする。
あかねは人気者の彼女が常に様々な人間関係に悩んでいることを不憫に思う。

とうとう祖母に貰った一番大切なスズランのバレッタを美礼に盗まれた事を知る。
屋上で面と向かって話合うと言って出かけて行った後で、、、
ダイイングメッセージとしてスズランを持って死んでいた。

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ディアナの小説では、、、
いつみのブルガリアのホームステイ先がディアナの家であった。
ともに過ごすうちにディアナは、ヴィーナスのような輝きを放ち明るく奔放ないつみに強く惹かれていった。
帰国後いつみの計らいで聖母女子高等学院に留学できる枠が一つできる。
本当はディアナの双子の姉が日本に行く予定であったが、ツアーガイドの姉が誤って遺跡から落ちて怪我をした為、代わりに彼女が来ることとなった。
慣れない日本の女子のみの学園生活であったが、いつみに文学サークルに誘われる。
ひょんなことから、あかねの腕にスズラン型の火傷跡があることを発見した。
いつみの体の不調が目立つため、ブルガリアのローズオイルを彼女の体に塗って心配する。
環境のせいで勉強できない子供たちに寄付を続けるため、あかねにとり今やサンクチュアリである文学サークルを廃部にして孤児院に託すことにしたいつみに彼女は強く反発しているようであった。
あかねの作るいつみへのスペシャルスイーツに強く疑いを持つディアナ。
その後、徐々に体調を崩し、屋上からスズランを持って飛び降りてしまう。


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高岡 志夜の小説
次回作を書くにあたって、いつみは文学サロンをあげて協力してくれた。
彼女の父もマスコミとの間に入って何かとカヴァーしてくれた。
しかも親切にゲランのミュゲなどの高価なプレゼントもよくしてくれた。
いつみはキミカケソウの翻訳をしたがっていたが、新作に力を注ぎたかった。

そんな時、構想を練ろうと観ていた本でラミアにディアナ・デチェヴァが似ていることが気になり始める。
確かに怖い。
この学園に良い刺激を与えたら、自分の村からまた留学生を招待してくれる約束をした、と言い彼女は自国の花、スズランを植えていた。
しかし、彼女は毎年受け容れると言っていた留学生の件で裏切られ、夜にいつみから貰った人形に呪いをかけていた。
とは言え、呪いの言葉がエコエコアザラクと一緒だった。それでよいのか、、、。

呪いの為かいつみは、聖書朗読と聖堂に行くこと十字架を観ることを酷く怯えて拒否するようになる。
そして生気なくぐったりして来て、2週間後には、、、
手にスズランを持って死んでいた。

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そして最後に、白石 いつみ自身が書いた小説を澄川 小百合が滔々と読み上げる。
北条との恋人関係の描写からいきなり始まる。
小百合はいつみのことは、全てを知っていた。
いつみの行動・計画における参謀の役割を果たしてきたのだ。
全てが満ち足りているはずなのだが、いつみは不全感を抱えている。
文学サロンは北条との逢瀬の為の場所であったが、それだけでは何かもの足りなくなってきた。

その何かの正体を悟る。
わたしという主人公の物語を完成する為、優秀な脇役を屈服させ自分の引き立て役に仕立てることだ。
二谷 美礼は成績優秀だが家が貧しく老人相手の性的なアルバイトをしていてその現場を押さえた。
小南 あかねについては、実家の和食の老舗料亭の後を兄がいるため継げず、その鬱憤から放火した事実をその火傷から掴む。
高岡 志夜が中等部時代に出して受賞した小説は、フランスの小説にそっくりなものがあることを探り出す。
ディアナ・デチェヴァは、姉が事故に遭う直前にパスポートを作成していることを掴んでいた。
秘密を握ることは魂を握ることに他ならなかった。

自己顕示欲が著しく高く、狙った誰かを服従・支配しようとする者はまず、その相手の秘密の弱みを握ることでそれを実現させて来たようだ。彼女らを罪人と意識させ従属させることで主人公としての万能感をビビットに高めることとなった。
いつみ(小百合コンビ)もその手で目立つ優秀な人材を配下に据えてきた。
確かにメンバーらは、秘密を握られ手も足も出ないように見えるが、、、何故かいつみと恋仲にある北条との関係が彼女の父親に発覚してしまい破局の危機に瀕する。これはその関係を知る、メンバーたちの仕業に違いなかった。
ディアナは彼女を愛していたが、ブルガリアに同行した北条との関係を知り、写真に収めていた。
いつみの心労から体調を崩していると思っているメンバーのなか、食の変化から あかねに妊娠を悟られる。
病院看護施設に出入りして援助交際をしている美礼がエコー写真を手に入れ、、、これは少し強引だが。
志夜は彼女の父親と親しくなっていた為、密告は容易に出来た。
彼女らは、もういい加減、いつみから解放されることを強く望んでいたのだ。

しかしその為に、いつみは激怒した父に北条を追いやられ、妊娠していた子供も中絶させられてしまった。
すでに「スズラン」と言う名まであったのだ。
まさかの脇役に裏切られたいつみは怒り狂い、彼女らに復讐を誓う。



実は、この映画ここからが、見ものなのであった。ここまでは、これから先を見せるためのイントロなのだ。

小百合は、父に追放された北条の住所と携帯番号を調べていつみに教える。
それに元気づけられたいつみは狂言自殺をこれ見よがしにメンバーの眼前で図る。
(死体をどの程度確認したのか、、、よく分からないが、トリックであった)。
メンバーは衝撃を受け、自分たちの身を守る為、特定を避け誰もが疑わしいとする作文を申し合わせて作たのだ。
復讐による死によって永遠に支配されるのは御免である。
恥を隠す為、父親は本当にそのままいつみが死んだことにし、小百合はそれに協力する。
そして計画では、定例会でメンバーにスズランの毒を鍋に盛り、各自の書いた本を遺書とさせ完結させることにしていた。
小百合がそれを話すと、みんなそれを信じいつみが生きていて、この光景を覗いて笑っていると感じ全員パニックに陥る。
この時、雷が鳴って嵐が吹き荒れていたようだが、これは演出なのか、、、。
心底怯えていたことはよく分かる。

しかしそれは小百合の嘘であり、彼女によって計画は最後の最後に変更されていた。
小百合は、いつみが冷酷に自己中心にしたたかに美しく復活することを望んだが、恋の為か余りに凡庸な小さな幸せに満足する女に堕落してしまったことにこころの底から落胆し、彼女をスズランの毒を入れたお茶で殺してしまう。
鍋の中身はいつみの体であった。

みんなでいつみを食べてしまったメンバーは実質、小百合の奴隷となることになった。
これからは澄川 小百合の物語に彩りを与えなさい、と、、、。
小百合がいつみに替り、主役となったのだ。


ひとこと、面白かった。



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